86 / 148
*誕生、月の王子と妖精族
誕生、月の王子と妖精族#11
しおりを挟む
この人が妖精族、族長!?
不思議な魔力の波長というかオーラというか…
どこか神々しさがあるような雰囲気だわ
そして、妖精族の族長さんが歩み寄ってくると、治療に当たっていたアサギリ、そして周りに集まっていた雪白族の皆がその場から少し下がった
でもナギサだけはエマの側から離れようとしなかった
ナギサ「おいあんた、本当にエマを助けられるのか!?」
ハバト「そうわめくな小僧…少し黙っておれ」
ハバトは真剣な瞳でエマを見ている
華夜「カルラ、本当にエマは助かるの?」
カルラ「我等雪白族も医療術には長けているが、妖精族、中でもハバトの右に出るものは居ませぬ」
雪白族以上の…!?
書物で少し妖精族のことを調べたけど詳しくは書かれていなかった
何故なら妖精族は種族の中で2番目に弱い最弱種族と聞いている
だけど独特の力を持ちその力は誰もが喉から手が出るほどの物だとかで、手に入れようと沢山の妖魔が妖精族をつけ狙った
危険を感じた妖精族は逃げるようにその身を隠したと聞いた
辿り着くには独自の秘密のルートを辿るしかないと…
私が考え事に耽っていると、突然感じた不思議な魔力に私は思わず振り返った
そこにはエマに手を当て、光に包まれるハバトの姿があった
何!?この純粋すぎる魔力は…!
ううん、魔力と言っていいの?
こんな魔力今まで感じたことがない…
そしてハバトの光が消えて魔力も小さくなっていくと同時に消えていた微かな魔力を感じた
この魔力は…
華夜「エマ…?エマ!」
すぐにエマに駆け寄る
少しずつ回復していく魔力
私は必死にエマを呼んだ
エマ「―…ひ…めさま…?」
ゆっくりと目を開けたエマの瞳に私が映った
目を覚ましたと同時にナギサは涙を流しながらエマを強く抱き締めた
エマ「えっ…ちょっとナギサ…痛いってば」
ナギサ「良かったエマ…良かった…!」
ナギサを見ていると痛いほど伝わってくる…
エマの事を思う気持ちが
あとはナギサに任せましょうか
無事で良かったエマ…
華夜「貴方が妖精族の族長のハバト?
初めまして、月夜一族の華夜よ
さっきはごめんなさい。思わず…」
ハバト「構わん。そなたが華夜殿じゃな
カルラから話には聞いておる
そしてそなたの噂もな」
華夜「仲間を助けてくれたことお礼を言うわ
ありがとう。それで貴方がここに居るって事はそういうことでいいのかしら?
ここに居れば私が何があっても守って見せるわ」
ハバト「慈悲深い方じゃの
それによく我等の事を理解しておる
良かろう、我等妖精族、華夜殿の為にこの命お預けする」
種族を越えての仲間との絆
なんて素晴らしい事なんでしょうね
華夜「歓迎するわハバト。ようこそ月へ」
ハバト「では今日の所は帰るとしよう
明日一族を引き連れてまた来ようぞ」
カルラ「あぁ、そしたら久しぶりに酒を飲み交わすとしよう」
ハバト「楽しみじゃ」
帰りそうになったハバトを私はすぐ呼び止めた
華夜「待ってハバト。私の仲間も一緒に」
カルラ「華夜姫様?」
華夜「妖魔に狙われる種族ですもの
念の為に護衛を付けるわ
それに貴方はもう私の大切な仲間だもの
そうさせてちょうだい?」
カルラ「ならば私とヒョウカとフブキが同行しよう」
華夜「そうね。貴方達なら安心だわ。お願いね?」
ハバト「やはり慈悲深い方みたいじゃの
お心遣い感謝するぞ。また後日お会いしようぞ」
そしてハバトはカルラ達と姿を消した
アズナ「華夜様」
冬夜を抱っこしたアズナが声をかけてきた
華夜「あ、ごめんねアズナ
冬夜の事を任せっぱなしで…」
アズナ「いいえ、それより妖精族の族長…
見た目は若かったですが、おじいちゃんみたいな話し方でしたね」
華夜「あら、そこが素敵じゃない
明日からまた賑やかになるわね
楽しみだわ。アズナ疲れたでしょう?
今日はもう休んでいいわよ」
アズナ「はい、華夜様もごゆっくりお休みくださいね」
アズナから冬夜を引き取ると一礼して下がっていった
エマ「姫様!」
慌てた様子でエマが私に駆け寄ってきた
さっき倒れたばかりだって言うのにまた無理をして…
エマ「姫様ご心配おかけして申し訳ありませんでした…」
華夜「いいのよ。心配位させてちょうだい
何事もなくて良かったわ」
エマ「ありがとうございます」
落ち込んでるみたいね…
そんなに気にしなくていいのに…エマらしい
華夜「私の事は大丈夫だから今日は休みなさい?無理をすればまた倒れるわよ?」
エマ「はい」
華夜「ナギサ、エマの事は貴方に任せたわ
お願いね?」
ナギサ「もちろん!任せてください
行くよエマ」
エマ「え、ちょっとナギサ…っ…」
エマの手を引いて歩くナギサと顔を赤らめるエマ
あらあら…2人がくっつくのもあと少しみたいね
でも…そんな2人の後ろ姿を見ていると少しだけ胸が締め付けられるような感覚に襲われた
華夜「…冬夜、少しだけお散歩に付き合ってね」
あの人が眠っているあの場所に私はゆっくり足を運んだ
不思議な魔力の波長というかオーラというか…
どこか神々しさがあるような雰囲気だわ
そして、妖精族の族長さんが歩み寄ってくると、治療に当たっていたアサギリ、そして周りに集まっていた雪白族の皆がその場から少し下がった
でもナギサだけはエマの側から離れようとしなかった
ナギサ「おいあんた、本当にエマを助けられるのか!?」
ハバト「そうわめくな小僧…少し黙っておれ」
ハバトは真剣な瞳でエマを見ている
華夜「カルラ、本当にエマは助かるの?」
カルラ「我等雪白族も医療術には長けているが、妖精族、中でもハバトの右に出るものは居ませぬ」
雪白族以上の…!?
書物で少し妖精族のことを調べたけど詳しくは書かれていなかった
何故なら妖精族は種族の中で2番目に弱い最弱種族と聞いている
だけど独特の力を持ちその力は誰もが喉から手が出るほどの物だとかで、手に入れようと沢山の妖魔が妖精族をつけ狙った
危険を感じた妖精族は逃げるようにその身を隠したと聞いた
辿り着くには独自の秘密のルートを辿るしかないと…
私が考え事に耽っていると、突然感じた不思議な魔力に私は思わず振り返った
そこにはエマに手を当て、光に包まれるハバトの姿があった
何!?この純粋すぎる魔力は…!
ううん、魔力と言っていいの?
こんな魔力今まで感じたことがない…
そしてハバトの光が消えて魔力も小さくなっていくと同時に消えていた微かな魔力を感じた
この魔力は…
華夜「エマ…?エマ!」
すぐにエマに駆け寄る
少しずつ回復していく魔力
私は必死にエマを呼んだ
エマ「―…ひ…めさま…?」
ゆっくりと目を開けたエマの瞳に私が映った
目を覚ましたと同時にナギサは涙を流しながらエマを強く抱き締めた
エマ「えっ…ちょっとナギサ…痛いってば」
ナギサ「良かったエマ…良かった…!」
ナギサを見ていると痛いほど伝わってくる…
エマの事を思う気持ちが
あとはナギサに任せましょうか
無事で良かったエマ…
華夜「貴方が妖精族の族長のハバト?
初めまして、月夜一族の華夜よ
さっきはごめんなさい。思わず…」
ハバト「構わん。そなたが華夜殿じゃな
カルラから話には聞いておる
そしてそなたの噂もな」
華夜「仲間を助けてくれたことお礼を言うわ
ありがとう。それで貴方がここに居るって事はそういうことでいいのかしら?
ここに居れば私が何があっても守って見せるわ」
ハバト「慈悲深い方じゃの
それによく我等の事を理解しておる
良かろう、我等妖精族、華夜殿の為にこの命お預けする」
種族を越えての仲間との絆
なんて素晴らしい事なんでしょうね
華夜「歓迎するわハバト。ようこそ月へ」
ハバト「では今日の所は帰るとしよう
明日一族を引き連れてまた来ようぞ」
カルラ「あぁ、そしたら久しぶりに酒を飲み交わすとしよう」
ハバト「楽しみじゃ」
帰りそうになったハバトを私はすぐ呼び止めた
華夜「待ってハバト。私の仲間も一緒に」
カルラ「華夜姫様?」
華夜「妖魔に狙われる種族ですもの
念の為に護衛を付けるわ
それに貴方はもう私の大切な仲間だもの
そうさせてちょうだい?」
カルラ「ならば私とヒョウカとフブキが同行しよう」
華夜「そうね。貴方達なら安心だわ。お願いね?」
ハバト「やはり慈悲深い方みたいじゃの
お心遣い感謝するぞ。また後日お会いしようぞ」
そしてハバトはカルラ達と姿を消した
アズナ「華夜様」
冬夜を抱っこしたアズナが声をかけてきた
華夜「あ、ごめんねアズナ
冬夜の事を任せっぱなしで…」
アズナ「いいえ、それより妖精族の族長…
見た目は若かったですが、おじいちゃんみたいな話し方でしたね」
華夜「あら、そこが素敵じゃない
明日からまた賑やかになるわね
楽しみだわ。アズナ疲れたでしょう?
今日はもう休んでいいわよ」
アズナ「はい、華夜様もごゆっくりお休みくださいね」
アズナから冬夜を引き取ると一礼して下がっていった
エマ「姫様!」
慌てた様子でエマが私に駆け寄ってきた
さっき倒れたばかりだって言うのにまた無理をして…
エマ「姫様ご心配おかけして申し訳ありませんでした…」
華夜「いいのよ。心配位させてちょうだい
何事もなくて良かったわ」
エマ「ありがとうございます」
落ち込んでるみたいね…
そんなに気にしなくていいのに…エマらしい
華夜「私の事は大丈夫だから今日は休みなさい?無理をすればまた倒れるわよ?」
エマ「はい」
華夜「ナギサ、エマの事は貴方に任せたわ
お願いね?」
ナギサ「もちろん!任せてください
行くよエマ」
エマ「え、ちょっとナギサ…っ…」
エマの手を引いて歩くナギサと顔を赤らめるエマ
あらあら…2人がくっつくのもあと少しみたいね
でも…そんな2人の後ろ姿を見ていると少しだけ胸が締め付けられるような感覚に襲われた
華夜「…冬夜、少しだけお散歩に付き合ってね」
あの人が眠っているあの場所に私はゆっくり足を運んだ
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる