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2丁拳銃の女
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王宮の門の前で全部隊を待機させ、ローラント、ヴィクトール、オズワルド、クリムの4人は謁見の間に向かった。
きらびやかな近衛兵の後ろを付いていくと、やがて絢爛華麗な扉が目の前に顕れる。
扉ごときに大層なことだ、とローラントは鼻で笑った。
「ここから先の武器の携帯は許可されておりません。ここでお渡し下さい」
近衛兵が回りを取り囲み4人に詰め寄る。
「オレは誰にも指図されない。武器を奪いたければ力ずくで奪え」
近衛兵達はローラントの異常なまでの圧力にたじろいだ。
しかし、彼らも仕事をしないわけにはいかない。
ローラントのすぐ前にいた近衛兵が、その銃に手をかけようとした時、瞬時に背後から殺気が放たれた。
「その手を少しでも動かしてみろ。蜂の巣にするぞ」
近衛兵は体を動かさず、目だけを声の方に向けた。
そこには、栗毛の美しい女性将校が両手に銃を構え、愉しくて仕方ないという顔で笑っていた。
「じ、銃を下ろして下さい。ここは王城ですよ。扉の向こうには殿下がいらっしゃるのです」
「だからなんだ?私の上司は元帥閣下であり、殿下ではない!よって、銃は下ろさん。さぁ、どうする?撃ち合うか?何人いても問題ない。弾はたっぷりあるしな」
ローラントもヴィクトールも全く動じることなく成り行きを見つめているが、クリムだけはそのオズワルドの様子に度肝を抜かれていた。
あの、いつもの天然でぽやんとした彼女からは想像出来ない姿に口が開きっぱなしだ。
「あ、あの、これは一体……」
クリムはヴィクトールに小声で話しかけた。
「あー、オズワルドはね、ハンドルと銃を持つと人が変わるんだよね」
「はい?」
ハンドルと銃?
クリムはオズワルドが運転していた様子を思い出したが、別段変わったところはないように思えた。
ただ、スピードは……出し過ぎだったかも。
「軍部でも珍しい2丁拳銃の使い手でね。あの、左の銃、あれは特注品なんだよ。左手用の。腕も早くて正確、あれと撃ち合うなんてオレはゴメンだね」
ヴィクトールはわざと大きい声で言った。
近衛兵達はジリジリと後退していき、少し離れた場所からオズワルドを牽制した。
「つまらない!撃ち合おうよ!せっかく閣下から許可を頂いたのに!」
その尋常じゃない迫力に近衛兵達の気力は完全にそがれた。
槍や剣をその場に置き、敗北を認めたのである。
「ああ、もう!また使えなかった!私のボニーとクライド!」
ボニーとクライド?
クリムはヴィクトールを見た。
何が言いたいのかわかったヴィクトールはすぐに説明してくれた。
「右がボニーで左がクライド。銃の名前ね」
「……………………はぁ」
クリムはこの情報をグリュッセル家の手帖に書き加えるべきか……と少し考えてすぐに考えるのをやめた。
………必要なし、と。
「もういいか?入るぞ」
痺れを切らしたローラントが、イライラしながら力任せに扉を開けた。
「軍部の人間は野蛮だね」
奥行きのある広い部屋の最奥に、立派な椅子に座ったブロンドに青い瞳の男がいた。
一目でわかる、ジークフリード皇太子殿下。
アーベルやクライン、クリム、彼らはクリスタに若干似ているが、こいつはまるで似てないな。
確か『はとこ』だったろう?
と、ローラントは目に見えて嫌な顔をした。
「挨拶はしないのか?私は皇太子なのだが」
ジークフリードは深く椅子に腰掛け、嫌みったらしく頬杖をついている。
辺りの空気が重苦しくなり、ローラントの周辺はもし目に見えたなら、真っ黒いオーラで覆いつくされてるのが確認できたろう。
ローラントは外套をさっと翻し、右手を胸に当て軽く頭を下げた。
「軍部大元帥ローラント・ハインミュラー、お召しにより参上しました」
その所作はとても優雅で、王城の侍従、側近は皆目を奪われた。
「随分早いじゃないか?ザクセンに居たのではないのか?」
「いいえ、首都におりました。大事な用がありまして」
「へぇ、大事な用ね。何かな、卿のことだから女絡みか?」
ジークフリードはなんとかローラントのすました顔を崩そうと必死に煽ってくる。
その様子を後ろでクリムはハラハラしながら見守った。
「まぁそんなところです」
しれっとローラントは答えた。
「そ、そうか。だが、卿もそろそろ身を固めねばな。元帥となればそういう機会も増えるだろうし。良ければ何処かの令嬢を紹介しても………」
「殿下、今そのような話をしている場合ではないと思いますが?」
焦りの見えるジークフリードにローラントは無表情のまま言った。
後ろでホッとしたクリムは、その横でガタガタ震えるオズワルドを見た。
「……そうだな、ファルタリアの反乱の件は聞いているか?」
「はい、簡単には」
「独立とクレセントナイトの権利。どちらの要求も呑むわけにはいかない。やつらは鉱石組合と自治区、あと……なんだか知らんが、ファルタリアの女王とかいう者が主導で動いているらしい」
「女王……」
ローラントの口元が緩んだ。
ジークフリードはおや?と思ったがそれは一瞬のことで、もとの仏頂面に戻ったローラントに直視され思わず目を逸らした。
「………卿達にはその反乱を出来るだけ被害を出さずに鎮圧してほしい。なんなら他の要求なら聞いてもいいんだが……」
「被害を出したくないのであれば、交渉しかないでしょう。こちらに交渉権の全権を頂きたい。そうすれば………」
「全権など無理だ。私はそんなに卿を信用していない」
静かなにらみ合いが始まった。
まぁ、そうだろうなとクリムは想定していた通りになっていることに人知れずほくそ笑んだ。
もともと、話し合いで全権を渡されるなんて思っていないし、そんな簡単なことなら軍部全軍で来る必要などない。
「全権を頂きたい」
「無理だと言っている」
「そうか」
ローラントは右手を挙げた。
オズワルドがバルコニーに移動し、クライド(左の銃)を高らかに放った。
パァン!と乾いた音が王城に響くと、続いて轟音が鳴り響いた。
戦車隊が砲撃を始めたのである。
「な…………何をしたのだ……」
「オレは話し合いが苦手だ。殿下が折れてくれないのなら、仕方ないですが王宮を制圧する」
「なっ!?」
皇太子の親衛隊、侍従、側近が、ローラントとジークフリードの間に踏み込もうとした。
しかし、それより早く、ヴィクトールの銃とオズワルドの銃が彼らの足を止めた。
「おっと、ボニーちゃんは気紛れでね、うっかり当たっちゃうこともあるから勘弁してね!」
にこにこ笑うオズワルドに侍従も側近も震え上がった。
「お前、こんなことをしてどうなるか……」
ジークフリードの歪んだ顔がローラントのすました顔を睨み付ける。
「殿下こそ、どうなると思いますか?今ここで、意地を張って命を落としますか?さあ、出来るだけ早く決めて下さい。被害を出したくないのでしょう?」
「ぐっ…………」
オズワルドはクライドをクルクル回しながら数を数え始めた。
「10、9、8、7」
「まっ、待て!待ってくれ!」
「6、5、4」
軽く狙いを付けたりして、オズワルドは楽しそうにボニーと戯れている。
「もう少し、話を……」
「3、2」
ガチャリ。
ボニーは準備をした。
「1」
「わかった!!渡す!」
外套がさっと翻り、ローラントは恭しく挨拶をする。
「ありがとうございます」
屈辱的な表情のジークフリードは、ローラントを睨み付けたまま、なんとかここから巻き返せないか考えていた。
しかし、どう考えても、いい方法は思い付かなかった。
こんなことをして何か軍部にメリットがあるのか?
皇家にとって変わるつもりなのか?
いや、そういえばアドミリアは確か……、軍部がクーデターを起こして王家が崩壊した。
ファルタリアもそうだった。
我が国も………そうなるというのか……この、私の国が………。
「皇家は、滅ぶのか………?」
先程とはうってかわって虚ろな目のジークフリードがローラントを見た。
「それは、殿下次第、とだけ言っておきます」
無表情のままのローラントは、項垂れるジークフリードを上から見下ろした。
「すぐ委任状を作成して下さい。軍の一部はそのままファルタリア自治区に向かいますが、王宮周りの軍備は解かないので逃げようなどとは思わないように。あと、親衛隊を使っての抵抗もお勧めしません。オズワルド少佐と撃ち合いたいなら別ですが」
ローラントの言葉に、ボニーとクライドを指でくるくると回しご機嫌のオズワルドが破顔する。
「型遅れの銃剣で、この最新式ボニー&クライドに勝てると思うならお相手しますよ」
親衛隊は自身が持つ銃剣と、ボニー&クライドを見比べた。
ほぼ飾りの意味しか持たない銃剣と、確実に対象を仕留めるために作られた実用的な銃。
性能の違いは明らかだ。
「オズワルド、ここは頼むぞ。後でヴィルマーを寄越す。間に合えばフィッシャーも来るだろう」
「はっ!お任せを」
そう言うと、オズワルドはローラントだけに聞こえるような小声で囁いた。
「もう二度と奥様方を離しませんように」
さっと敬礼し去っていくオズワルドを見て、ローラントはふっと目を細めた。
ああ、わかっている。
今度こそちゃんとオレの妻に。
ローラントは委任状を作成しているジークフリードに話しかけた。
「殿下」
「なんだ………?」
「先程身を固めろと言いましたが、もう心に決めた人がいますのでご心配なく」
怪訝な顔をするジークフリードを残し、背を向けたローラントの顔には笑顔が溢れていた。
きらびやかな近衛兵の後ろを付いていくと、やがて絢爛華麗な扉が目の前に顕れる。
扉ごときに大層なことだ、とローラントは鼻で笑った。
「ここから先の武器の携帯は許可されておりません。ここでお渡し下さい」
近衛兵が回りを取り囲み4人に詰め寄る。
「オレは誰にも指図されない。武器を奪いたければ力ずくで奪え」
近衛兵達はローラントの異常なまでの圧力にたじろいだ。
しかし、彼らも仕事をしないわけにはいかない。
ローラントのすぐ前にいた近衛兵が、その銃に手をかけようとした時、瞬時に背後から殺気が放たれた。
「その手を少しでも動かしてみろ。蜂の巣にするぞ」
近衛兵は体を動かさず、目だけを声の方に向けた。
そこには、栗毛の美しい女性将校が両手に銃を構え、愉しくて仕方ないという顔で笑っていた。
「じ、銃を下ろして下さい。ここは王城ですよ。扉の向こうには殿下がいらっしゃるのです」
「だからなんだ?私の上司は元帥閣下であり、殿下ではない!よって、銃は下ろさん。さぁ、どうする?撃ち合うか?何人いても問題ない。弾はたっぷりあるしな」
ローラントもヴィクトールも全く動じることなく成り行きを見つめているが、クリムだけはそのオズワルドの様子に度肝を抜かれていた。
あの、いつもの天然でぽやんとした彼女からは想像出来ない姿に口が開きっぱなしだ。
「あ、あの、これは一体……」
クリムはヴィクトールに小声で話しかけた。
「あー、オズワルドはね、ハンドルと銃を持つと人が変わるんだよね」
「はい?」
ハンドルと銃?
クリムはオズワルドが運転していた様子を思い出したが、別段変わったところはないように思えた。
ただ、スピードは……出し過ぎだったかも。
「軍部でも珍しい2丁拳銃の使い手でね。あの、左の銃、あれは特注品なんだよ。左手用の。腕も早くて正確、あれと撃ち合うなんてオレはゴメンだね」
ヴィクトールはわざと大きい声で言った。
近衛兵達はジリジリと後退していき、少し離れた場所からオズワルドを牽制した。
「つまらない!撃ち合おうよ!せっかく閣下から許可を頂いたのに!」
その尋常じゃない迫力に近衛兵達の気力は完全にそがれた。
槍や剣をその場に置き、敗北を認めたのである。
「ああ、もう!また使えなかった!私のボニーとクライド!」
ボニーとクライド?
クリムはヴィクトールを見た。
何が言いたいのかわかったヴィクトールはすぐに説明してくれた。
「右がボニーで左がクライド。銃の名前ね」
「……………………はぁ」
クリムはこの情報をグリュッセル家の手帖に書き加えるべきか……と少し考えてすぐに考えるのをやめた。
………必要なし、と。
「もういいか?入るぞ」
痺れを切らしたローラントが、イライラしながら力任せに扉を開けた。
「軍部の人間は野蛮だね」
奥行きのある広い部屋の最奥に、立派な椅子に座ったブロンドに青い瞳の男がいた。
一目でわかる、ジークフリード皇太子殿下。
アーベルやクライン、クリム、彼らはクリスタに若干似ているが、こいつはまるで似てないな。
確か『はとこ』だったろう?
と、ローラントは目に見えて嫌な顔をした。
「挨拶はしないのか?私は皇太子なのだが」
ジークフリードは深く椅子に腰掛け、嫌みったらしく頬杖をついている。
辺りの空気が重苦しくなり、ローラントの周辺はもし目に見えたなら、真っ黒いオーラで覆いつくされてるのが確認できたろう。
ローラントは外套をさっと翻し、右手を胸に当て軽く頭を下げた。
「軍部大元帥ローラント・ハインミュラー、お召しにより参上しました」
その所作はとても優雅で、王城の侍従、側近は皆目を奪われた。
「随分早いじゃないか?ザクセンに居たのではないのか?」
「いいえ、首都におりました。大事な用がありまして」
「へぇ、大事な用ね。何かな、卿のことだから女絡みか?」
ジークフリードはなんとかローラントのすました顔を崩そうと必死に煽ってくる。
その様子を後ろでクリムはハラハラしながら見守った。
「まぁそんなところです」
しれっとローラントは答えた。
「そ、そうか。だが、卿もそろそろ身を固めねばな。元帥となればそういう機会も増えるだろうし。良ければ何処かの令嬢を紹介しても………」
「殿下、今そのような話をしている場合ではないと思いますが?」
焦りの見えるジークフリードにローラントは無表情のまま言った。
後ろでホッとしたクリムは、その横でガタガタ震えるオズワルドを見た。
「……そうだな、ファルタリアの反乱の件は聞いているか?」
「はい、簡単には」
「独立とクレセントナイトの権利。どちらの要求も呑むわけにはいかない。やつらは鉱石組合と自治区、あと……なんだか知らんが、ファルタリアの女王とかいう者が主導で動いているらしい」
「女王……」
ローラントの口元が緩んだ。
ジークフリードはおや?と思ったがそれは一瞬のことで、もとの仏頂面に戻ったローラントに直視され思わず目を逸らした。
「………卿達にはその反乱を出来るだけ被害を出さずに鎮圧してほしい。なんなら他の要求なら聞いてもいいんだが……」
「被害を出したくないのであれば、交渉しかないでしょう。こちらに交渉権の全権を頂きたい。そうすれば………」
「全権など無理だ。私はそんなに卿を信用していない」
静かなにらみ合いが始まった。
まぁ、そうだろうなとクリムは想定していた通りになっていることに人知れずほくそ笑んだ。
もともと、話し合いで全権を渡されるなんて思っていないし、そんな簡単なことなら軍部全軍で来る必要などない。
「全権を頂きたい」
「無理だと言っている」
「そうか」
ローラントは右手を挙げた。
オズワルドがバルコニーに移動し、クライド(左の銃)を高らかに放った。
パァン!と乾いた音が王城に響くと、続いて轟音が鳴り響いた。
戦車隊が砲撃を始めたのである。
「な…………何をしたのだ……」
「オレは話し合いが苦手だ。殿下が折れてくれないのなら、仕方ないですが王宮を制圧する」
「なっ!?」
皇太子の親衛隊、侍従、側近が、ローラントとジークフリードの間に踏み込もうとした。
しかし、それより早く、ヴィクトールの銃とオズワルドの銃が彼らの足を止めた。
「おっと、ボニーちゃんは気紛れでね、うっかり当たっちゃうこともあるから勘弁してね!」
にこにこ笑うオズワルドに侍従も側近も震え上がった。
「お前、こんなことをしてどうなるか……」
ジークフリードの歪んだ顔がローラントのすました顔を睨み付ける。
「殿下こそ、どうなると思いますか?今ここで、意地を張って命を落としますか?さあ、出来るだけ早く決めて下さい。被害を出したくないのでしょう?」
「ぐっ…………」
オズワルドはクライドをクルクル回しながら数を数え始めた。
「10、9、8、7」
「まっ、待て!待ってくれ!」
「6、5、4」
軽く狙いを付けたりして、オズワルドは楽しそうにボニーと戯れている。
「もう少し、話を……」
「3、2」
ガチャリ。
ボニーは準備をした。
「1」
「わかった!!渡す!」
外套がさっと翻り、ローラントは恭しく挨拶をする。
「ありがとうございます」
屈辱的な表情のジークフリードは、ローラントを睨み付けたまま、なんとかここから巻き返せないか考えていた。
しかし、どう考えても、いい方法は思い付かなかった。
こんなことをして何か軍部にメリットがあるのか?
皇家にとって変わるつもりなのか?
いや、そういえばアドミリアは確か……、軍部がクーデターを起こして王家が崩壊した。
ファルタリアもそうだった。
我が国も………そうなるというのか……この、私の国が………。
「皇家は、滅ぶのか………?」
先程とはうってかわって虚ろな目のジークフリードがローラントを見た。
「それは、殿下次第、とだけ言っておきます」
無表情のままのローラントは、項垂れるジークフリードを上から見下ろした。
「すぐ委任状を作成して下さい。軍の一部はそのままファルタリア自治区に向かいますが、王宮周りの軍備は解かないので逃げようなどとは思わないように。あと、親衛隊を使っての抵抗もお勧めしません。オズワルド少佐と撃ち合いたいなら別ですが」
ローラントの言葉に、ボニーとクライドを指でくるくると回しご機嫌のオズワルドが破顔する。
「型遅れの銃剣で、この最新式ボニー&クライドに勝てると思うならお相手しますよ」
親衛隊は自身が持つ銃剣と、ボニー&クライドを見比べた。
ほぼ飾りの意味しか持たない銃剣と、確実に対象を仕留めるために作られた実用的な銃。
性能の違いは明らかだ。
「オズワルド、ここは頼むぞ。後でヴィルマーを寄越す。間に合えばフィッシャーも来るだろう」
「はっ!お任せを」
そう言うと、オズワルドはローラントだけに聞こえるような小声で囁いた。
「もう二度と奥様方を離しませんように」
さっと敬礼し去っていくオズワルドを見て、ローラントはふっと目を細めた。
ああ、わかっている。
今度こそちゃんとオレの妻に。
ローラントは委任状を作成しているジークフリードに話しかけた。
「殿下」
「なんだ………?」
「先程身を固めろと言いましたが、もう心に決めた人がいますのでご心配なく」
怪訝な顔をするジークフリードを残し、背を向けたローラントの顔には笑顔が溢れていた。
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