異世界無知な私が転生～目指すはスローライフ～

遠のくスローライフ

賢者とは

明日の夕方 夕飯でも食べながら話しましょう。と決まった所でお開きになった。

「聞いたァ～ ミホが賢者だって。安く見られたねぇ～」

「まったくだ。ミホが賢者とはふざけてる。そんなに小さな存在では無い」

「人間は何かに当てはめたがる癖がありますね。的確に当てはめたつもりですが、私達からしたら不愉快でしかありませんね」

・・・そんなに大した人間では無いですよォ～・・・・・今は、何か言ったとしても火に油を注ぐ状態になりかねない。
3人とも不機嫌全開だ。
賢者は 私にして見れば過大評価されすぎだけど、聖獣にしてみれば 私が過小評価されてたとして 憤りを感じてるようだ。

こんな時は 黙ってるのが吉だな。

不機嫌を吹き飛ばしてくれるアイテム 鉄板の甘い玉子焼き 天ぷら蕎麦 鶏飯おにぎり 普段は使わない究極奥義 デザートのバニラアイス
よし！コレで 3人のご機嫌も直る！！

タップリの出し汁を取りながら 明日の夕飯にタンを使ったビーフシチューを作る。

「もしかして 夕飯の支度をしてるのですか？」

「うん！もう出来るから大丈夫よ」

「そうですか？隣の鍋は？」

「ああ、 コレは明日の夕飯に出す タンを使ったビーフシチューよ。固いタンも長時間煮込むことによって柔らかくなるのよ」

普通だった ユキナの額に青筋が浮かんだ。
ヒィー 綺麗な人か静かに怒るってやだ。

「あんな人間など その辺に生えてる雑草で十分だと 私は思いますよ」

いやいや 人間は雑草は食べれないからね。

「あのさ 賢者ってかなりの褒め言葉だと思うけど、ユキナ達はなんで 賢者が嫌いなの？」

フッ 
綺麗に笑ってらっしゃるが 絶対に笑ってねぇーだろ。
この感覚 ジュナイルに近いぞ。
ユキナはジュナイルの申し子か！！

「ミホは賢者になりたいのですか？」

たった一歩近づいただけのユキナに 身体が勝手に一歩下がってしまった。

「賢者になりたいとは思わない。私はそんなに偉い理由でも凄い理由でもないから」

「自分の事をそんな風に貶めないでください。怒りますよ」

いやいや もう怒ってますよね！

「・・・ミホが思ってる賢者とはどんなものなのか夕飯の後で聞かせてもらえますか」

「いいけど 怒らない」

この調子で怒られたく無いので 予防線は張っておくに限る。

「怒りません。不愉快には思ってますが」

不愉快とは言っていたけど 賢者って私が思うものと違うの？