赤い糸の先

丹葉 菟ニ

文字の大きさ
上 下
30 / 192
戸惑い

夕飯 2

しおりを挟む
背中を押されるままに 案内されてしまったが、座ってた人が立ち上がった事が分かった。

「初めまして イオリ、良くぞハシューム王国に来てくれた。ハシューム国 国王として歓迎する」

!!!国王って言った?言ったよね!?なんで国王が来てんだよ!!
下を向いてた顔を上げて 目の前の人を見てしまった。まだ 40前後の今からが働き盛りと言われる年代の精悍な男性がニッコリと優しい微笑みを称えて佇んでた。

「王様?」

「今日は非公式のお忍びで来られてる」

本物の王様?なんで王様が態々非公式で来てんだよ!ただの食事じゃねぇー!!

「なんで 王様が?」

「陛下は私の母の兄、つまり私の叔父様に当たるからな」

つまり・・・ここに集まってるのは非公式でも、考えたくも無いがご親戚 とか言い出しそうで嫌だ。すぐさまに逃げ出したい。

「皆様、お忙しい中 急遽お集まり頂きまして感謝致します。本日 長年探し求めてました私の番の証を持つ者を見つける事が出来ました。私の番だと確認しましたのは、ユージェット・ランダサムが確認致しております」

来てくれてる人にお礼を言い、自分の番だと宣言してしまった。

「背中 左側上にアルベルト・サー・マシューム殿と同じ証を私 ユージェット・ランダサムが確認致しました」

ユージが立ち上がり一礼をして確かに証を見たと宣言してしまった。

『証が有ると拡散されてしまった俺ってどうなるの』

『アルベルトの番だと認識してもらえたな。にしても、たった1日で 親族が集まるとは結束力も行動力も有る。素晴らしいな』

『素晴らしくない!認識して欲しくなかった!!こんな集まりなら来たくなかった』

座ってる人はコチラに注目し にこやかに 拍手してる。

「あの!・・・こんなに大勢の人が居るとは思わなくて すみません。でも、アルと同じ証があるなんて、きっと偶然に付いたものではと考えられませんか?」

周りがザワザワしたけど国王が声を上げて静めてしまった。

「自分の背中を直視で見ることは不可能なのは確かだ。イオリはいきなり 番の証持ちと言われて戸惑って居るのだな」

「その通りです」

「証がどの様な物か知っているか?」

・・・アレ?そういえば 証がどんなものか知らない。

「知りません」

「証がどんなものか知らないのか?」

「ええ、知りません」

あっ、でも 誰だったかな?帰って来てる途中で医療班のバァン?から聞いたかな。痣みたいなもんなのか?

「教えてやらないと分からないだろアルベルト、見せてやれば納得するだろ」

王様の言葉で上着とベストを脱ぎ 中のシャツ釦を外して左の痣を見せられた。

「コレが番の証。俺の証とイオリが持って居る証の模様が一緒なんだ」

某 缶コーヒーの炎のマークに見えるのは刺青では無く痣だった。
しっかりとした痣はどこからどう見ても 刺青だと思う。アレが証?

「生まれ持ってる物ものだ」

俺の背中に某缶コーヒーの炎のマークがあるのか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ロクイチ聖女 6分の1の確率で聖女になりました。

濃子
BL
異世界に召喚され、世界の災害魔蝕(ましょく)を浄化することになった聖女ルート(男)と、その護衛の王子アレクセイとの恋物語です。 基本はギャグファンタジーBLです。 ですが、ルートと一緒に異世界に転移したクラスメイト(双子の葛城姉弟、剣道部の東堂、不思議女子町子、クラス1の美人花蓮)達の、葛藤や成長の物語でもあります。 最初は勢いで、結婚することをオッケーをしてしまったルートですが、アレクセイの優しさにふれ、少しだったり突然だったり、二人の距離が縮まっていきます。 タイトルの後ろに♡があるときは、ラブな展開があります。☆があるときは、ちょっとエッチな展開があります。 ただいま、なろう小説から引っ越し中です。

転生したら、ラスボス様が俺の婚約者だった!!

ミクリ21
BL
前世で、プレイしたことのあるRPGによく似た世界に転生したジオルド。 ゲームだったとしたら、ジオルドは所謂モブである。 ジオルドの婚約者は、このゲームのラスボスのシルビアだ。 笑顔で迫るヤンデレラスボスに、いろんな意味でドキドキしているよ。 「ジオルド、浮気したら………相手を拷問してから殺しちゃうぞ☆」

4人の人類国王子は他種族に孕まされ花嫁となる

クズ惚れつ
BL
遥か未来、この世界には人類、獣類、爬虫類、鳥類、軟体類の5つの種族がいた。 人類は王族から国民までほとんどが、他種族に対し「低知能」だと差別思想を持っていた。 獣類、爬虫類、鳥類、軟体類のトップである4人の王は、人類の独占状態と差別的な態度に不満を抱いていた。そこで一つの恐ろしい計画を立てる。 人類の王子である4人の王の息子をそれぞれ誘拐し、王や王子、要人の花嫁として孕ませて、人類の血(中でも王族という優秀な血)を持った強い同族を増やし、ついでに跡取りを一気に失った人類も衰退させようという計画。 他種族の国に誘拐された王子たちは、孕まされ、花嫁とされてしまうのであった…。 ※淫語、♡喘ぎなどを含む過激エロです、R18には*つけます。 ※毎日18時投稿予定です ※一章ずつ書き終えてから投稿するので、間が空くかもです

俺の悪役チートは獣人殿下には通じない

空飛ぶひよこ
BL
【女神の愛の呪い】  この世界の根源となる物語の悪役を割り当てられたエドワードに、女神が与えた独自スキル。  鍛錬を怠らなければ人類最強になれる剣術・魔法の才、運命を改変するにあたって優位になりそうな前世の記憶を思い出すことができる能力が、生まれながらに備わっている。(ただし前世の記憶をどこまで思い出せるかは、女神の判断による)  しかし、どれほど強くなっても、どれだけ前世の記憶を駆使しても、アストルディア・セネバを倒すことはできない。  性別・種族を問わず孕ませられるが故に、獣人が人間から忌み嫌われている世界。  獣人国セネーバとの国境に位置する辺境伯領嫡男エドワードは、八歳のある日、自分が生きる世界が近親相姦好き暗黒腐女子の前世妹が書いたBL小説の世界だと思い出す。  このままでは自分は戦争に敗れて[回避したい未来その①]性奴隷化後に闇堕ち[回避したい未来その②]、実子の主人公(受け)に性的虐待を加えて暗殺者として育てた末[回避したい未来その③]、かつての友でもある獣人王アストルディア(攻)に殺される[回避したい未来その④]虐待悪役親父と化してしまう……!  悲惨な未来を回避しようと、なぜか備わっている【女神の愛の呪い】スキルを駆使して戦争回避のために奔走した結果、受けが生まれる前に原作攻め様の番になる話。 ※悪役転生 男性妊娠 獣人 幼少期からの領政チートが書きたくて始めた話 ※近親相姦は原作のみで本編には回避要素としてしか出てきません(ブラコンはいる) 

病弱な悪役令息兄様のバッドエンドは僕が全力で回避します!

松原硝子
BL
三枝貴人は総合病院で働くゲーム大好きの医者。 ある日貴人は乙女ゲームの制作会社で働いている同居中の妹から依頼されて開発中のBLゲーム『シークレット・ラバー』をプレイする。 ゲームは「レイ・ヴァイオレット」という公爵令息をさまざまなキャラクターが攻略するというもので、攻略対象が1人だけという斬新なゲームだった。 プレイヤーは複数のキャラクターから気に入った主人公を選んでプレイし、レイを攻略する。 一緒に渡された設定資料には、主人公のライバル役として登場し、最後には断罪されるレイの婚約者「アシュリー・クロフォード」についての裏設定も書かれていた。 ゲームでは主人公をいじめ倒すアシュリー。だが実は体が弱く、さらに顔と手足を除く体のあちこちに謎の湿疹ができており、常に体調が悪かった。 両親やごく親しい周囲の人間以外には病弱であることを隠していたため、レイの目にはいつも不機嫌でわがままな婚約者としてしか映っていなかったのだ。 設定資料を読んだ三枝は「アシュリーが可哀想すぎる!」とアシュリー推しになる。 「もしも俺がアシュリーの兄弟や親友だったらこんな結末にさせないのに!」 そんな中、通勤途中の事故で死んだ三枝は名前しか出てこないアシュリーの義弟、「ルイス・クロフォードに転生する。前世の記憶を取り戻したルイスは推しであり兄のアシュリーを幸せにする為、全力でバッドエンド回避計画を実行するのだが――!?

処理中です...