赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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やりたい事

今できること 6

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疲れてるならそのまま休めばいいのに一目でも逢いたいと 態々来てくれルア。
疲れてるアルに何かしてあげれる事は無いかと朝から悩んで桔梗に相談したけど・・・。

『逢いたいと来るんだ 特別に何かしなくてもイオリはアルベルトを癒してやれてる』

と、理由の分からない発言をして、テラスに来た鳥と戯れてる。
シルバーウルフを恐れずに頭の上に止まったりフサフサの毛並み顔を突っ込んだりして遊んでる鳥を眺めながら着替えを手に取った。

相談する相手を間違えたかも。

「おはようございますイオリ様」

「おはようございますルーシーさん」

「あらあら、桔梗様はリューナ鳥と仲が宜しいのですね」

リューナ鳥って言うんだ。大きさはニワトリを少しでかくした感じ、顔は白 嘴は黄色、首回りは赤く尾羽根が薄紫とグラデーションのかかった珍しい鳥だ。

「珍しい鳥で見れたら素敵な人としあわせな結婚ができるとか、独り者はいい人に巡り会えるとか言われ 皆さん婚約鳥とか婚期鳥などと言われてますよ」

「婚約鳥・・・」

「イオリ様は素敵な方がいらっしゃるから 桔梗様の婚期が近づいてるのかしら」

かぁー っと顔が赤くなった俺の所にリューナ鳥が飛んできた、その後を追ってきた桔梗の背に止まった。

「ピューーー」

「美味しいパンでよろしいですか?リューナ鳥さん」

「ピュー」

「「返事しましたね」」

俺とルーシーさんの声が重なり 2人で笑い合って朝食に向かった。

桔梗の頭に止まってるリューナ鳥を 皆初めて見たと朝から家の中は大騒ぎだ。
特にサラはリューナ鳥に必死に手を合わせてた。

「私も初めて見ました。桔梗さんのお陰ですね」

桔梗の隣で パンを細かくした物を突きながらた食べてる。

「リューナ鳥もローランさんのパンが美味しいのかな さっきからルーシーさんに何度も強請ってる」

ルーシーさんがリューナ鳥のご飯を準備したから この人に強請れば また貰えると学習したのか 皿の中がカラになればルーシーさんの足元まで行き「ピユピユ」と鳴く。

「夕飯に多めにパンを焼くか」

賑やかな朝食を食べて城に向かうが桔梗から離れようとしないリューナ鳥。

『懐かれてしまった。イオリ この鳥に名前を付けてやってくれ』

『俺にじゃなくて桔梗に懐いたんだろ?だったら桔梗が名前を付けてやれば良いだろ』

『いや、私にでは無くイオリにだ。勝手にイオリに近づくなら本気で噛み付くと言ってるから近づかないだけだ』

桔梗がリューナ鳥に噛み付いたら洒落にならん。

『ちょっと それは凶暴すぎ』

『コイツは別名 婚約者なんて言われてるがそんなにめでたい鳥では無いぞ』

「おはようございます、申し訳ございません。一応 身分証をお願いします」

ポケットから取りだして海中時計型の身分証を見せ 城の中に入っていった。
そして、俺の到着を待ってたウルさんは目を輝かせてる。

「おはようございます。イオリさん 桔梗さんそして お初に御目にかかります。ウルフム・ドドールと申します」

リューナ鳥に丁寧に挨拶をするウルさんに「ピュピュ」可愛らしく鳴くリューナ鳥。
「あいさつを返して下さった」と、感激してるのウルさん。俺は「そうですねぇ~」と、遠い目になった。

「イオリさん 是非リューナ鳥のお名前をおしえて頂けないでしょうか」

『名前を付けてやれ。コイツはイオリには危害は加えないと私に誓ったからな』

今?
ジーッとリューナ鳥を見つめるグラデーションが綺麗だけど顔が白い、白。

『百合とかどうかな?純粋とか威厳の意味が有るけど』

「ピュピュッ、ピュー」

『おおー 俺の名前百合でいいぜ。だ、そうだ』

『オス?だったの』

「エット、この子の名前 は百合です」

「おおー、百合さんですね。よろしくお願いします」

雄に可愛らしい名前をつけちゃった。

暗く沈んでた城で働いてる独身の者達が百合を一目でも見ようと城の中で働いてるものが浮き足立った。

何時も通りに地下室に行き椅子に座ると 紅茶を入れ 去っていくウルさんを確認して、桔梗と向き合った。

『うーん、俺さ百合と出会ってないんだけど、どこで出会ってる?』

『出会ってないな。コイツは遠くで見てて気になってたんだと。そして、イオリが緑魔法を使ったイオリを気に入って従魔になりたいと私に訴えて来た』

『そうなんだ。なんで緑の魔法が決めてになったんだ?』

『うむ・・・あそこまで派手に緑魔法を使える奴はいないから面白いと思った』

『従魔になってるのに 話せないの?』

『話せない方が普通だ、契約を結べば 話さなくてもなんとなく感じ合うものだ』

『俺と桔梗が話せてるのは?』

『サリーからの依頼でもあるからな、私が頼んだ』

『そうなんだ。俺は桔梗と話せてよかった。話せた方が楽しいしね』

『私もイオリと話せて良かったと思ってる』

桔梗と少し話して いつも通りの作業に戻った。お昼前にウルさんが来て 王様がお昼から話したい事が有るから来て欲しいと言われて了承した。

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