蒼き瞳

秋月

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*雪白族と不穏な影

雪白族と不穏な影#3

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ザンッ…!


妖魔「ぎゃぁぁぁ!」


華夜「はぁ…はぁ…これで全部?」


夜光「もうすぐ夜が明けるからね…もう出てこないと思うよ」


任務について初めて分かる
酷い妖魔の血の匂い…気持ち悪い…
一人前になって嬉しかったけど毎晩紅羽様達はこんな世界を生きてきたのね
本当尊敬するわ…

そして気づく…私はまだ強くならなきゃいけない
こんな程度で満足していられない
もっと、紅羽様達よりも強く…!


夜光「そろそろ戻ろう。華夜怪我はない?」


華夜「夜光のお陰で平気。それにこれが守ってくれた気がしたから」


夜光がくれた首飾り
陽に照らしてみるとキラキラしていてまた綺麗だった


夜光「良かった。行こう」


私達は陽が昇ると同時に下界から姿を消した


戻るとキサラギが少し心配そうに出迎えてくれた


キサラギ「お帰りなさいませ!お風呂を沸かしてあります。ゆっくりお休みになってください」


夜光「ありがとうキサラギ。華夜、紅羽様には俺から報告しておくよ」


華夜「分かった。ありがとう」


お風呂に浸かるとふぅ…と一息ついた
なんだか凄く疲れてしまった
これが毎日続くとなると本当大変だわ

そんな事を思う時点で私は戦士として半人前なんだろうな
そういえば従者の事どうしよう…
やっぱり側に居てくれる大切な人だから慎重にって言うのも可笑しいけどこの人だって人を選びたい…
どこかにそんな子いないかしら…


それから夜になれば幾度となく妖魔を消していった
慣れとは怖いもので1ヶ月もすると躊躇いなんて無かった

その日も妖魔を消す為に駆け巡っていたら今にも消えそうな弱い魔力を感じた
魔力から感じ取るに…死にかけているみたい
だけど妖魔は意外とタフで時間が経てば回復してまた暴れまわるかもしれない

やっぱり妖魔は消さなければいけない
夜光と離れてしまうけど…もう既に結構離れてしまったし、お互いに感知できるから大丈夫よね?

そう思って私は弱りかけた魔力の方に向かった

見つけた

そこには血を流した今にも死にそうな女の子が倒れ混んでいた
この怪我…妖魔同士戦ったのかな…酷い傷…
私に気付き顔を上げるとその子の瞳に私が写った


「あなた…っ…誰…っ」


口は聞けるのね
それにこの白く輝く髪、それに紫の瞳…私の考えが間違いなければ…


華夜「貴方…雪女ね?」


「だ…ったら…なんなの…」


喋るのもやっと…なのに私を見る貴方の瞳はまだ死んでいない


華夜「酷い怪我…このままだと確実に死ぬわね。それとも望みなら今すぐ楽にしてあげましょうか?」


仮にも妖魔。いつ牙を剥くか分からないから私は刀を抜いてその子に向けた


「…っふざけないで…!私はまだ…死ぬわけ…にはいかないの…仲間に…知らせなきゃ…」


なんて強い瞳なんだろう
この子今死ぬには惜しい
それに私の勘が言ってるの
探していたのはこの子だって
私は刀をしまって手を差し伸べた


華夜「貴方の事気に入っちゃった。よかったら私と一緒に来ない?」


その子はぽかんと口を開けていた

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