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しばらくはサフィア様と過ごしました。

今は語学とマナーのお勉強をしてます。

『マナーは完璧よ。言葉も少しは上達したわね』

『ありがとうございます。サフィア様のおかげ、デス』

『発音はまだまだ』

『はい。早口もまだ聞き取れません。ガンバります』

『この国の方は自国の文化にとても誇りを持ってるの。出来ないなんて理解がないのと同じでバカにされるわ』

「え?」

早くて聞き取れず首をかしげました。

「難しかったかしら。ゆっくり言うわよ?」

ゆっくりと再度仰られてやっとわかりました。

「本当にまだまだです」

「それでも短期間で頑張ったわ。最初よりはずっといい」

微笑まれて優雅にお茶をひと口、飲まれました。

「それより、問題は別かしら。……はあ」

「ロルフ様と第一王女様のことですね。……どうしましょう」

背の高く王妃様そっくりに美しく成長されたロルフ様に第一王女様が一目惚れなさったようなのです。

王宮にお招き頂いた当日に王家より晩餐に招待されて、私はロルフ様のエスコートを受けてその場におりました。

一目見るなり私を無視してロルフ様に話しかけられて、席順を変えるようにと。

『ロルフ、あなたは私のとなりへ。』

第二王子と同じ輝く金の髪。

そして最も尊いと言われる虹のアイスブルーの瞳。

王家の象徴とされる美しい方です。

ロルフ様がご遠慮されるとお怒りになり、私に出ていくようにとお叱りになりました。

第二王子とメランプス義兄さまがたしなめてウルリカお姉さまはお顔を隠しておりましたが、うんざりしたご様子で成り行きを見守っていました。

お姉さまはこそっと私に、あれはあなた以上のバカよと苦々しげに呟かれ、第一王女様を放って私達を席につかせました。

不機嫌な第一王女様はそのあとも何かにつけて私に出ていくように告げてロルフ様を構っておられました。

第一王女様のご不興を買ってしまったとされた私は離宮に閉じ籠ることに。

「本当に、こんなことになるなんて思わなかったわ。」

「はい。私も驚きましたが、……ロルフ様は素敵ですもの」

「そうね、昔は顔がきれいなだけの小さな男の子だったのに。あなたと会って、あんな素敵な殿方に変わるなんて。……やはりあなたは妖精?魔法が使えるの?」

「へ?え?いいえっ、魔法なんて何も」

ぶんぶんと頭を振りました。

「きっと成長期が遅れてやってきたのですよ。私は何も出来ませんもの。」

「ふふ、そうかしら?」

「お戯れを。サフィア様」

眉を下げて困った顔で見つめるとサフィア様はくすくすと笑ってまた紅茶をひと口。

私も優雅なサフィア様を真似て紅茶を飲みました。
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