異世界無知な私が転生～目指すはスローライフ～

遠のくスローライフ

粘土と釉薬

魚を3枚に下ろして中骨を取り除きこの世界の香草をまぶし小麦を付けて皮目をパリッと焼いてみたが香草がイマイチで没。

 隣で母さんの読んでた料理本の中に手作りカレーの作り方を見つけたので、そのページとにらめっこしながら煮込んで柔らかくした大きなお肉とカレーのペーストを一緒に包んで揚げてカレーパンを作り出した。
 
1口食べるとあとが止まらない。
3人もあっという間に食べてしまった。
催促するウルウルの目に負けてもう1つ手渡してやると無邪気に喜ぶ3人が愛おしく感じる。

「コース料理には入れないのか？」

「コース料理にこのパンは、どうなのかしら。私の中では無いけどクロウやテッシーに相談してみるか」

「このパン、銀貨をとってもいいよね」

「銀貨は安いでしょう、金貨の価値はあるのでは？」

「1つ分の材料と手間を居れると銀貨1枚も行かないかな？」

クロウやテッシーの意見を聞くことで話は纏まり今日の意見交換はコレで終わった。

初日から張り切っては続かない。
各自好きな事をして過ごすことにした。
アオトは少し出かけてくると言って出かけていった。

私はマナー本を読み返してた。食事、立ち振る舞い、言葉、上司としてのマナーなどを読み返してた。

コレは使えると思えるものは紙に纏めたりとした時に はたと気がついた。
この世界に 紙は無い。
わざわざ うすい板がメモ帳代わりだ。嵩張るし、すぐにめくれない。

部屋を出てユキナを探せば庭で寛いでた。

「ユキナ 今ちょといい？相談なのか質問なのかしら・・・」

声に出して見るとおかしい事に気がついて聞くべ気かどうかとまどった。

「どうぞ」

「うん、あのね私が出してるこの紙、この紙は元は木の繊維が絡み合って出来てるの」

「その様ですね」

「繊維が多い植物と糊が植物から取れないかな？取れたらコレと似たような物が作れると思うのよね」

「そうですね。心当たりはあるので 準備してみます」

「ありがとう 助かる」

ダメもとで言ってみるものだ。紙の原料が手に入り この世界で作れたら わざわざ薄い板になんて使わなくて済む。
コレはティースプーンより早急に必要になりそうだ。とは、ならなかった。

帰ってきたアオトは 上質の粘土を持って帰ってきてしまった。
ならば 釉薬をとコウキを呼んで 長石に似た石が無いか聞くと 白石 輝石 透石の3種を出してきた。
葵石や燹石は色が濃から色がつくかもねと。淡々と語って見せてくれる。燹石は聞き馴染みが無いが名前の通りよく伸びる緑色の石だった。

まずは 3種を粉にしてもらい水で徐々に溶いて粘土混ぜていく。
鑑定したら 釉薬 ＜白磁器＞と出た。あっさり出来てしまったことに そんなものなのかと特に気にせずに明日を思い描く。
ティースプーンとティーカップ 受け皿 デザートの取り皿と大皿 欲張りかも知れないが作ってみようと思う。
乾燥をさせないと行けないけど アオトとコウキで熱風を送ってもらって時短してしまえば明後日には登り窯で焼けるかも。
なんかちょっと楽しみになってきた。