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381 刀

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使者を監視させてロズに戻り、セギラに刀を見てもらった。


セギラ»「この刀は縁では御座いませんな。」

ユーリ»「どっかに目印みたいなのあるの?」

セギラ»「焔を見て頂ければ解ると思うのですが、刀の反りが違うのです、焔と縁は特別に作られた刀ですので他の刀とは違うのですよ。」

ユーリ»「そっか、帝国にはこの刀しか無いって言ってたから、縁って刀はもう無いのかもね。」

セギラ»「残念ですが。」

ユーリ»「この刀は復元できる?」

セギラ»「これだけ状態が悪ければ復元は難しいかもです、刀が必要なので?」

ユーリ»「当時の狐さんが使ってた刀だと思うんで、出来れば復元して飾りたいなと思っただけだよ。」

セギラ»「この刀を預かっても宜しいですかな?」

ユーリ»「いいけど、復元?」

セギラ»「べイムに復元できるか聞いてみます。」

ユーリ»「じゃお願いします。」

セギラ»「国王様、少しお待ち頂けますか?」

ユーリ»「?はい。」


セギラは部屋の奥に入っていき、一振の刀を持って出て来た。


セギラ»「この刀は相刀を打った鍛冶師が最後に打った刀です、お納め下さい。」

ユーリ»「それ大切な刀じゃないの?」

セギラ»「はい、大切に手入れをして参りました、国王様に持っていていただきたいと思いまして。」

ユーリ»「そんな貴重な刀、受け取れないよ。」

セギラ»「国王様は我々狐種を大切にして下さいます、このサビた刀でさえ大切にしようとしておられます、我等の王として持っていて欲しいのです。」

ユーリ»「狐の王はアルザで私じゃないでしょ。」

セギラ»「確かに王女様はルナールで我ら狐種にとって特別な存在です、ですが現時点で王ではないのですよ。」

ユーリ»「どゆこと???」

セギラ»「曾祖父から聞いた話ですが、かつて狐の国があった頃、狐の王、帝と呼ばれる方はルナールでした、民を守り、導き、国を豊かにする、子供の頃から教え込まれる言葉ですな。しかし国を動かしていたのは帝ではなく宮殿で帝に仕える側近達。次第に国は荒れ、他国と内通する者も、そんな中、ギーバレフ帝国がセイワ国に攻めて来た時、セイワの貴族達は民を盾にして逃げる者、ギーバレフに寝返る者、戦争にもならなかったと言います。その刀は私の曾祖父が自分の中にある怨みや憎しみを込めて打った刀、曾祖父が言うには相刀の完成形であると。相刀とは主と共にある刀、本来 縁と焔は帝に贈られる品でしたが、帝のあり方に疑問を抱いた曾祖父は、1人の剣士に縁を持たせたと言っておりました。」

ユーリ»「じゃ縁はその剣士と共にって事かな?」

セギラ»「おそらくは。」

ユーリ»「じゃ、このサビた刀はなんで帝国にあったんだろ?」

セギラ»「おそらく最後まで向かってきた剣士の刀ではないでしょうか?」

ユーリ»「そか、剣豪の刀って感じで宝物庫か。」

セギラ»「憶測ですがね。」

ユーリ»「では、貴方達が私を王と思ってくれてるなら、この刀を受け取りましょう。」

セギラ»「みな貴女を王として見ておりますよ。」

ユーリ»「私は以前、1人を死なせてしまいました…守ると言ったのに…。」

セギラ»「守って下さってるじゃないですか、あの親子が生活に困らないようにして下さいました。」

ユーリ»「あのぐらいしか出来なかったのよ…。」

セギラ»「国王様、何も無い事が1番ですが、全てを未然に防ぐ事が出来ないのは理解しております、普通の国であればあの親子は父親を亡くしただけの家族です、ですが国王様はその先、あの親子が生きていけるようにして下さいました、事件の後まで残された家族や個人の事を考えてくれる国は他に無いと思っておりますよ。」

ユーリ»「ありがとう。」


セギラは こちらこそ。と言っていたが、自分の行いが相手にとって必ず良い結果になるとは限らない。










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