蒼き瞳

秋月

文字の大きさ
上 下
116 / 148
*母との修行と仲間の絆

母との修行と仲間の絆#27

しおりを挟む
-冬夜side-

自分が悪魔の子って事には驚いたけど…ショックではなかった
僕の父さんがあの人で良かったとも思った
でもちょっと複雑かも…
母さんの仲間を殺したのも父さんってことでしょ?
その事実は変わらないけど…
まぁ…母さんが幸せなら僕はそれでいいかも
あの剣も父さんのものだったんだ…
やっとスッキリしたかも
父さん、母さんは僕が守るからね!
僕と母さんはお参りをして城に戻るとエマが心配そうに迎えてくれた

エマ「姫様っ冬夜様っ…お帰りなさいませ
その様子だと大丈夫みたいですね」

華夜「えぇ、やっと不安が無くなったわ
冬夜が私の子で本当に良かったわ」

冬夜「エマ、母さんをずっと守ってくれてありがとう!」

エマ「冬夜様…もちろんです
これからは姫様、冬夜様のお2人を御守りします」

エマも1人であの悪魔の軍勢を相手にしたんだよね
すごいなぁ…

華夜「さ、冬夜どうする?
色々あって疲れたでしょ?」

冬夜「ううん、母さん修行つけてよ!
僕が父さんの分まで母さんを守るから!」

エマ「更にご立派になりましたね」

華夜「嬉しい限りだわ
じゃ、部屋に行きましょ。修行つけてあげるわ」

そして僕と母さんは修行部屋にやって来た

華夜「さて、さっき話した通り貴方には母さんの強い霊力と父さんの強い魔力を持ってる
まだ開花してないけど貴方には想像できない強い力が眠っているの
これからは基礎はもちろん、その力を自分のものに出来るように修行していく
更に過酷になるけど出来るわね」

冬夜「もちろんやるよ!
だって僕は父さんと母さんの子だもん!」

華夜「ふふ、一人前に言うわね
なら早速始めるわよ!
私はこれから貴方に全力で攻撃をする
それを全力で防ぎなさい」

冬夜「防ぐだけ?攻撃していいの?」

華夜「攻撃はなしよ?兎に角防ぐこと
母さんの修行が全部防げるようになったら次の修行に進むわ
さぁ始めるわよ!雷爆・獅子玉!!」

うわ!?いきなり数が多いしかも攻撃力の高い雷!?

華夜「豪火ごうか花炎楼かえんろう!」

雷を避けたり刀で防いだと思ったら今度は大きな炎の塊!?
しかも1個じゃないし!
刀で防いだけど重すぎて押されてしまった

冬夜「うわぁ!」

服が燃えてるよ!

華夜「そんなんじゃ妖魔に勝てないわよ!
水神諾諾すいじんだくだく!」

雷、炎、今度は水!?
余りの速さに避けきる事が出来ず僕はそのまま大きな水の術に飲み込まれてしまった
―…そして修行が終わった頃にはもうボロボロだった
本気で来るとは思ったけど…ここまで容赦ないとは思わなかった
結局防ぐ事もままならず、ほとんど攻撃をくらってしまった…

華夜「冬夜、大丈夫?」

冬夜「なんとか…母さんは凄いね…」

術のスピードも威力も狙いも…僕はまだまだ修行が足りないみたい
もっともっと頑張らなきゃね…!
だって今日は目標が2つに増えたんだもん
母さんと父さんの2つにね
それから母さんと過酷な修行の日々が続いた
―…修行の日々を送っているある日、外で修行している僕達の所にカルラが訪ねてきた

カルラ「これはこれは精が出ますな」

華夜「カルラ!」

カルラ「冬夜王子は神樹に捕まってしもうたみたいだな」

冬夜「うぅ…あと少しだったんだけど、母さんの神樹のスピードが早すぎるよ…」

カルラ「ハハハ。応援しておるぞ冬夜王子

華夜「それでカルラ、何か用事?」

カルラ「あぁ、エマに白牙が仕えて10年たった
つまり新たな主人を決める儀式を行いたい」

華夜「ここで?」

カルラ「よろしいか?」

華夜「構わないわよ
私も見てみたいもの。ねぇ冬夜も見たいでしょ?」

冬夜「見たい!けどその前に下ろしてよ母さん!」

ずっと捕まったままじゃ恥ずかしい…
母さんとカルラは笑いながらやっと下ろしてくれた
はぁ…でも雪白族の儀式かぁ
話には聞いたけどこの瞳で見れるなんて楽しみだな
そして雪白族の儀式の日がやって来た

冬夜「楽しみだなぁ!
雪白族の儀式って優秀なメンバーが選ばれる訳でしょ!?
前回はエマも選ばれて見事白牙を手名づけたって言うし!
凄い迫力なんだろうなぁ!」

華夜「ちょっと冬夜はしゃぎすぎよ」

冬夜「母さんだって楽しみでしょ?」

華夜「そうね」

母さんと手を繋いで行くと広場に雪白族が勢揃いしていた

カルラ「華夜姫様、冬夜王子!
ご足労感謝いたします」

華夜「いいえ、こっちこそ招待ありがとう
何百年続く伝統的な儀式をこの瞳で見られるなんて楽しみだわ」

カルラ「是非。こちらにお座りください」

僕と母さんは用意された椅子に座って儀式を拝見することになった

カルラ「よく集まってくれた皆の衆
これより白牙の新たな主人を決める儀式を始める
今日は華夜姫様と冬夜王子も見に来てくださった
雪白の名に恥じぬよう精進せよ」

雪白「はっ!」

カルラ「では今回選ばれた優秀なメンバーを紹介する。呼ばれた者は前へ出よ
ナギサ、アサギリ、フブキ、コユキ、ハクト!
以上5名だ」

うわぁ!ナギサも選ばれた!
それに皆強い人ばかりだ
この中で誰かが白牙の新たな主人になるんだ

カルラ「では白牙に出てきてもらおう。エマ」

エマ「来なさい白牙」

凄まじい突風と共に姿を現したのが白い狼、白牙
うわぁ、胸がドキドキしてきた!

エマ「あんたの主人としてはこれで最後ね
生意気だったけど今になると寂しいものね」

白牙「けっ、俺はどうでも良いけどな」

エマ「全く最後まで可愛くないわね」

カルラ「ルールは簡単だ
白牙を捕まえ従えたものが新たな主人だ
何をしてもかなわんが白牙も逃げるだけじゃない
油断していると殺られるぞ?」

エマ「白牙行きなさい」

カルラ「それでは始め!!」

カルラの合図で一斉に動き出した
あの気性の荒い白牙を誰がどうやって手名付けるんだろう

エマ「ナギサ!頑張りなさいよ」

ナギサ「おう!」

ナギサも少し遅れて白牙を追いかけていった

華夜「始まったわね
一体誰が選ばれるのかしら」

冬夜「僕はナギサがいいなぁ
でもフブキも居るから分からないなぁ」

華夜「カルラはどう思う?」

カルラ「さぁ…毎回この儀式は何が起こるか分からんからの」

その時、大きな雷が次々に落ちていった

カルラ「ほう、早速白牙が抵抗しておるな」

華夜「凄い雷の数ね
白牙も大したものだわ」

冬夜「雪白の皆の魔力も感じる…手名付けるって言ってもまるで戦闘なんだね」

カルラ「その通り。これが我らの儀式なのだ」

想像以上に大変そう…
皆…頑張ってね!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

処理中です...