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第一章
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本邸の半分もない小さな屋敷に着いた。
使用人達が出迎えて中に入る。
ジネウラにしがみつく俺に驚いた空気があったが、本邸の使用人達のような蔑みがなくて安心した。
ここの使用人達とは距離が近いらしく、婆さんに話すように砕けた口調で接してる。
信用が置けるのだろうと分かるが、俺は怖くて震えていた。
部屋に通されて、ベッドに腰掛け足湯をさせてもらうが隣にジネウラがいないと無理だった。
「まだ、薬が抜けてないから不安定なんだ。」
「大丈夫ですよ。ババ様から症状を知らされてます。私共は看護に慣れておりますし、ご安心下さいませ。それより、おじょ…、奥様の体が心配です。ずっと付きっきりだと聞いておりますので。」
「うん。来る途中もちょっと疲れた。」
「あぁ、そのようで。こちらをどうぞ。早く治ります。」
手形のアザ以外にジネウラの首や鎖骨に残るうっ血に軟膏を勧め、苦笑いをする使用人が塗ってやっている。
「湯あみ前なのに塗るの?」
「旦那様と一緒なら入れると思いますよ。今はまだ側を離れるのは心細くなられるかと。」
「お風呂まで一緒はいやだなぁ。」
「いやだ、離れたくない。一緒がいい。」
「あ!もう!倒さないで!」
思わず勢いに任せて抱きついたから、ベッドに押し倒した。
「ね?着いたばかりですから、お二人とも先にお休みになられてください。」
「うう。わかった。でも、頼んだ仕事は?代理は上手くいった?」
「滞りなく。緊急の案件を重ねたので奥様の不在は目立っておりません。全ての代理からの報告書は全て揃ってます。あとでこちらにお持ちします。」
「先に見る。持ってきて。」
「こちらに報告書を箇条書きにまとめておりますので、どうぞ。」
「て、手際が良いね。」
「お二人のお時間を邪魔するのは、ね?」
ジネウラの胸に顔を預けて目をつぶってると、頭上でかさかさと紙を渡す音が聞こえた。
お二人でごゆっくりと使用人の声が聞こえ、部屋が静かになった。
しばらくすると頭を撫でられ、ジネウラのひんやりした気持ちいい手が顔を滑る。
「ジネウラ、大好き。すごい、安心する。」
「首絞めたくせ。」
「ごめんなさい。もうしない。」
「そうしてください。」
胸元を開けようと服に手をかけると、小指を握られ躊躇する。
「…だめ?」
「…だめ。」
「夫婦なのに。」
「さっきので懲りました。くすぐったくて。…あ、いや、だからやめてってば。服の上からしないでください。」
「ダメって言うから。でも見たい。お願い。見たいよ。」
ジネウラは懇願されると弱くて渋々許してくれた。
「くすぐらないで下さい。それだけは嫌。」
「うん。」
「信用ない…、結局ばぁばの約束も破るし。それに、跡がいっぱいで汚いですよ。」
「いや、興奮する。」
「は?…バカですか。」
胸に手形や歯形、うっ血の跡が生々しい。
「私の体をまだら模様に変える気ですか。…本当にやめてほしい。わっ!や、なに?!」
乱暴に服を剥いで脱がすが、ウエストのコルセットがほどけず、スカートの裾を捲り上げて、白い足が目の前に。
「旦那様待って!」
「やだ。」
今すぐ初夜のやり直しをするんだ。
使用人達が出迎えて中に入る。
ジネウラにしがみつく俺に驚いた空気があったが、本邸の使用人達のような蔑みがなくて安心した。
ここの使用人達とは距離が近いらしく、婆さんに話すように砕けた口調で接してる。
信用が置けるのだろうと分かるが、俺は怖くて震えていた。
部屋に通されて、ベッドに腰掛け足湯をさせてもらうが隣にジネウラがいないと無理だった。
「まだ、薬が抜けてないから不安定なんだ。」
「大丈夫ですよ。ババ様から症状を知らされてます。私共は看護に慣れておりますし、ご安心下さいませ。それより、おじょ…、奥様の体が心配です。ずっと付きっきりだと聞いておりますので。」
「うん。来る途中もちょっと疲れた。」
「あぁ、そのようで。こちらをどうぞ。早く治ります。」
手形のアザ以外にジネウラの首や鎖骨に残るうっ血に軟膏を勧め、苦笑いをする使用人が塗ってやっている。
「湯あみ前なのに塗るの?」
「旦那様と一緒なら入れると思いますよ。今はまだ側を離れるのは心細くなられるかと。」
「お風呂まで一緒はいやだなぁ。」
「いやだ、離れたくない。一緒がいい。」
「あ!もう!倒さないで!」
思わず勢いに任せて抱きついたから、ベッドに押し倒した。
「ね?着いたばかりですから、お二人とも先にお休みになられてください。」
「うう。わかった。でも、頼んだ仕事は?代理は上手くいった?」
「滞りなく。緊急の案件を重ねたので奥様の不在は目立っておりません。全ての代理からの報告書は全て揃ってます。あとでこちらにお持ちします。」
「先に見る。持ってきて。」
「こちらに報告書を箇条書きにまとめておりますので、どうぞ。」
「て、手際が良いね。」
「お二人のお時間を邪魔するのは、ね?」
ジネウラの胸に顔を預けて目をつぶってると、頭上でかさかさと紙を渡す音が聞こえた。
お二人でごゆっくりと使用人の声が聞こえ、部屋が静かになった。
しばらくすると頭を撫でられ、ジネウラのひんやりした気持ちいい手が顔を滑る。
「ジネウラ、大好き。すごい、安心する。」
「首絞めたくせ。」
「ごめんなさい。もうしない。」
「そうしてください。」
胸元を開けようと服に手をかけると、小指を握られ躊躇する。
「…だめ?」
「…だめ。」
「夫婦なのに。」
「さっきので懲りました。くすぐったくて。…あ、いや、だからやめてってば。服の上からしないでください。」
「ダメって言うから。でも見たい。お願い。見たいよ。」
ジネウラは懇願されると弱くて渋々許してくれた。
「くすぐらないで下さい。それだけは嫌。」
「うん。」
「信用ない…、結局ばぁばの約束も破るし。それに、跡がいっぱいで汚いですよ。」
「いや、興奮する。」
「は?…バカですか。」
胸に手形や歯形、うっ血の跡が生々しい。
「私の体をまだら模様に変える気ですか。…本当にやめてほしい。わっ!や、なに?!」
乱暴に服を剥いで脱がすが、ウエストのコルセットがほどけず、スカートの裾を捲り上げて、白い足が目の前に。
「旦那様待って!」
「やだ。」
今すぐ初夜のやり直しをするんだ。
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