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プロローグ

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灰色に染まった空を見つめ、ふっ…と小さく息をはく

誰もいない校舎裏のベンチで私は横になっていた


私は音羽彩おとはねいろ
17歳。血液型はA型

ありきたりなプロフィール
私はどこにでもいるような人間だった



「ねぇねぇ」

「何?どうしたの?」


少し遠くから話し声が聞こえるが、無視して空を見続ける
そして思い出す

そうだ、人と違う事が一つあった


「今日ってさー」


他の人にはわからない違う事…



「すごい綺麗な…」





「青空だよね」


その言葉と共に私は灰色の空から逃げるように目を閉じた

そう…私には色が全て白と黒……モノクロにしか認識できない


それが発覚したのは中学二年生の夏
幼馴染や仲のいい子達と違う中学に入って二年目のある朝…

起きてすぐに異変に気がついた
青や黄色中心だった部屋が…

全て白黒だったのだ…

私は白と黒以外のすべての色を失ったのだった…
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