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8.5 何者かの回想

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遥か昔から見る夢は残酷な夢だった


好き同士なのに結ばれ無い夢


自分の血には異形の血が混ざっていたらしい

愛しい男の血を吸い尽くして………殺してしまった



それは永遠に俺に罰を与え続けることになる


本当に異形の血のせいなのか

あの頃の流行り病のせいなのか……


あの頃の流行り病の一つに水を受け付けず、体液を求める、奇病があった

ただ、それのせいにするには俺が彼を殺める様子が毎回同じなのがおかしい



そう、毎回……


俺は何度も何度も生まれ変わるたびに彼と死に別れる


それは俺の殺人衝動のせい


彼を殺めることのほうが多いが、抵抗され、逆に殺されたこともある


生まれ変わるにつれてその衝動が噛みつきたい、その衝動だけに落ち着いてきた

けれど俺は怖くなり、極力、彼に会わないように生きてきた

けれど

俺が俺じゃなくなった頃、また見つけてしまった


ずっとずっと愛してやまない、彼に…


どうか、神様




彼を幸せにしてください
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