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タオルを見つけた私は小鳥をタオルでくるんでやり、もう一つのタオルを濡らして血まみれの羽根を拭いてやった


「お前、あれに追われてたの?」

「ぴぃ…」


私の返答に返事するように鳴く小鳥
もしかしてこの小鳥もあやかしだったりするのかな、なんて考えてしまう


「まさか、ね」


そっと眼鏡のレンズを取り出し、レンズ越しに見てみる

そこにはちゃんと小鳥が居た


「良かった。お前、暫く家に居ていいよ」

「ちゅぴっ」

「名前が必要よね…」


お母さんの横で名前を考える

お母さんの名前と、私の名前……


「ほづき、はどう?」

「ちゅぴっ!」


嬉しそうに鳴く小鳥
名前が気に入ったのだろう


「お父さん、大丈夫かな」


小鳥の傷を拭きながら外を見る

バチッ!と、大きな音が外から聞こえ身体を強張らせる


「っ………」

「ちゅぴ、ぴぴ」

「ほづき、大丈夫だよ。大丈夫」


自分に言い聞かせるようにほづきに語りかける

早くお父さん、帰ってきて…
ポロポロと涙が溢れる


「ちゅぴ」


ほづきは私に寄り添ってくれる

なんだかほづきが暖かくて、ウトウトとしてきた

きっと全力で走ったりして疲れが出たんだろう
そっとその場に横になる


「ごめん、ほづき…少し、眠らせて…」



そう呟くと同時に私は意識を手放した



















「……こいつは、何なんだ」


その言葉で目を覚ます

眠い目を擦り、起き上がると自分の部屋だった


「あれ。ほづき…?」


隣にいたはずのほづきがいない事に気づき、慌てて起き上がる

そしてキッチンへ行くとお父さんと知らない男の子が座っていた


「お父さん…?その子は?」

「あぁ。ほのか。おはよう」

「ほのか!はよー」


ニカッと元気良く笑う男の子に私は混乱する


「え、えっと、どこかで会いました?」

「ほのかも座りなさい。少し話をしましょう」


お父さんの言葉通りに、私は椅子に座った


「ほのか、眼鏡は壊れてしまったんだね?」

「体育の時に、ごめんなさい」

「いや、それはいいんだ。どこから話そうか」


お父さんは困ったように笑っていた

男の子は私のことをニコニコしながら見ている
一体誰なんだろう。それより私はほづきのことが気になるのだけど…


「ほのか、ほのかはさつきさんと僕の血を継いでいるせいで人よりあやかしが見えます。それは前にも教えましたよね」

「うん、それは前にも聞いたよ。だから眼鏡であやかしが見えないようにしてたんでしょう?」

「…眼鏡には魔除けの呪いもかけていました。ですが壊れたときに呪いは外れてしまったようですね…」


そんなこともしてくれていたのか…

そう思いながら、私は父の話を聞くのだった

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