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*秋の彼岸祭り
秋の彼岸祭り#2
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パラパラとファイルをめくって眺めた
蓮「それにしても見てると装飾結構多そうだね」
琉「まぁな、だから準備に時間がかかる
掃除とかもあるし
高い所の作業とか力仕事みたいなのも当然あるけど、お前、無理するなよ」
蓮「え?」
琉「どうしても出来ない事とか難しい事とか変な気を使わないで、俺が近くに居る時は言え
俺が居なくても素直に男に頼れ
誰かしら近くで作業してる筈だから」
蓮「え?」
琉「何その顔」
蓮「え…ううん…琉ってそうゆうの嫌じゃないの?」
私がもし、他の女の子が琉を頼っていたら…少しもやっとすると思う…
琉「むしろ無理して怪我でもされた方が無理
別にお前の気持ちが変わるわけでもないだろ」
蓮「え?あ、それはもちろん…」
琉「じゃぁ、問題ない
女には厳しい作業だってあるんだから」
蓮「あ、うん、分かった
そうするね」
私って少し心が狭いのかも…?
琉「当日は俺も仕事があるし、お前にも仕事が割り当てられるから中々一緒に居られる時間が無くて忙しいかもしれないけど、休憩もちゃんとあるし、少しくらい一緒に屋台回れると思うから」
琉のその言葉を聞いて、気分がパッと明るくなった
蓮「ほんとっ?」
琉「まぁ、実際どうなるか分からないけど、少しくらい時間作れるように努力するから」
蓮「…琉って当日どんな仕事するの?」
琉「基本は父さんと一緒
お祓いや祈祷とか檀家さんとか客人の相手」
蓮「それって結構大変なんじゃ…」
想像はつかないけど、忙しい気がする
それなのに私の為に時間を裂いて貰うのは…
私が黙り混んでると、私の心を読むように琉が呟いた
琉「遠慮する必要ないから
無理なことじゃないし、俺もお前と回りたいし」
蓮「ほんと?」
琉「ん、だから楽しみにしてれば?」
蓮「…うん、ありがとう
私もめちゃくちゃ頑張るね!」
そう意気込むと琉は微かに微笑んだ
蓮「そうだ、準備が始まる前日に1回来てもいい?」
琉「いいけど、なんで?」
蓮「華さんさっき給仕って言ってたし、それに仕事内容は事前に把握しておいた方が当日動きやすいでしょ?
華さん達も当日になってからあれこれ私に教えるの大変だろうし、他のお手伝いさん達の事もあるでしょ?
当日さっと動けた方がいいでしょ?」
琉「まぁ…母さん達に話は通しておく
お前って意外としっかりしてるんだな」
蓮「意外って…そんな風に見えない?」
琉「見直したってこと」
蓮「そっか
きっと最初の頃は印象悪かったでしょ~?
関わるようになった頃は怒られるし、注意されるし、呆れられるし、心配かけちゃうし?」
冗談まがいでそう呟いた
琉「世話が焼ける奴、今もそうだけど」
蓮「むぅ…」
琉「自分で言ってきた癖にむくれんなよ
お前は無鉄砲そうに見えて、でもちゃんと理由があって動いてるだろ
それはそれでお前の悪いところでもあるけど良いところでもあると思う」
蓮「素直に喜んでいいのか分からない」
琉「ま、行動する前に相談忘れんなよ」
蓮「はーい」
そして時間が過ぎて、お祭り準備の前日に、私の事前準備って事で琉の家にお邪魔していた
華「いらっしゃい、蓮ちゃん」
蓮「こんにちは」
華「それにしても蓮ちゃんが気を使ってくれて助かったよ~
正直明日からは目まぐるしい毎日の筈だから」
蓮「やっぱりそうなんですね
華さん、あんまり無理しないでくださいね?
私に出来ることならなんでも頼ってください!
あ、頼りないかもですけど…」
私がそう呟くと華さんは笑った
華「あははっ、ありがとう
存分に頼りにしてるから
でも蓮ちゃんも何かあったら遠慮なく言うんだよ?」
蓮「そのつもりですっ」
そんな会話をしながら歩いて、キョロキョロしてると察するように華さんが口を開いた
華「琉なら今日は陸人に同行してるよ~
下手すると今日は会えないかもね」
蓮「あ…そうなんですね…」
華さんに言わなくてもバレてしまった事も恥ずかしいけど、琉に会えないって分かるとちょっと寂しいような…
華「ふふっ、蓮ちゃん琉の事大好きなのね~」
蓮「え!?」
華さんに図星をつかれて、顔が熱くなるのが分かった
華「そんなに寂しそうな顔するなんて~
まぁ、でも、琉も今日は蓮ちゃん来てるの知ってるし、もしかしたら早く仕事片付けてくるかもね」
そうなのかな…
明日からも会えるって言うのに…私って欲張りなのかも…
華「さ、気合い入れて本題に移りましょ♪」
蓮「はい!よろしくお願いします」
華「まずは明日から使う蓮ちゃんの部屋からね~」
蓮「私の部屋があるんですか?」
華「勿論、他の子達も1人1部屋用意してるからね
他の子達も居るし、さすがに琉と同室には出来ないからさぁ~」
蓮「そっ、そんな事思ってません…」
華「あははっ、冗談よ~
けど、年頃の男の子達も1つ屋根の下だし、無いとは思うけど、何か間違いが起こるかもしれないから、万が一の為に琉の部屋の近くにしたから
もし何かあったら琉に助け求めなさいね
そんな子達じゃないと思うけど、蓮ちゃんって魅力的だし、若気の至りって怖いから~」
蓮「私に魅力なんて…でも配慮してくださってありがとうございます
でも皆、歳が近いらしいので仲良くなれたら嬉しいですっ」
華「…そうね、蓮ちゃん社交性あるし、すぐに打ち解けるんじゃ無いかな?
はい、ここが蓮ちゃんの部屋ね」
あ、確かに琉の部屋から近い
華「それから明日からこれに着替えて作業してね」
巫女装束を差し出してくる華さん
蓮「巫女さんの服ですか?」
華「そう、汚れても良いようにね
それに毎回服を準備するのも大変でしょ?
意外と慣れると動きやすいから
着たこと無いでしょ?
今、着方教えてあげるから着替えてくれる?
明日からは自分で着なきゃいけないからね」
蓮「あ、そっか…分かりました」
私はそのまま巫女装束に着替え始めた
蓮「それにしても見てると装飾結構多そうだね」
琉「まぁな、だから準備に時間がかかる
掃除とかもあるし
高い所の作業とか力仕事みたいなのも当然あるけど、お前、無理するなよ」
蓮「え?」
琉「どうしても出来ない事とか難しい事とか変な気を使わないで、俺が近くに居る時は言え
俺が居なくても素直に男に頼れ
誰かしら近くで作業してる筈だから」
蓮「え?」
琉「何その顔」
蓮「え…ううん…琉ってそうゆうの嫌じゃないの?」
私がもし、他の女の子が琉を頼っていたら…少しもやっとすると思う…
琉「むしろ無理して怪我でもされた方が無理
別にお前の気持ちが変わるわけでもないだろ」
蓮「え?あ、それはもちろん…」
琉「じゃぁ、問題ない
女には厳しい作業だってあるんだから」
蓮「あ、うん、分かった
そうするね」
私って少し心が狭いのかも…?
琉「当日は俺も仕事があるし、お前にも仕事が割り当てられるから中々一緒に居られる時間が無くて忙しいかもしれないけど、休憩もちゃんとあるし、少しくらい一緒に屋台回れると思うから」
琉のその言葉を聞いて、気分がパッと明るくなった
蓮「ほんとっ?」
琉「まぁ、実際どうなるか分からないけど、少しくらい時間作れるように努力するから」
蓮「…琉って当日どんな仕事するの?」
琉「基本は父さんと一緒
お祓いや祈祷とか檀家さんとか客人の相手」
蓮「それって結構大変なんじゃ…」
想像はつかないけど、忙しい気がする
それなのに私の為に時間を裂いて貰うのは…
私が黙り混んでると、私の心を読むように琉が呟いた
琉「遠慮する必要ないから
無理なことじゃないし、俺もお前と回りたいし」
蓮「ほんと?」
琉「ん、だから楽しみにしてれば?」
蓮「…うん、ありがとう
私もめちゃくちゃ頑張るね!」
そう意気込むと琉は微かに微笑んだ
蓮「そうだ、準備が始まる前日に1回来てもいい?」
琉「いいけど、なんで?」
蓮「華さんさっき給仕って言ってたし、それに仕事内容は事前に把握しておいた方が当日動きやすいでしょ?
華さん達も当日になってからあれこれ私に教えるの大変だろうし、他のお手伝いさん達の事もあるでしょ?
当日さっと動けた方がいいでしょ?」
琉「まぁ…母さん達に話は通しておく
お前って意外としっかりしてるんだな」
蓮「意外って…そんな風に見えない?」
琉「見直したってこと」
蓮「そっか
きっと最初の頃は印象悪かったでしょ~?
関わるようになった頃は怒られるし、注意されるし、呆れられるし、心配かけちゃうし?」
冗談まがいでそう呟いた
琉「世話が焼ける奴、今もそうだけど」
蓮「むぅ…」
琉「自分で言ってきた癖にむくれんなよ
お前は無鉄砲そうに見えて、でもちゃんと理由があって動いてるだろ
それはそれでお前の悪いところでもあるけど良いところでもあると思う」
蓮「素直に喜んでいいのか分からない」
琉「ま、行動する前に相談忘れんなよ」
蓮「はーい」
そして時間が過ぎて、お祭り準備の前日に、私の事前準備って事で琉の家にお邪魔していた
華「いらっしゃい、蓮ちゃん」
蓮「こんにちは」
華「それにしても蓮ちゃんが気を使ってくれて助かったよ~
正直明日からは目まぐるしい毎日の筈だから」
蓮「やっぱりそうなんですね
華さん、あんまり無理しないでくださいね?
私に出来ることならなんでも頼ってください!
あ、頼りないかもですけど…」
私がそう呟くと華さんは笑った
華「あははっ、ありがとう
存分に頼りにしてるから
でも蓮ちゃんも何かあったら遠慮なく言うんだよ?」
蓮「そのつもりですっ」
そんな会話をしながら歩いて、キョロキョロしてると察するように華さんが口を開いた
華「琉なら今日は陸人に同行してるよ~
下手すると今日は会えないかもね」
蓮「あ…そうなんですね…」
華さんに言わなくてもバレてしまった事も恥ずかしいけど、琉に会えないって分かるとちょっと寂しいような…
華「ふふっ、蓮ちゃん琉の事大好きなのね~」
蓮「え!?」
華さんに図星をつかれて、顔が熱くなるのが分かった
華「そんなに寂しそうな顔するなんて~
まぁ、でも、琉も今日は蓮ちゃん来てるの知ってるし、もしかしたら早く仕事片付けてくるかもね」
そうなのかな…
明日からも会えるって言うのに…私って欲張りなのかも…
華「さ、気合い入れて本題に移りましょ♪」
蓮「はい!よろしくお願いします」
華「まずは明日から使う蓮ちゃんの部屋からね~」
蓮「私の部屋があるんですか?」
華「勿論、他の子達も1人1部屋用意してるからね
他の子達も居るし、さすがに琉と同室には出来ないからさぁ~」
蓮「そっ、そんな事思ってません…」
華「あははっ、冗談よ~
けど、年頃の男の子達も1つ屋根の下だし、無いとは思うけど、何か間違いが起こるかもしれないから、万が一の為に琉の部屋の近くにしたから
もし何かあったら琉に助け求めなさいね
そんな子達じゃないと思うけど、蓮ちゃんって魅力的だし、若気の至りって怖いから~」
蓮「私に魅力なんて…でも配慮してくださってありがとうございます
でも皆、歳が近いらしいので仲良くなれたら嬉しいですっ」
華「…そうね、蓮ちゃん社交性あるし、すぐに打ち解けるんじゃ無いかな?
はい、ここが蓮ちゃんの部屋ね」
あ、確かに琉の部屋から近い
華「それから明日からこれに着替えて作業してね」
巫女装束を差し出してくる華さん
蓮「巫女さんの服ですか?」
華「そう、汚れても良いようにね
それに毎回服を準備するのも大変でしょ?
意外と慣れると動きやすいから
着たこと無いでしょ?
今、着方教えてあげるから着替えてくれる?
明日からは自分で着なきゃいけないからね」
蓮「あ、そっか…分かりました」
私はそのまま巫女装束に着替え始めた
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