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伯爵令嬢、奮闘中《7》陛下と殿下
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やがて車は王城に着いた。
2回目の夜の王城は、1回目とは雰囲気が違っている。
きらびやかな様子は変わりない。
だが、1回目とは比べようもなく警備が厳重だったのだ。
物々しい……そんな気さえする。
「何か様子が重いですね」
車を降りながら、クリム様に問いかけた。
「さすがだ。わかるか?」
「はい。格好を変えてはいますが、護衛らしき人が多い」
「ふふっ、歩きながら説明しよう」
クリム様は軽く笑うと、腕を差しだし、私はその腕をとる。
すれ違う人々に軽く会釈を返しながら、私達は先程の話を続けた。
「今日の舞踏晩餐会の招待客は、国内よりも国外の方が多い……それは来る前に聞いているな?」
「はい。皇帝陛下主宰ですから、規模が大きく、アドミリアとの戦争終結の祝賀会も兼ねているとか?」
「そうだ。だから、大陸でザナリアに与してくれた国々を招いての舞踏晩餐会、なのだが……実はな、もう一つ陛下には思惑がおありなのだ」
「思惑??」
不思議そうにクリム様を見上げると、その目がいたずらっ子のように煌めいた。
うっ……静まれ!私の鼓動!!
先は長いのだ、こんなことでときめいていては身が持たん!
と、グッと息を飲み平静を装った。
舞踏会の会場に着き中に入ると、クリム様は私の後ろに回り肩に手を乗せた。
そして、スッと顔を寄せて小声で囁く。
「会場内を見て?護衛の他に何か気になることはないか?」
クリム様が近いことの他に、でしょうか!?
今、それしか気になることはないんですけど!!
そんな声を飲み込むと、私は気を取り直して辺りを見回した。
深呼吸をしながら、精神を研ぎ澄ます。
すると、一つの《違和感》があった。
「各国の招待客の王族は、全員若い女性………では?」
その声にクリム様は満足そうに頷いた。
「見事。そう、招待された王族はほとんど若い女性。つまりだ、これは皇太子殿下のお相手選びも兼ねている」
………なるほど。
ならば、この変装護衛の数も当然だ。
自国の王女を守らなくてはならないからな。
物々しい雰囲気もそのせいか。
「でも、こんなに沢山招いて誰が誰だかわかるんですか?それに、選ぶって言っても……多すぎて絞れなくなりませんか?」
「ははっ!そうだな。こんなにいては困ってしまうな」
クリム様は、人目も憚らず大声で笑った。
すると、周りにいた人達が、目を丸くして一斉にこちらを振り向く。
彼らの驚きに満ちた視線の原因はわからなかったが、目の前のクリム様が誰よりも素敵なことは良くわかった!
カボチャどもの驚きなんぞ、知らん。
「さて、私達も陛下と殿下に挨拶をしに行こう」
「はい!」
と、クリム様の腕をとって私は颯爽と歩くのである。
******
「グリュッセル公爵家クリム様、およびオズワルド伯爵家アンナ様、どうぞ、御前へ」
侍従の声にクリム様と私は前に進み出た。
その侍従、軍事演習時に銃を突きつけた人だったんだけど、どうやら私の正体には気付いていない。
まぁ、気付かれても困るけど。
私は伏し目がちに近付き、跪いた姿勢で声が掛かるのを待つ。
「クリムよ、仰々しい止めておけ」
その声に、クリム様は顔を上げた。
私はそのまま、伏せている……。
と言うのには理由があるのだが。
「いえ、これが本来の姿かと……陛下と殿下に置かれましては御壮健のこと何よりと……」
「壮健も何も、昨日会ったではないか」
これは、陛下の声だな。
軍部出身らしい、荒々しく低い声。
「全く白々しい。大方婚約者に颯爽とした所を見せたいのだろうが、そんなすぐに正体がバレることはやめとけよ」
これは!アイツ(皇太子殿下)か!!
相変わらず神経質そうな声だな。
「バレるなどと。私はいつもこんな感じですが?違いましたか?」
クリム様はクリム様。
どんなクリム様はでもアンナは付いていきますよ!
「まぁよい。さて、グリュッセル家が新しい者を迎え入れるのは久しいことだな。王家にとっても喜ばしいことだ」
「ありがとうございます」
「ん?どうしたのだ?面を上げても良いぞ?」
陛下の低い声が、私の頭上を通り抜けた。
陛下と殿下。
4つの視線が後頭部に集中する。
「アンナ、面を」
「はい」
クリム様に促され、覚悟して顔を上げた。
目の前の陛下を見て、次に殿下を見る。
瞬間2人の顔が対照的になったのを私は見た!!
陛下はブッ!と口を押さえて笑いをこらえ、殿下は口を開けたまま真っ青になったのだ。
「………そうかそうか。なるほどな」
「………………………………」
「アンナ・オズワルドでございます……陛下と殿下に置かれましては……」
「良い良い。もう良いわ。慣れぬことをすると後で熱を出すぞ?」
陛下は私の渾身の挨拶を遮った。
くそぅ、何度も練習したのに!!
しかも、まだ笑っているし。
殿下は青いし。
「クリム……お前はかなりの勇者だな……」
殿下はクリム様を見て言った。
「お誉めいただき光栄です!これよりは、私と同様、アンナもザナリアの為に尽くす所存でありますので、どうぞお見知り置き下さい」
「うっ!あ……ああ。それは頼もしい……頼もしいぞ」
その2人のやり取りを見て、陛下はお腹を抱えて笑っている。
きっと軍事演習で何があったか、全て知った上での爆笑なのだろうな。
前から思っていたが、陛下とは気が合いそうだ。
軍部出身だし、細かいことに拘らない。
殿下がこの陛下の息子だなんて、未だにザナリア七不思議の一つだな。
2回目の夜の王城は、1回目とは雰囲気が違っている。
きらびやかな様子は変わりない。
だが、1回目とは比べようもなく警備が厳重だったのだ。
物々しい……そんな気さえする。
「何か様子が重いですね」
車を降りながら、クリム様に問いかけた。
「さすがだ。わかるか?」
「はい。格好を変えてはいますが、護衛らしき人が多い」
「ふふっ、歩きながら説明しよう」
クリム様は軽く笑うと、腕を差しだし、私はその腕をとる。
すれ違う人々に軽く会釈を返しながら、私達は先程の話を続けた。
「今日の舞踏晩餐会の招待客は、国内よりも国外の方が多い……それは来る前に聞いているな?」
「はい。皇帝陛下主宰ですから、規模が大きく、アドミリアとの戦争終結の祝賀会も兼ねているとか?」
「そうだ。だから、大陸でザナリアに与してくれた国々を招いての舞踏晩餐会、なのだが……実はな、もう一つ陛下には思惑がおありなのだ」
「思惑??」
不思議そうにクリム様を見上げると、その目がいたずらっ子のように煌めいた。
うっ……静まれ!私の鼓動!!
先は長いのだ、こんなことでときめいていては身が持たん!
と、グッと息を飲み平静を装った。
舞踏会の会場に着き中に入ると、クリム様は私の後ろに回り肩に手を乗せた。
そして、スッと顔を寄せて小声で囁く。
「会場内を見て?護衛の他に何か気になることはないか?」
クリム様が近いことの他に、でしょうか!?
今、それしか気になることはないんですけど!!
そんな声を飲み込むと、私は気を取り直して辺りを見回した。
深呼吸をしながら、精神を研ぎ澄ます。
すると、一つの《違和感》があった。
「各国の招待客の王族は、全員若い女性………では?」
その声にクリム様は満足そうに頷いた。
「見事。そう、招待された王族はほとんど若い女性。つまりだ、これは皇太子殿下のお相手選びも兼ねている」
………なるほど。
ならば、この変装護衛の数も当然だ。
自国の王女を守らなくてはならないからな。
物々しい雰囲気もそのせいか。
「でも、こんなに沢山招いて誰が誰だかわかるんですか?それに、選ぶって言っても……多すぎて絞れなくなりませんか?」
「ははっ!そうだな。こんなにいては困ってしまうな」
クリム様は、人目も憚らず大声で笑った。
すると、周りにいた人達が、目を丸くして一斉にこちらを振り向く。
彼らの驚きに満ちた視線の原因はわからなかったが、目の前のクリム様が誰よりも素敵なことは良くわかった!
カボチャどもの驚きなんぞ、知らん。
「さて、私達も陛下と殿下に挨拶をしに行こう」
「はい!」
と、クリム様の腕をとって私は颯爽と歩くのである。
******
「グリュッセル公爵家クリム様、およびオズワルド伯爵家アンナ様、どうぞ、御前へ」
侍従の声にクリム様と私は前に進み出た。
その侍従、軍事演習時に銃を突きつけた人だったんだけど、どうやら私の正体には気付いていない。
まぁ、気付かれても困るけど。
私は伏し目がちに近付き、跪いた姿勢で声が掛かるのを待つ。
「クリムよ、仰々しい止めておけ」
その声に、クリム様は顔を上げた。
私はそのまま、伏せている……。
と言うのには理由があるのだが。
「いえ、これが本来の姿かと……陛下と殿下に置かれましては御壮健のこと何よりと……」
「壮健も何も、昨日会ったではないか」
これは、陛下の声だな。
軍部出身らしい、荒々しく低い声。
「全く白々しい。大方婚約者に颯爽とした所を見せたいのだろうが、そんなすぐに正体がバレることはやめとけよ」
これは!アイツ(皇太子殿下)か!!
相変わらず神経質そうな声だな。
「バレるなどと。私はいつもこんな感じですが?違いましたか?」
クリム様はクリム様。
どんなクリム様はでもアンナは付いていきますよ!
「まぁよい。さて、グリュッセル家が新しい者を迎え入れるのは久しいことだな。王家にとっても喜ばしいことだ」
「ありがとうございます」
「ん?どうしたのだ?面を上げても良いぞ?」
陛下の低い声が、私の頭上を通り抜けた。
陛下と殿下。
4つの視線が後頭部に集中する。
「アンナ、面を」
「はい」
クリム様に促され、覚悟して顔を上げた。
目の前の陛下を見て、次に殿下を見る。
瞬間2人の顔が対照的になったのを私は見た!!
陛下はブッ!と口を押さえて笑いをこらえ、殿下は口を開けたまま真っ青になったのだ。
「………そうかそうか。なるほどな」
「………………………………」
「アンナ・オズワルドでございます……陛下と殿下に置かれましては……」
「良い良い。もう良いわ。慣れぬことをすると後で熱を出すぞ?」
陛下は私の渾身の挨拶を遮った。
くそぅ、何度も練習したのに!!
しかも、まだ笑っているし。
殿下は青いし。
「クリム……お前はかなりの勇者だな……」
殿下はクリム様を見て言った。
「お誉めいただき光栄です!これよりは、私と同様、アンナもザナリアの為に尽くす所存でありますので、どうぞお見知り置き下さい」
「うっ!あ……ああ。それは頼もしい……頼もしいぞ」
その2人のやり取りを見て、陛下はお腹を抱えて笑っている。
きっと軍事演習で何があったか、全て知った上での爆笑なのだろうな。
前から思っていたが、陛下とは気が合いそうだ。
軍部出身だし、細かいことに拘らない。
殿下がこの陛下の息子だなんて、未だにザナリア七不思議の一つだな。
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