赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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やりたい事

閑話 アルベルトside

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態と此方をみながら 子作りを他でしろと言ってくるが 聞く価値もない。

それなりに遊んでも来たが 全て金で買ってきた相手だ。下手に素人に手を出して付きまとわれても後が大変だからとその辺も込で玄人のみに絞ってる。慎重に慎重を重ねて その辺は気をつけて遊んで来た。

でも 今は違う。己の命よりも大切な人を見つけた。誰にも譲れない相手 私の半身、私の証 番相手を、恋い焦がれて待ちに待った相手が居ながら他で 子を作ってこいなどとよく言えたよ あの婆さんは。

内心怒りに燃えてたら陛下がイオリに声を掛けた。

俺の前やって来たイオリは明らかに 怒ってる。俺が今 怒られる事は無いはずだが、知らず知らずの内にまたイオリを怒らせてしまったのか?

「俺のこと、散々 証持ちだの番だの言ってたくせに 他で子作りするの」

ああ、あの婆さんの言ったことを気にして聞きに来たのか。答えなど1つしかない。

「しない」

「浮気したらその辺の物を全部投げつけてやる」

なんて可愛いのだろう。そんな事は起きるはずもないが、今 イオリは私が誰かと浮気をしたらと想像してしまい、怒りに回りが見えなくなってしまったのだろう。なんという嬉しい誤算だ、大勢の重鎮がいる場で このまま告白をしてしまおう。

私の思いを届けたい。私の大事な人はイオリだけだと。生まれ変わったとしても 離れたくない。どこに居ても必ず見つけたいと だから俺の全ての思いを受け取って欲しい。この掌には今は何も無いけど 本当は婚約の証となるアクセサリーの1つでも乗せて告白する場面ではあるのに格好がつかずに 情けないけど 俺の手をとって欲しい。

浮気だなんて 疑う暇もないほど愛してあげる

捨てるとか ある訳が無い。飽きられて捨てられるのは俺かも知れない。

剣など握った事も無いだろスラリと長い指先が微かに揺れる。見た目通りの柔らかで繊細な手が俺の手と重なった時、全身が震えた。改めて思い知らされる、私の愛するべき相手はたった1人なのだと。
誓を込めてキスをすれば 静かに泣いてるイオリに心臓を鷲掴みされる思いだ。泣かないで欲しい。イオリには何時までも笑っていて欲しいと。
そして 公表の場では無いにしても、おおっぴらに宣伝出来たことに 心の隅で喜んでる俺もいる。

「あ~、イオリの気持ちは分かってもらえたかな?」

そしてら、此処に大勢の人がいた事で 助かったこともある。間違いを起こさずに済んだ。




思いもよらない イオリの告白のおかげで一気に進展を見せて大勢の前で証言して貰えたしありえない死体も発見されて、元馬鹿王子も怒りに任せてやらかしてくれて後処理が早まった。こちらとしては 副産物迄付いた形で腹ただしいが事件は終結に向かう。こんな時に他の事に気を回したくもないがイオリの事は別だ。俺が我慢できない。1日も早く結婚してしまいたい。

サッサと出ていって仕事をしろと、報告書の1枚でも多くて上げてこいとぞんざいに告げたが動かない。ユージの狙いはアイリーン嬢だろう。確かに素直な性格で明るくて活発である。ド天然で極たまに暴走気味だが、ユージの性格からして 相手は悪くない。
そもそも、イオリに悪影響はない相手だ。
約束もあることだ、この場で確約を取りたいのだろ。仕事初めに一筆書いてやると宣言すればサッサと出ていった。



そして、1番言いたかったことを聴けば 今もイオリは なにやら勘違いして 怒られると思ってしまっているが 大きな勘違いだ。あの告白があったこそ昼前に終わったのだ。

 イオリの了承を取ってからではないと進めるにも進めれないと思い執務室に連れてきた。イオリの証持ちを公にし、私との番関係の公にする了承が取れたら同時進行で進めるしかない。


のんびりしても居られない、イオリに頼んでも知らない事の方が多くて手間取るに決まってるとわかってるなら俺がする方がずっと早い。それ程に焦ってる、俺の理性がいつまで持つか 不安でしない。俺が焦る程に 俺の番は魅力的で可愛いのだ。

今も、アランと義父が居ると分かっていながら欲望に勝てなくなっている。
最重要事項として 早く何とかしなければ・・・
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