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しおりを挟む暫くしてラナが戻ってきた。
ラナ»「屋根裏の侵入者を捕らえました。」
ユーリ»「早すぎない?」
ラナ»「侵入者は1人、屋根裏の子供達の前に立っていたそうです。」
ユーリ»「子供達はどうなったの?」
ラナ»「3人とも寝ていたそうです。」
ユーリ»「そう、見逃してくれたのかな?」
ラナ»「殺す気は無かったようです。」
敵なら屋根裏に居る子供は暗部の卵と認識して殺しそうなもんだけど…?
ユーリ»「そのネコっぽいのがそうなの?」
ラナ»「トラなんですが…名前はリゼル、1人で来たそうです。」
ユーリ»「たった1人で標的を狙えると思ったの?」
ラナ»「主人の命令でしょう?リゼル。」
リゼル»「頭の悪い主だと死ぬの早いな。」
ユーリ»「知り合いなんだね。」
ラナ»「…はい。」
ユーリ»「王妃の暗部か。」
ラナ»「はい。」
リゼル»「皆は良い主に恵まれたみたいだね、私は焦って失敗したよ。」
ユーリ»「自分で選んだ主じゃないの?」
リゼル»「自分で選んださ、でも今の主の為に命を賭ける気にならないな、こんな場所に1人とか安すぎだろ。」
ユーリ»「屋根裏の子供を殺さなかったらしいけど、理由は?」
リゼル»「足に焼印があった、でも薄汚れた感じも無いし首輪も無かった、暗部に育ててるなら奴隷より少しはマシに生きられるんじゃないかと思った。」
ユーリ»「今の主に義理はあるの?」
リゼル»「いや、ただの捨て駒だよ。」
ユーリ»「さっき私を良い主と言ったね?」
リゼル»「皆がアンタを本気で守ろうとしてるのが見て解ったよ、そんなに大事に思える主に会えたんだなって。」
この子を帰すワケには行かない、命令だとしても私を狙って来た者を解放する事は出来ない。
皆の顔が暗いな、昔の仲間を敵として見なきゃいけない事に苦しんでるのかな?
ユーリ»「リゼル、今この場で選べ、ここで死ぬか、私のモノになるか。」
皆が驚きの顔だ、拒めば苦しまずに逝かせてやる。
リゼル»「…アンタを選んでもいいのか?」
ユーリ»「裏切れば皆に殺させるよ?」
リゼル»「皆には殺されないようにするよ、貴女に従います。」
ユーリ»「縄を解いてやって。」
暗部の皆が深々と頭を下げた。
皆が感謝するぐらいの仲ならリゼルを解放しても危険は無いだろう。
リゼルは片付いたが奴隷が残ってる。
多分、被害から見て5人で全員だろう、
ユーリ»「さて捨て駒奴隷達、誰が狐の父親を殺した?」
全員が1人を見た、コイツか。
ユーリ»「お前が1人で狐の親子を斬ったんじゃなんいだろ?」
また1人を全員が見た、2人でやったのか。
ユーリ»「後の者は止めなかったのか?」
ラナ»「答えろ。」
奴隷»「主人の命令だったんだ、好きなだけ殺してこいって。」
ユーリ»「命令されたから仕方なく?」
奴隷»「仕方ないだろ、やらなきゃ俺達が殺されるんだぞ。」
ユーリ»「どっちにしろ殺されるけどな。」
奴隷»「自由にしてくれるんじゃなかったのかよッ 」
ユーリ»「ちゃんと人の話は聞けよ?自由になりたければ。とは言ったが、自由にしてやるとは言ってないぞ。」
奴隷達の顔が真っ青だ。
だが許す気は無い。
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*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
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