赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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焦り

友 13

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スケッチブックをマーサに返し とにかく 衣装は要らないと念押ししたけど、アルが必要だと感じたものは購入する宣言にぐったり項垂れるしかなかった。

今週から授業が始まって少しは楽しみにしてたのにがっかりしかない。



『驚いた、イオリは頭が良かったのだな』

桔梗は授業が終わると 毎度の嫌味かと言い返したくもなる言葉に黙ってる。


でもな!すっげぇ~関心してるけど・・・ハッキリ言って1+1は?なんて問題を懇切丁寧に1から教えてもらう必要はない。
もっと 難解問題 カモンと思ってれば がっくり。こんなに一つ一つ計算しなくても1つの式で解けると 俺が()を付けた問題の方程式を説明から掛け算割り算 終いには二乗方程式まで披露してしまった。そして、教師が去って行く時に貴方には教える事はございません。私の教師になって頂きたい。と、真面目に言われてしまった。
もちろん、断ったよ。誰かに何かを教えるなんて出来ないもん。俺 教師の資格ないし、そんな時間もない。

「一緒にいいかイオリ」

はい!来ると思ってましたよ。

「そのだな、どこで数学を学んできたのか分からないが、学会で発表出来るレベルの物だそうだ」

地理の時間で攻め入るならと 将棋を例えて説明したら戦略の頭脳があると持ち上げアルが登場。

元々 仲間内でヒップホップのサークルに入ってたから 一通りダンスも出来るので ゆったりとしたダンスではなくノリのいいダンスを披露して見せたら、アルが登場。

マナーでの言葉使いの時間では、長ったらしいウンチクを垂れるので、サクッとわかりやすく、普通 丁寧 敬語と大き区分けて3通りあると教えてやった。次いでに例題も出した、~をあげます。~を差し上げます。~を献上致しす。と幾つか説明してやってらアルが登場。

今回も登場するだろうと待ってたら登場しちゃったよ。

「あんな簡単な問題を懇切丁寧に聞きたくもない」

「掛け算と割り算は高学年で習う物なんだが」

「そうなの。知らなかった」

「教師が肩を落として帰って行った」

「そう、俺も肩を落としてるけど。せっかく授業を受けれると思ったら全然だもん。俺がショックだよ」

「申し訳ないが今回の数学の教師は断った」

ダンスと地理の講師はまた来るけど マナー語学と数学はつぎは来ない。

「イオリは祖父母に育てられたと教えてくれたが、どんな人物だった」

「やさしくて思いやりがあって 俺のすることは信じて任せてくれた。俺が悩んでると悩みをとことん聞いてくれるし、納得行くまで話をさせてくれる。最高のじいちゃんとばあちゃんだよ」

きっとアルはこんな事を聞きたいわけじゃない。直接にどこの人物で何者なのかと聞いてるのだろう。もう限界かな。

「死んだのは俺。目が覚めたら知らない所にいたし、桔梗は目が覚めた時は側に居てくれた。俺はこの星の人間ではない」

「関係ない。イオリは証を持つ私の番だ」

俺の手を握り真っ直ぐ見つめてくるアルの目は迷いが無かった。
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