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なんとなくしゃべることもなくてダラダラ繁華街を抜けてたら、ダグに腕を捕まれた。
「お酒、買ってくるから待ってて」
「あ?」
酒屋の前でダグが俺を置いて中へ。
すぐに戻ってきて普通のワインの瓶を楽しそうに見せびらかす。
「何?お前、飲むの?」
下戸のくせに。
飲むはずがない。
だったら、出兵中のアリオンへかとよぎって顔をしかめた。
「うん、飲むよ。ロニーのうちに行く?それとも俺んちに来る?」
「あぁ?飲むって何が?」
「飲み直ししよー」
俺はこっちね、ともうひとつ瓶を見せる。
薄いワイン。
酒の弱い女や子供の風邪なんかに飲ませるような奴。
「飲めねぇくせに?」
「うん、だから薄い奴にしたの。で、どうする?」
ニコニコ笑ってクッソ可愛い。
俺の心臓を刺しに来るな。
胸も顔もぐわぁぁって熱いし目尻もにじむじゃねぇか。
「うわ、わ」
がっと頭を掴んでゆさゆさと揺らした。
「さすが。気が利く。利きすぎ」
「わ、とと、え?今ので撫でたつもり?鷲掴みで?マジか?」
呆れながら、ふらふらとよろけて踏ん張った。
「で、どこで飲む?」
「うち来い。あ、やっぱりお前んち」
使用人経由で親父達に知られたら文句言われる。
出兵してる親父と弟が戻ったら、ズルいズルいと騒ぐし、嫁った姉貴にまで話がいったら馬車で駆けつけて飲み会のやり直しを要求される。
こいつ、スケジュールはカナン様に振り回されて無茶苦茶だし、めんどいし。
てか、今日くらい俺が独り占めで構ってもいいんじゃねえ?
アリオンもカナン様も、兄貴分のベイル部隊長も。全員留守だし。
エール一杯で調子に乗った。
馬鹿な俺は欲が出た。
こいつが可愛いせいだ。
**********
「おっじゃまー」
「いらっしゃーい」
二人でちゃかちゃかコップを出して持ち帰った摘まみ出した。
以前は一人暮らしの内装と食器類だったのに、あっちこっち二人分。
アリオンの気配に面白くねぇとふて腐れながら、今日は俺が独り占めと気分がいい。
親友の特権だな。
こいつはうっすいワインを飲んで俺は普通のワイン。
ちょっと甘くて良い奴買ってくれてる。
スッゴい良いのじゃなくて、ちょっとってのが俺の好み。
気楽で嬉しい。
大袈裟にされると逆にへこむわ。
適当にお互いしゃべってゲラゲラ笑った。
機嫌良すぎて頭が馬鹿だ。
テーブルを挟んで向かい合わせてたのに、調子に乗った俺は椅子を隣に移動して、しかもダグに肩を回して飲んでいた。
酒に弱いダグもぽやぽやで可愛い。
ぶっちゃけこいつは一切アルコールは飲めねぇ。
グラス半分で眠くなるからって。
外で飲んだら誰かを頼らねぇと帰れなくなる。
ベイル部隊長か俺がいないと私兵団の飲み会も参加しねぇ。
二人揃ってこいつのおんぶ係だ。
匂いだけでクラクラするってんだから相当な下戸。
「あー、もう、ほーんと。ちゃのしいねぇ。ん?あ、……ぷはぁ!ちゃって何だよ。たのしいだし!あは、舌回ってない。あはは、」
子供用のうっすいワインを二杯飲んだだけでこの舌っ足らず。
1人で騒いで手を叩いてケラケラ笑う。
「あー可愛い可愛い」
小馬鹿にしながら頭に腕を巻いて小さい頭頂部を混ぜるように撫でる。
照れ隠しだ。
こいつが可愛いのが悪い。
「うわぁ、やめてぇ、脳ミソがぐるぐるするってぇ、きもちわる、うえっ」
「げ、吐くなよ」
パッと手を離して距離を取る。
「うわ、ロニーのせいなのに薄情だ。汚物食らえよ。おらぁ、」
腹の辺りの服を両手で掴まれて胸にごつっと頭突き。
おえーっと大袈裟に言って遊んでる。
「あはは、ごめんって?マジで吐くなよ、悪かったから」
両腕を巻いて背中をさすって、すっぽり収まることにハッとしてしまい、急に胸がどぎまぎした。
俺がデカイからなんだけど。
ダグだって団の鍛練に参加して鍛えてるし、普通の男の体格で、普通の女よりは男らしい。
それでも俺より細い。
上から抱き込んでその守りたくなる細さを堪能した。
「ちっちゃ」
「はぁ?……うるさい。このデカぶつ」
あ、怒らせた。
体格はこいつのコンプレックス。
「うっ、」
懐に入った利点で、ぼすっと鳩尾を殴られたけど大したことない。
「ごめんって」
手加減したんだろうなぁって思えば可愛い。
ぼすぼすと繰り返すそれを腹に力を入れて受け止める。
背中に手を乗せてよしよしと撫でながら。
「くそ!効かねえ!」
いきなり、がばっと上げた顔と台詞に本気で殴ってたと察して吹き出した。
「うそぉぉ!?ぶはははは!マジかよ?!今のが本気の拳?!よっわぁ!」
いくら腕の中に閉じ込められて腕の振り上げが浅いからって!
あり得ないとゲラゲラ笑うと顔を真っ赤にしてふて腐れた。
「お酒、買ってくるから待ってて」
「あ?」
酒屋の前でダグが俺を置いて中へ。
すぐに戻ってきて普通のワインの瓶を楽しそうに見せびらかす。
「何?お前、飲むの?」
下戸のくせに。
飲むはずがない。
だったら、出兵中のアリオンへかとよぎって顔をしかめた。
「うん、飲むよ。ロニーのうちに行く?それとも俺んちに来る?」
「あぁ?飲むって何が?」
「飲み直ししよー」
俺はこっちね、ともうひとつ瓶を見せる。
薄いワイン。
酒の弱い女や子供の風邪なんかに飲ませるような奴。
「飲めねぇくせに?」
「うん、だから薄い奴にしたの。で、どうする?」
ニコニコ笑ってクッソ可愛い。
俺の心臓を刺しに来るな。
胸も顔もぐわぁぁって熱いし目尻もにじむじゃねぇか。
「うわ、わ」
がっと頭を掴んでゆさゆさと揺らした。
「さすが。気が利く。利きすぎ」
「わ、とと、え?今ので撫でたつもり?鷲掴みで?マジか?」
呆れながら、ふらふらとよろけて踏ん張った。
「で、どこで飲む?」
「うち来い。あ、やっぱりお前んち」
使用人経由で親父達に知られたら文句言われる。
出兵してる親父と弟が戻ったら、ズルいズルいと騒ぐし、嫁った姉貴にまで話がいったら馬車で駆けつけて飲み会のやり直しを要求される。
こいつ、スケジュールはカナン様に振り回されて無茶苦茶だし、めんどいし。
てか、今日くらい俺が独り占めで構ってもいいんじゃねえ?
アリオンもカナン様も、兄貴分のベイル部隊長も。全員留守だし。
エール一杯で調子に乗った。
馬鹿な俺は欲が出た。
こいつが可愛いせいだ。
**********
「おっじゃまー」
「いらっしゃーい」
二人でちゃかちゃかコップを出して持ち帰った摘まみ出した。
以前は一人暮らしの内装と食器類だったのに、あっちこっち二人分。
アリオンの気配に面白くねぇとふて腐れながら、今日は俺が独り占めと気分がいい。
親友の特権だな。
こいつはうっすいワインを飲んで俺は普通のワイン。
ちょっと甘くて良い奴買ってくれてる。
スッゴい良いのじゃなくて、ちょっとってのが俺の好み。
気楽で嬉しい。
大袈裟にされると逆にへこむわ。
適当にお互いしゃべってゲラゲラ笑った。
機嫌良すぎて頭が馬鹿だ。
テーブルを挟んで向かい合わせてたのに、調子に乗った俺は椅子を隣に移動して、しかもダグに肩を回して飲んでいた。
酒に弱いダグもぽやぽやで可愛い。
ぶっちゃけこいつは一切アルコールは飲めねぇ。
グラス半分で眠くなるからって。
外で飲んだら誰かを頼らねぇと帰れなくなる。
ベイル部隊長か俺がいないと私兵団の飲み会も参加しねぇ。
二人揃ってこいつのおんぶ係だ。
匂いだけでクラクラするってんだから相当な下戸。
「あー、もう、ほーんと。ちゃのしいねぇ。ん?あ、……ぷはぁ!ちゃって何だよ。たのしいだし!あは、舌回ってない。あはは、」
子供用のうっすいワインを二杯飲んだだけでこの舌っ足らず。
1人で騒いで手を叩いてケラケラ笑う。
「あー可愛い可愛い」
小馬鹿にしながら頭に腕を巻いて小さい頭頂部を混ぜるように撫でる。
照れ隠しだ。
こいつが可愛いのが悪い。
「うわぁ、やめてぇ、脳ミソがぐるぐるするってぇ、きもちわる、うえっ」
「げ、吐くなよ」
パッと手を離して距離を取る。
「うわ、ロニーのせいなのに薄情だ。汚物食らえよ。おらぁ、」
腹の辺りの服を両手で掴まれて胸にごつっと頭突き。
おえーっと大袈裟に言って遊んでる。
「あはは、ごめんって?マジで吐くなよ、悪かったから」
両腕を巻いて背中をさすって、すっぽり収まることにハッとしてしまい、急に胸がどぎまぎした。
俺がデカイからなんだけど。
ダグだって団の鍛練に参加して鍛えてるし、普通の男の体格で、普通の女よりは男らしい。
それでも俺より細い。
上から抱き込んでその守りたくなる細さを堪能した。
「ちっちゃ」
「はぁ?……うるさい。このデカぶつ」
あ、怒らせた。
体格はこいつのコンプレックス。
「うっ、」
懐に入った利点で、ぼすっと鳩尾を殴られたけど大したことない。
「ごめんって」
手加減したんだろうなぁって思えば可愛い。
ぼすぼすと繰り返すそれを腹に力を入れて受け止める。
背中に手を乗せてよしよしと撫でながら。
「くそ!効かねえ!」
いきなり、がばっと上げた顔と台詞に本気で殴ってたと察して吹き出した。
「うそぉぉ!?ぶはははは!マジかよ?!今のが本気の拳?!よっわぁ!」
いくら腕の中に閉じ込められて腕の振り上げが浅いからって!
あり得ないとゲラゲラ笑うと顔を真っ赤にしてふて腐れた。
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