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取調中の男の顔色が悪いな。


ユーリ»「どうした?」

男»「知っている事を話す。」

ユーリ»「全部は話さないって事かな?」

男»「いや、ぜんぶ話す。」

ユーリ»「お前がぜんぶ話したのか判断できないのだが?」

男»「俺達も全ては知らない、だが知っている事は全て話す。」


男の話では、自分達はマイズトーレの兵士で、国に無断で軍を出して行方不明になった者達と、王と王女の捜索に来た事、ビルセイドの偵察に来たとの事、そして王は姿は見せないが城に居るのではないか?との噂が有り、一介の兵士では真相は解らないとの事。

生きて戻れば褒美を貰える話になっているが、望みの物では無く、ちょっと良い物だろうと言っている。

命をかけて任務にあたり、生還した者にショボい褒美で済ませようとする国の考え方にウンザリする。


ユーリ»「私の言葉と手紙を持って、ビルセイドには何も無いと証言するなら生きて返してやるが、どうだ?」

男»「わかった、言う通りにしよう。」

ユーリ»「そんな兵を捨て駒扱いする国に帰りたいのなら好きにしなよ。」

男»「それはどの国でも同じだ、この国だって兵士の事なんて気にも止めてないだろ。」

兵士»「我が国王陛下は兵士一人一人を大切にして下さるぞ?人間の国と一緒にしないでくれ。」

男»「そう思ってるのはお前達だけで国は何とも思ってないさ。」

ユーリ»「たしかにサウザンスはそうだろう、領主をそのまま使ってるからね、でもロズ王都とビルセイドは兵を大切にしてるよ、ビルセイドの領主は兵士上がりだし、ロズ王都だって平民の王だからね。」

男»「ロズグランデの王は邪神ではないのか?」

ユーリ»「邪神と噂されてるけど、普通の綺麗な人間の女性だよ?」


皆が、え?みたいな顔になった。
ぶっ飛ばすぞッ


男»「人間の女なのか?あんたも人間だし、ロズグランデ王の回りには人間が居るのか。」

ユーリ»「いや、私の回りに人間は居ないよ?」

男»「私の?」

ユーリ»「私がロズ国王だよ。」

男»「ッ!?」

ユーリ»「人間の王みたいにキラキラした服とか着ないから分からないよね。」

男»「本物か?」

ユーリ»「姑息な人間みたいに偽物を寄越したりしないよ。ここでの事は国に報告しないでね?言っても大した情報じゃないんだけど。1人で帰れる?」

男»「1人で帰れない事もないが、俺1人だけ帰ると怪しくないか?」

ユーリ»「人間にも勘ぐる者は居るんだね、当然か。5人だけ帰そうか、別で動いてた5人は行方不明って事で良いかな?」

男»「あまり行方不明者が続くと怪しくないか?」

ユーリ»「行方不明だから知らないわよ?」

男»「そうやって軍隊を隠してるのか?」

ユーリ»「そんなワケないでしょ、あんな大勢を捕まえたって邪魔なだけで損害しかないわよ。」

男»「なら何処へ行った?」

ユーリ»「王と王女?本物の王と王女か知らないけど連れて行ったわよ?軍を寄越した貴族ってのが捕まえて隠してるんじゃないの?国の許可なく進軍したんだったら、何か企んでんじゃない?」


適当にセリスティア達の事を隠し、捕まった事は秘密にしろと言い、マイズトーレは滅ぼすので楽しみに待っていろとの伝言と手紙を持たせ、5人1組だけ1日分の食料を持たせ解放した。







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