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スローライフに不穏な足音

亀の嫁登場

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何時になったら 嫁と話せるの?

「ワシは嫁ちゃんの言う通りにしたのに そんな事聞いとらん」

嫁の言う通りに私を呼んで、亀の思いと違うことが起きてるのよね?
それは夫婦間の問題だよね?私 必要あるの?

おいおい泣く亀に 言葉なく見つめるしか無い。
今の亀に声をかけずらいので、コウキに改めて確認する事にした。

「ねぇ 私 要らないよね?本当に来て欲しいって嫁が言ったの?」

「うん・・・亀さんに お嫁さんがミホと話したいから呼んで欲しいって頼まれたよ」

亀が嫁の言葉をコウキに伝えた。それで なぜ今になって揉めてんのんの?

「離れるなんて 出来んよォ」

ちょっと なに?離れるって!!
離れるって 離婚話?!そんな話に私が呼ばれたの? やめてよつい最近1度会っただけの人間に 離婚話を聞いて欲しいとかまともじゃ無いわよ嫁ーーー!!!!!

コウキを見れば ヘラと笑ってるし、アオトを見れば腕を組んでお怒り状態の右足トントン、ユキナは額に手を当てて項垂れる状況になるってる。

驚きとは違う反応。離婚話って知ってたの?

「あのさ コウキ、嫁の話ってなにか知ってる」

「知らな~い。亀さんとお嫁さんの話いつ終わるのかな?いい加減鬱陶しいよね~」

その通りだよ亀夫婦。

「うるさいぞ!黙っておれ」

イラッ!

「ごめんね。でも 呼ばれて来てるのに ミホをいつまでも待たせてたらダメだよ」

「ぐぅぅ わかっておる!少し待っておれ」

ちょー上から目線 腹立つ!けど、仕方ないか。離婚話なら私抜きでしてもらいたい。

「お嫁ちゃん 考え直してくれ、頼むよ」

悲痛な声で嫁に話してる亀。
ダメだ、離婚話なんて聞いてられない。

「あの 私でしたら何時でもお話聞きますよ」

「待っておれと言っておるだろ!お嫁ちゃんとの話し合いに入ってくるでないわ!!」

その嫁に呼ばれてきたんですけどね。
嫁は流石は金魚だ。優雅に鉢の中で泳いでるしか見えない。






呼ばれて来てかれこれ1時間経ったかも知れない。

やはり離婚話なんだろう、全く進展してい夫婦の話し合いをただただ見つめてるしかない。でもさ私 要らないわよね?
このまま黙って帰っても良いよね?
その場でクルリと回り背を向けて亀夫婦の側を離れる事にした。

「嫁ちゃんに呼ばれてきおるのだろ 勝手に帰るでない!」

「ええ、その通りですけどね・・・」

ダメだ  言葉が続かない。
離婚話ならまず 2人だけで話して下さい。
1度しか会った事しかない私を巻き込まないでください。
言いたいことが言えない。

「何時になったら嫁との話が出来る」

アオトの質問をしてくれたが、もう少し待てとの事。もう少しって どれくらいなのか?






ダメだ、もー帰る 2時間はたっただろう。
おいおい泣き やだと繰り返す亀は見飽きた。
良く考えたら 私には関係ないよね?
亀に背を向けて歩きだした。

「待てと言っておるだろう!」

鬱陶しいわね!!そんなんだから離婚をきり出されるのよ。

「何時になったら嫁との話が出来るの」

「今 ワシがお嫁ちゃんと話しておる」

「私は貴方達夫婦の話し合いの姿を見せられるために呼ばれたのかしら?」

「違うわ!お嫁ちゃんがどうしてもお主に話があると言うから呼んだんだ」

「申し訳ございませんが 私も帰ってやる事もあるので 御2人の話し合いが済みましたらもう一度 呼んで下さい。お時間が合いましたらお会いしたいと思います」

「お嫁ちゃんとがわざわざ話があると呼んでやっておるのに 他にやる事があるとは失礼な奴じゃ!」

失礼はどっちなのよ!!

「ええ、呼ばれて来たのに 全く話を聞くことができませんからね!私だってやる事の一つや二つはありますし、失礼なのは 呼ばれて来てる者を待たせてる方だと思いますよ」

言いたいことを言ってやった。

「お嫁ちゃんが予想外の事を言ってるから・・・」


ポロポロ涙を流す亀に強気に出れなくなってしまった。
へらっと笑いコウキが口を開いた。

「昔のアオトとユキナもミホと同じ様に言ってたんだよね~」

「ああ  嫁が絡めばとことん はた迷惑な亀だ」

うんざり状態のアオト。

「ですね。嫁が絡まなければ まともなんですけどね」

マトモな亀の姿を見たいとも思わない。

「離婚話に貴方達なら解るけど 私は必要無いわよね?私は帰るよ」

「「「離婚話?」」」

「亀と嫁が別れる話し合いには私は必要無いわよね?」

「なんじゃとぉー!!ワ、ワシはお嫁ちゃんと別れはせんぞぉーーーー!!!」

クワッと怒りの形相になると怒鳴り出す亀に、私は離婚話じゃなかったのかと疑問に思う。

「離婚は無いでしょうね。結婚とは神の前で誓をたてて神に赦しを貰い初めて成り立つものですからね、結婚とは魂の繋がりになりますよ」

ユキナの呆れ顔を向けられても私には良くわからん。
神の前で誓をたてても 別れる時は別れるでしょ?

「別れることは無い。嫁に迎えたらなら一生を共に居る事になるぞ」

へぇーそうなの?

「だからなに? 別れる時は別れるよね?あんな鬱陶しい亀だと嫁もわかって 嫌になったんでしょ?確実に離婚理由になるわよ。さっさと別れてしまえばいいのよ、女々しい。
それにね亀、偉そ~に上から目線の言葉も腹立つのよ!
こっちは呼ばれてきてんの!それをいつまでも待たせといて 謝りもせずに 待っておれってよく言えたもんね!!
夫婦の話し合いなら誰もいない所でするもんでしょ!!
二度と会いたくないから呼ばないで!!」

今度こそ帰る!絶対に帰るわよ!!

背を向けて あと少しで結界内に入ることろで 女性が私を呼び止めるた。

「待って、ごめんさない」

女性の声を振り向けばふっくらした女性が立っていた。

えっ?嫁?嫁なのよね?

ピンクの髪に丸いお顔に目鼻口は整って?るが、二重アゴにインドの踊り子が着るような服のせいか素肌が見えるタップリした三段腹にパレオを巻き付けてるお尻と腿は残念な結果に、膝から下はご立派な大根が2本。

3獣達もビックリしてる様子。

亀だけが喜んでる風景はなんとも言えなかった。
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