21 / 23
16
しおりを挟む
【運命には抗えない】
僕は実験されていた
叔父と、その親戚に
僕の魔法は人より強いらしい
そんな僕を死なない身体にして、さらに魔法を強化する…
それが実験
苦しくて、痛いことしかされなかった
母さんにバレないように毎日毎日実験をされる
けれどある日、僕の魔力は暴走し、一部の人が亡くなった
そのせいで両親と姉は、僕を連れて逃げ出した
あの小屋へ移り住んだ
幸せな生活をしていたある日、父は叔母のカトレアに呼び出されて出ていったきり、帰ってこなかった
双子の姉にはまだ名前がなかった
魔力があるかないかわからなかったから
「ねぇ、母さん」
「どうしたの、アオイ」
母さんは不思議そうに俺を見る
俺はずっと考えていたことを口にする
「姉さんの名前…アン、はどうかな…」
「アン…?」
「ほら、名前ないと不便じゃん…あの、アンモビウムって花の名前から取ったんだけど…」
母さんは少し考えるような仕草をする
俺はドキドキしながらうつむく
「そうね、アンにしましょう」
「ほんと?」
「アンはアオイのこと、だーいすきだから、きっと喜ぶわ」
そして暫くして姉がいなくなった
誰かに連れ去られたのだ
そして……
「アンが、死んだ……?」
「そう聞かされたわ…」
「誰にっ!」
「義兄様よ」
俺は怒りで瞳が赤くなる
「あなたは逃げなさい。きっとあなたの事も探しているわ」
「……わかった。ごめん、母さん」
そして俺はこの家から出て、彷徨い歩いた
迷子になって、ボロボロになった頃……
彼女に出会い、数年たち、俺はその人と結婚した
それからまた数年後、アンを見つけた母さんと、姉さんを取り戻す物語が始まった
いつか、アンは思い出せるのだろうか?
記憶のいじられ方が異常だったせいで、過去の事は一切覚えてない
母さんは少し辛い思いをするだろうが、多分二人なら大丈夫…
そして俺は自分の新しい家へ帰る
俺の話は、またいつか
どこかで
俺の悲しみにまみれた物語の序章はこのくらいにしておこう
【魔法が使えるから生まれた悲劇】
【そんなもの無しにみんな幸せに暮らせる力がある】
【幸せを見失いたくない】
僕は実験されていた
叔父と、その親戚に
僕の魔法は人より強いらしい
そんな僕を死なない身体にして、さらに魔法を強化する…
それが実験
苦しくて、痛いことしかされなかった
母さんにバレないように毎日毎日実験をされる
けれどある日、僕の魔力は暴走し、一部の人が亡くなった
そのせいで両親と姉は、僕を連れて逃げ出した
あの小屋へ移り住んだ
幸せな生活をしていたある日、父は叔母のカトレアに呼び出されて出ていったきり、帰ってこなかった
双子の姉にはまだ名前がなかった
魔力があるかないかわからなかったから
「ねぇ、母さん」
「どうしたの、アオイ」
母さんは不思議そうに俺を見る
俺はずっと考えていたことを口にする
「姉さんの名前…アン、はどうかな…」
「アン…?」
「ほら、名前ないと不便じゃん…あの、アンモビウムって花の名前から取ったんだけど…」
母さんは少し考えるような仕草をする
俺はドキドキしながらうつむく
「そうね、アンにしましょう」
「ほんと?」
「アンはアオイのこと、だーいすきだから、きっと喜ぶわ」
そして暫くして姉がいなくなった
誰かに連れ去られたのだ
そして……
「アンが、死んだ……?」
「そう聞かされたわ…」
「誰にっ!」
「義兄様よ」
俺は怒りで瞳が赤くなる
「あなたは逃げなさい。きっとあなたの事も探しているわ」
「……わかった。ごめん、母さん」
そして俺はこの家から出て、彷徨い歩いた
迷子になって、ボロボロになった頃……
彼女に出会い、数年たち、俺はその人と結婚した
それからまた数年後、アンを見つけた母さんと、姉さんを取り戻す物語が始まった
いつか、アンは思い出せるのだろうか?
記憶のいじられ方が異常だったせいで、過去の事は一切覚えてない
母さんは少し辛い思いをするだろうが、多分二人なら大丈夫…
そして俺は自分の新しい家へ帰る
俺の話は、またいつか
どこかで
俺の悲しみにまみれた物語の序章はこのくらいにしておこう
【魔法が使えるから生まれた悲劇】
【そんなもの無しにみんな幸せに暮らせる力がある】
【幸せを見失いたくない】
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
半熟卵とメリーゴーランド
ゲル純水
恋愛
あのこはフリーライター。
そのお手伝いの副産物。
短い文章やら、メモやら、写真やら。
フィクションまたはファンクション。
相も変わらず性別不安定な面々。
※意図的にキャラクターのほとんどは「あの子」「きみ」などで表現され、名前もなく、何タイプのキャラクターがいるのかも伏せてあります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
七代目は「帝国」最後の皇后
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「帝国」貴族・ホロベシ男爵が流れ弾に当たり死亡。搬送する同行者のナギと大陸横断列車の個室が一緒になった「連合」の財団のぼんぼんシルベスタ・デカダ助教授は彼女に何を見るのか。
「四代目は身代わりの皇后」と同じ世界の二~三代先の時代の話。
麻布十番の妖遊戯
酒処のん平
キャラ文芸
麻布十番の三叉路に、夜な夜な現れる古民家がある。
彼らは江戸より前からこの世に住み、人に紛れて毎日を楽しんでいた。
しかし、そんな彼らも長くこの世に居過ぎたせいか、 少々人の世にも飽きてきた。
そんなときに見つけた新しい楽しみ。
【人】ではなく、【霊】を相手にすることだった。
彷徨える霊の恨みをきれいさっぱり取り祓うかわりに 死に樣を話してくれと。
それを肴に話に花を咲かせたい。
新しい遊戯を発見した彼らが出会う【霊】とはいかなるものか。
終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~
柚月 ひなた
ファンタジー
理想郷≪アルカディア≫と名付けられた世界。
世界は紛争や魔獣の出現など、多くの問題を抱え混沌としていた。
そんな世界で、破壊の力を宿す騎士ルーカスは、旋律の戦姫イリアと出会う。
彼女は歌で魔術の奇跡を体現する詠唱士≪コラール≫。過去にルーカスを絶望から救った恩人だ。
だが、再会したイリアは記憶喪失でルーカスを覚えていなかった。
原因は呪詛。記憶がない不安と呪詛に苦しむ彼女にルーカスは「この名に懸けて誓おう。君を助け、君の力になると——」と、騎士の誓いを贈り奮い立つ。
かくして、ルーカスとイリアは仲間達と共に様々な問題と陰謀に立ち向かって行くが、やがて逃れ得ぬ宿命を知り、選択を迫られる。
何を救う為、何を犠牲にするのか——。
これは剣と魔法、歌と愛で紡ぐ、終焉と救済の物語。
ダークでスイートなバトルロマンスファンタジー、開幕。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ
まみ夜
キャラ文芸
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
第二巻(ホラー風味)は現在、更新休止中です。
続きが気になる方は、お気に入り登録をされると再開が通知されて便利かと思います。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる