オタクは本気で夢見てる

夢は

熱々のグラタンは買って温めるだけの物と比べ物にならない。温めるだけのは 確かに美味いが具が決まってるのか エビグラタンと銘打って売ってる割にはエビが入ってはいるが数匹。別にコチラはそれが、わかっていて それを買うのだから文句は無い。
俺が言いたいのは 手作りは具沢山。
チーズも端から端まで掛かってお焦げも付いてきて美味い！
お代わり自由 1度目はエビ 2度目はチキンが入ってきた！！

アリィールさんが女性ならアリアーナちゃん次にカトリーヌちゃん マリーアンちゃんの次位には好きになる。
でも、残念ながらどこからどう見ても カッコよすぎて女性なら誰も彼女の席に座りたくてあの手この手で狙ってる男性だ。

そんな男が デーブルを指でトントン叩きながら お小言をずっと言ってるけどね。
サクッと纏めると 夕飯はちゃんとしたものを用意してたのに なんで カップ麺とおにぎり？俺の料理に不満があるなら言ってくれ！だ、それを細かく契り こと細く説教をしてくる。しかもグウの音もでない。

なので、耳だけをアリィールさんに貸して 頭の中では別の事を思ってる状態だ。

「聞いてますか！」

「聞いてますよ」

「本当に聞いてます？」

「聞いてますよ」

「なぜ一通も返信してくれないのですか？」

「聞いてますよ」

「は？・・・俺の事好きですか？」

「聞いてますよ」

「へぇー いい根性してますね」

「聞いてますよ」

持ってたビールを奪われたかと思うと肩を押されて仰向け倒れた。
あっ！となったが後ろにはクッションがあったから背中や頭を打ち付けなくて済んだが、仰向けに倒れた俺の上に覆いかぶさってきたアリィールさん。

「まったく、俺の見えてない所で何してんのか 気になって気になってメールをすれば一通も返さない。帰ってきてみれば  電気は付いてるが、チャイムを鳴らしても電話を鳴らしても出てこない。中で倒れてるのかと心配してると貴方は呑気にコンビニで買い物。
俺の気持を振り回して楽しいですか？」

振り回してるつもりは無いけど、メールを返さなかったのは悪かったと思う。

「貴方は俺の事見てますか？俺は貴方に振られた日から貴方を見てますよ」

俺がアリィールさんを振った？俺はいつ アリィールさんを振った？アリィールさんが近いな。と思うが言われた事が理由が分からずに頭が付いていか無い。
更に近づいてきたアリィールさん。

ふにゅ っと 唇に何かが当たった次に ニュルっと何が入ってきた 時に気がついた！！

慌てて押し退けてもビクともしない。
ダメだ！！！俺の夢が！俺の魔法使いの夢が！！！
ガラガラと崩れ去った瞬間だった。