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遠のくスローライフ

招かざる客 4

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仕事が残ってるからと帰って行くクロウを見送り残った方々をテラスに迎え入れた。

「先にご挨拶させて頂いてもよろしいでしょうか」

席に着く前に薄いパープルの上品なドレスを来た美人さん優雅にカーテシーを品良く決めてきた。

「お初にお目に掛かりますビギアンナ・シュバルツと申します。以後お見知りおきを」

「初めまして、倉山美穂と申します。きっと年も近いと思います。よろしくお願いします仲良くして頂けると嬉しいです。」

「ミホさんは幾つですの」

事実はアラホォー突入ですけどね。そこは内緒です。

「16歳です。アンナ様は?アンナって呼んでも」

「ええ、是非アンナと呼んで下さいませ。親しい者は皆アンナと呼んで下さいます。私は18に成りました」

「あの、私もご挨拶させて頂いても」

「元主が御迷惑をお掛けして申し訳ありません。私はジャックス・シジャンヌ伯爵が娘メイーナ・シジャンヌと申します」

「倉山美穂と申します。いきなり雇うとか言ってごめんなさい、メイーナにも選ぶ権利はあるから良く考えて。内容は明日でもいい?今は一先ずお嬢様に戻ってお茶を飲みましょ。皆様もよろしいでしょか?」

「「「「えぇ、構いませんわ」」」」

すっげぇ~声が揃うとか。余程仲良いのね。

「だそうよ、まずはカップ選びからよ」

地球産のカップを2組加えて選んでもらった。御三方は慣れてます感が半端ないけど目が泳いでますよ。お若い2人は悲鳴が聞こえて来そうな目の輝き。
ふふっ、このカップ選びは外せないイベントになりそうね。宿には絶対に取り入れる!

「本日は急でしたが、私の趣味で作ってましたお菓子をお出ししたいと思います。宿の方には出ない物なので 内緒でお願いしますネ」

心得てる御三方は堂々ともちろんですと答え、若い2人は怖怖と頷く。
ユキナが見た目よく盛りつけてくれたクレープと濃厚チーズのテリーヌを1人1つのお皿に盛り 皆様の前に置きます。
ふふふっ、皆様 目がランランと輝いてます。


「皆様のお口に合うと良いのですが」

側に居てくれる 3人には大丈夫だけどね。

先ずは好きなカップでお茶を飲み美味しいお菓子で話すのは、幼児様の事。

「ボリビア・ダチュリカ侯爵家の末娘ですがダチュリカ侯爵は血は引いてらっしゃない方なのよ」

?あれれ、コレは!

「ダチュリカ侯爵前婦人は御長男ライビス様と次男のマラドル様を御出産して3年した時に婦人のご実家に御不幸が有り帰ってる時に魔獣に襲われてしまいましたの」

「えぇ、その時のダチュリカ侯爵様の気落ちといったら、見てられませんでしたわ」

「そんな方が、リリビア様の旦那様の勧められた結果が見てまれませんわ」

「リリビア様って誰ですか?」

「失礼しました。リリビア様はダチュリカ侯爵前夫人の実の妹ですが、社交界でも少し問題がある方ですのよ」

成程、後妻の連れ子で教育もされて無い残念な子なのか。

「はぁ~、成程あの子自体も可哀想な子ですが、私と変わらない年の子。教わらなくても自ら学べる年です。同情する余地無しですね」

折角の美味しいお菓子が 不味くなるな。

「所でアンナ様はテッシー様の娘さんなのですか?」

「昨年息子が結婚しまして私の義娘になってくださいましの。ずっと娘が欲しかったから少し構いすぎて 嫌われてないか心配ですが、もう可愛くて」

「お母様 そんな事ございません。いつも目をかけて頂いて私は心から感謝しております」

不仲な感じは無く、本当に仲のいい母娘になってるのだろう。

「テッシーはずっと娘が欲しかったと言ってますものね、アンナさんが娘になると言ってどれだけ喜んだことか」

「そうよね、ロリーナ覚えてて?私の邸でお買い物してた時に端から端まで見てはアンナさんの物しか買わなくて慌てて商人を呼び止めたこと」

まぁ~ と驚いてるアンナとメイーナ、顔を真っ赤にするテッシー。
その時の事を思い出してるのかロリーナとジェイシーはクスクス笑ってる。
ちょっとした失敗談だが とても微笑ましい失敗談だ。

「テッシーは少しそそっかしいのかしら」

「もぉっ、ジェイシー バラなさないで下さいませ」

テッシーのその一言で 場は和やかになり 美味しいお茶会になった。
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