上 下
99 / 199
スローライフに不穏な足音

退場 願います

しおりを挟む
真っ青になるマリナドに容赦なく言葉を選ばないコウキが

「こうなるってわかんなかっのぉー、バッカだよねぇ~。独りよがりで大暴走した挙句、こーんな大馬鹿をやらかす者まで引き当てるなんて凄いよね。それで良くパズルフィ商業ギルドマスターなんてやってられるよね」

たしかに独りよがりだよな。大迷惑。ってレビンにリビリィ 貴方達縮こまなくても大丈夫だから。それでも必死に子供を自分に向き合わせて耳を塞いでるレビンは父親なのだ。

「馬鹿は言い過ぎですからね。愚か者にしときなさい」

バカと愚か者 言われてマシなのってどっちなんだ?

「自分の感に自信があるのはいい事だが、最初に説明を聞いても 儲けに走るとは愚かだな。死人が出ても 知らなかったと言って とぼける気でいたのか?」

死人が出るとか言わないでよ!最悪の場合の話だからねアオト。

「そんな事は思ってないわよ。常に冷蔵が必要なのか どうかを調べましょうって言ったわよ。それに、試食の白くてとろみのあるスープは食べれなかったけど、あの黄芋を使った料理は最高だったのよ。サラダも新しい白い食べ物も濃厚で・・・誰もが後でサインした事に後悔してたのよ」

悔しさを滲ませるマリナドに同情は出来ないよね。

「勝手に後悔してて下さい。私には関係ない話です。
今回 貴方をここに呼んだのは、私が迷惑をかけられてる事実を教える為と、私が 新たに考えた料理を商品化するのは私の弟子。その弟子が商品を売ることは承認して欲しいからよ。その為にこの宿に先行投資して欲しいから呼んだの」

一瞬 ポカーンとしたマリナドは直ぐに表情を引き締めて私を見る。

「ちょっと待て!わざわざ ワシがマリナド様を呼んできたのはこの宿の為か」

自分に有利に動くと思ってたのおっさん?
面の皮厚すぎないか?

「そうよ!呼んできてくれてありがとうございます。ご迷惑なのでさっさとお帰り下さい」

「あなたの為に高級宿を抑えて、わざわざこうやって出迎えに来てる私達の思いが伝わったのでは?」

「迷惑をかけられて 感謝を感じる お人好しはいませんよ。貴方も試食会に居たならサインしましたよね。私の意思を無視してまで商品化なんてしませんよね。
貴方みたいな横暴な方も嫌いなんです。勝手に高級だがなんだか知りませんが頼んでも無い宿を予約して恩を着せようなんて厚かましい」

ブルブル震えるおっさんを無視してマリナドにも もう少し言わないと気が済まない。

「前の3点は諦めて下さい。
今はまだ個人登録のままです。貴方のせいで この宿の方にも迷惑かけてるんですよ!マスターなら 自分の行動を1つ起こすにも、その先の事まで考えないのですか?」

「諦めきれなかったのよ!いつもいつも 同じような味付けで変化も無い。初めて聞く食材なんて聞くと誰でも飛びつくと思う。
確かに後先考えずに貴方を説得出来ないかと先走った行動は謝るは、ごめんなさい。グロン商会の方は私が厳重注意しとくわ」

投げやり感は頂けないが、毎日 毎日 同じような味付けはたしかにうんざりするわよね。
だからって それはこの世界の全ての人が思う事であって貴方だけが特別に思う事では無いのよ。
それに本気で思ってるなら 新地開拓をしてるはず。してたなら、この宿の事も調べられるわよね。ここの料理はかなり進化してるとおもうわよ。それを知らないって事は、私にした言葉もただの言い訳にしか聞こえない。

「今すぐ諦めて下さい。私は迷惑かけられたくありませ。それと さっさと弟子を取ってからの商品販売は承諾してもらえるのかしら?」

「弟子って話しなら、我商会の抱える料理人を付けますよ」

「貴方の商会の人では無理ですよ。私はこの宿の主人で料理人 レビンでなければ弟子を取りません」

「ふん!こんな流行ってもない宿の料理人とは、貴方ほど方なら 高級宿の料理人でも頭を下げて教えを願う。自分の価値を下げたいのか?」

へぇ~私って価値ある人間なんだ~?!知らなかった。

「貴方に私の価値を決めてほくはありません。それに、私は高級が嫌いなんですよ。誰でも 高級と言えば飛びつくと思ってる 単細胞な生き物はもっと嫌いですけどね」

「っんだとぉー黙って聞いてればあ 小娘!ワシを誰だと思ってるんだ!!グロン商会代表だ!!貴様の持ってる商品が良いだけで貴様には価値のない!!商品を買ってやる 言い値を払ってやるから 3点の権利をワシに売れ!!!」

ふーん、私から無理に奪うとかではないのね。良かったわ暴力的な人でなくて。

「あら 買ってくださるの?無限に広がりますから コレからが楽しみの商品ですよ。そうですね白金10000枚でどうですか?ああ、言い忘れてましたよ1点で白金10000枚でお願い出来ます?」

顎が外れてますよ?大丈夫ですか?醜い脂ぎったお顔が更に酷くなってますよ。

「はぁ はぁー はぁ」

なんですか!!気持ち悪い息遣いは 聞くに絶えない。

「はぁ白金 10000まぃ 白金10000枚 1点10000枚 貴様ァぁぁぁぁぼったくりも大概にせいよォ!!!」

汚ったないなぁ~ 唾飛ばさないでよ。

「ぼったくりになるのかしら?正当な金額だと思うけど、マリナド 貴方1度は計算したのでは?どうなの、私はぼったくりなのかしら」

「私達も貴方から商品を買い取る為に試食会の後で見積もってみたわ、貴方の提示した金額は私達の計算よりも安いわ。安いけど用意できないわよ、そんな馬鹿げた金額。
だから、あなたの 説得をしたいのよ」

「ぼったくりにはならないらしいですよ。良かったですね。私はかなり良心的な金額を提示したようです。
買い取りがムリならさっさと退場して頂けません?邪魔なので」

言いたいことも言ったので さっさと退場してもらいましょう。
私が 本当に話したいのはレビンなのよ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二 その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。 侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。 裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。 そこで先天性スキル、糸を手に入れた。 だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。 「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」 少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。

異世界立志伝

小狐丸
ファンタジー
 ごく普通の独身アラフォーサラリーマンが、目覚めると知らない場所へ来ていた。しかも身体が縮んで子供に戻っている。  さらにその場は、陸の孤島。そこで出逢った親切なアンデッドに鍛えられ、人の居る場所への脱出を目指す。

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

魔力無し判定の令嬢は冒険者を目指します!

まるねこ
恋愛
「マーロア様には魔力がございません」 神官のその言葉に父は絶句し、母は泣き崩れた。 私は魔力を持つ貴族社会では生きづらいだろうと領地の端にある村へと送られ、生活することになった。 村で先生と出会い、冒険者になるという夢を持って王都に戻り、学院に入学し、騎士科で過ごす。幼馴染のファルスと共に先輩や王族との出会いを通じてマーロアの世界は広がっていった。 魔獣を倒すので人によってはグロと感じるかもしれません。 《11月29日より開始のカクヨムコン10に応募しています。★のご協力頂ければ嬉しいです。》 Copyright©︎2022-まるねこ

転生したら妖精や精霊を統べる「妖精霊神王」だったが、暇なので幼女になって旅に出ます‼︎

月華
ファンタジー
21歳、普通の会社員として過ごしていた「狐風 空音」(こふう そらね)は、暴走したトラックにひかれそうになっていた子供を庇い死亡した。 次に目を覚ますとものすごい美形の男性がこちらを見、微笑んでいた。「初めまして、空音。 私はギレンフイート。全ての神々の王だ。 君の魂はとても綺麗なんだ。もし…君が良いなら、私の娘として生まれ変わってくれないだろうか?」えっ⁉︎この人の娘⁉︎ なんか楽しそう。優しそうだし…よしっ!「神様が良いなら私を娘として生まれ変わらせてください。」「‼︎! ほんとっ!やった‼︎ ありがとう。これから宜しくね。私の愛娘、ソルフイー。」ソルフィーって何だろう? あれ? なんか眠たくなってきた…? 「安心してお眠り。次に目を覚ますと、もう私の娘だからね。」「は、い…」 数年後…無事に父様(神様)の娘として転生した私。今の名前は「ソルフイー」。家族や他の神々に溺愛されたりして、平和に暮らしてたんだけど…今悩みがあります!それは…暇!暇なの‼︎ 暇すぎて辛い…………………という訳で下界に降りて幼女になって冒険しに行きます‼︎! これはチートな幼女になったソルフイーが下界で色々とやらかしながらも、周りに溺愛されたりして楽しく歩んでいく物語。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お久しぶりです。月華です。初めての長編となります!誤字があったり色々と間違えたりするかもしれませんがよろしくお願いします。 1週間ずつ更新していけたらなと思っています!

処理中です...