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スローライフに不穏な足音

新たな始まり5

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とりあえず5つ出して見てもらうことにした魔石を、ユキナは宝石と同じ様に翳して見てる。

「文句無しの最高級の魔石ですね」

だろうね。その魔石を準備してくれたのはジュナイルかフリージア、どちらも神様だ。最高級なのは当たり前だろうね。

「ありがとう。魔石はコレでいいよね?」

「ええ、この魔石以上に素晴らし物は無いでしょう」

結界の安定を図る為に魔石は準備出来たのは良好。
でもね、根本的に貴方達ここに居ていいのか、先程から頭から離れない。
それに、山と森は一朝一夕では出来ないのよ?私が人として最高齢100歳になっても早々にできなのいよ?何時までアオトの領地に居るつもりなのか?
疑問は尽きない。

「この景色に岩山は似合わないよねぇ~」

「ミホのイメージしてる湖が側にある物いいですね」

確かに 岩山は似合わないけど、ユキナに湖は似合うと思う。じゃない私!流されるな私!

「質問してもいい?」

「どうぞ」

代表でユキナが答えてくれた。

「あの 今更だけど領地から離れてても大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。なにかあれば精霊や妖精が教えくれます。特に妖精はお喋りですからね。コウキの所にも妖精や精霊が住み着いてますから、コウキの所にもなにか問題が有れば知らせてくれます。
それに、転移すれば一瞬で帰れますから全く問題無いですよ」

なるほどねぇー 精霊や妖精が伝達係になるわけだ。
ウーン、私が悩んでも仕方ない。本人が問題無いって言ってるしね。
まだこの世の初心者が あーだこーだとアドバイスしても馬の耳に念仏だな。
馬鹿な後輩を思い出した。少しはまともにやれてるのかな??うん!人は成長する生き物だ、何とかなってるだろう。信じるしかない。

「もう1つ 山、森、湖は一朝一夕ではできないよ?もう少し現実的にさ 今ある中で 決めたらどうかな」

「一丁一石?よくわからん。現実的な事を言ってるつもりだ。無ければ創れば良いだけの事だ。創れるだろ」

言葉が怪しい。
今、一丁一石って言ったよね?どんな意味だ?
作るって簡単に言ってるけど 自然な物を作れるわけないだろ。うん?作るて創るの?
創るねぇ~。
マジ、マンガの世界だ。自然な物まで創れるとしてもでかいよ?それを創る気満々で話してる。
なんか想像以上に大事になりそうな雰囲気。

おばちゃんの年になると、子供の頃見たマンガ位しか思い浮かばないのよ、勝手にして下さい、だ。

みたらし、餡子、きな粉の団子をお皿に並べてお茶入れてやり それぞれの前に置いてやる。

「食べながら話しましょう」

と、言っても 話についていけるはずも無く ただ聞き耳を立ててるだけだけどね。

「これなに?」

「団子だな。みたらし・あんこ・きな粉だ。
和菓子と呼ばれる菓子の1つだ。緑茶がよく合う」

ドヤ顔のアオト。ぷぷぷっ テレビで見てねだって来た時は団子を覚えても種類は知らなかったのにね。
詭弁家では無く、勉強好きなアオト。覚えてくれてなにより。
きっと後で地鎮祭と一朝一夕の意味を聞きに来るだろう。

「和菓子、串に刺さってるお菓子は面白い。甘い中にも少し塩っぱさが後を引きます」

みたらしを食べての感想。
ユキナは感想を言わないと気がすまないのかな?

「うーん、美味しい。まだあるの?」

コウキは安定感あるお子様 食いっぷり。

「残念、無いよ~」

いき良いよく食べてしまうコウキの目が、ユキナとアオトのお皿に行くが、2人はサッサとお皿をズラして コウキの目線から逃れる。

「コウキはなんで岩山がいいの?」

「岩山はかっこいいから」

コウキはカッコよさを求めてるのね。

「ユキナはどんな物を創るつもりなの」

「緑が溢れる所の方が落ち着けます。そこに
湖を創って彩りに少し花で囲んでもいいですね」

うあー、いいわね!私も落ち着けそう。

「アオトはどうするの?」

「どう?と聞かれても、ここは我の領地だからな。あえて何かをしたいとは思わない」

そうだね。たわいもない話を聞きながら どんな物を創るのかきいていた。







本当さ、話を聞いてるだけならマンガの世界観バッチリの話だね。 
子供があーだこーだと夢を語る夢物語。
出来たらいいよねぇ~。でも、出来ないこともちゃんと知ってる子供の夢物語。

それを、あっさりと本当に創る為に話し合う3人。私の人智を超えた話をしてるのは聖獣だから 出来ること。
なんか、とんでも無いところに私来ちゃったなぁ~~。


明日実行する事にした。

っで、 夕飯はなにを作るのかと聞かれても・・・思いつかない。
っで、何食べたいと聞いても安定感バッチリの答えってなんなの?
めんどくさいなァ~

サッパリがいいなぁ~
高野豆腐と南瓜の煮物
キャベツとキュウリの塩昆布混ぜ
肉か魚は欲しい、豚汁でいいか。
このメニューに決定
豚汁はたっぷり作って明日の朝ご飯
豚汁とムギご飯のトロロがけ なんていいかもね。

ユキナは初めての包丁でも、器用に使いこなしてる。

「そうそう、でっ キュウリは両端を切り落としてまな板の上で手首の近い手の平で思いっ切り押して」

押されたキュウリがぐしゃっと割れる。

「そうそう、端から端まで割れたら 包丁で1口程になる様に切ってボウルに入れてね」

私は高野豆腐を元に戻し出汁の中で煮付け、別鍋で南瓜を煮付ける。

里芋 人参 玉ねぎ 大根 モヤシ 豆腐 オーク肉
を準備しても豚汁作りをしながら、ユキナの手元もちゃんと見てる。
キャベツを切り終えてキュウリの入ってるボウルに塩昆布を入れて手早く混ぜてる。

「それに鷹の爪を切って入れてピリ辛にしても美味しいよ」

「入れるとしたら何本ですか」

「そうね、それなら2本だね」

「ピリ辛ですか、入れましょう」

「庭に出来てるから取って来てくれる。レッド帽子を2本ね」

ふふっ、ユキナはピリ辛好きなんだ。

アオトも私もピリ辛も大丈夫だし、昨日のお弁当を完食してるコウキもピリ辛は大丈夫だろう。

グツグツと言ってる鍋の中を覗き込みアクを取り除く。

鎧カラスのコウキとワンちゃんのアオトは仲良くテレビ鑑賞。

「アレが天ぷらそばだ。だしつゆの中に天ぷらを浸して食べると最高に美味い。蕎麦も温麺と冷麺とあるが我は冷麺が好きだ。蕎麦の独特な風味と香りがいい」

饒舌に蕎麦を語るアオトは蕎麦好きと言うより麺好きだよね。

レッド帽子を2本手に戻って来たユキナ。

「天ぷらそばですか、聞いたことないものが多いですね」

楽しそうに微笑むユキナは 料理が好きなのかな。

「よく洗って 水気をペーパーで拭き取って中の種をだして細い輪切りね」

指示を出すと気持ちのいい返事が返ってくる。

根菜野菜が煮え味噌を加えてひと煮立ちしたら豆腐を加えて出来上がり。
食べる前に温め直すからコレでいいのよ。

今の時刻は18:30分
今の番組が終わるのが後30分で終わるから待っていようかな。

器を準備しつつ 見てると 中のいい三兄弟に見えてくる。
コマーシャルの間に合いにコウキがパタパタと飛びユキナの肩に止まる。

「ねぇ~ 天ぷら蕎麦美味しそうだったね。明日お願いしてみる?」

「聞いたこと無いものばかりで 目移りばかりしてしまいそうですね」

「ミホの料理はどれもこれも美味い。久しぶりに出たパズルフィ街の食べ物が塩辛くて食べれなかった」

体験談を語るアオトは塩辛くて食べれなかったのが余程堪えたのか、眉を顰めて語る。

「私は素晴らし師に着くことが出来たわけですね」

?私はいつから師になった?

「!ココからが見所だ、犯人に近づくからな目が離せない」

コマーシャルが終わりアオトがコウキに声をかけると、ユキナの肩から離れて飛んでゆきアオトの背に止まる

ヒントのパズルが次々にハマリ犯人に繋がる、確かに見所に繋がるけど 興奮する程でもないと思うけど、黙っていよう。


お皿を取り出して、1人分に取り分けて盛って行く。
器の色は、アオトには青、ユキナは白、コウキは黒、私は赤にした。
揃えるとわかりやすくて助かると思ったからだ。

終わり直前に豚汁に火を入れて 温め ドンブリに入れて配り いただきます。

ジュナイル、フリージア 今日も美味しくご飯が食べれるよ。









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