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目の前の獣人は確かに服が血で汚れている、血液鑑定なんて無いから証拠としては薄くなるが、あまり関係ない気がする。

血を触ってみたが、乾いていたので手に付かなかった。

街に隠れていたらしいが、人間の指示で少数の奴隷だけで魔族領へ向かわせるのは、失敗した時に国が滅ぶと考えればリスクが高すぎて実行できないだろう。こんなザル計画に意味は有るのかと考えると指示したのが人間では無い気がする。

やはりサウザンスの奴隷なんだろう。


ユーリ»「やってくれたなサウザンスの奴隷共。残りは囮で走らせたのか?」


奴隷達がビックリした顔してる、アタリか。


ユーリ»「雇い主は奴隷の主人か?お前達は犯罪奴隷なんだな、自由になりたければ正直に話せ。」

奴隷»「話したら自由にしてくれるのか?」

ユーリ»「命令した者を連れて来れるか?」

奴隷»「それはムリだ。」

ユーリ»「なぜムリなんだ?お前達に従属の措置はしてないだろ?」

奴隷»「俺達に命令した時に主人と一緒に領主の息子が居た、多分そいつだ、俺達に領主の息子は連れて来れねぇ。」


領主の息子?何が目的なのか解らない。


ラナ»「ユーリ様、2名を捕獲したと連絡がありました。」

ユーリ»「おぉ、鳥ッ!!  役に立ってるじゃないのよッ 」

ラナ»「これは良い連絡方法ですね。」

ユーリ»「夜でも飛べるんだね?」

リーゼ»「魔物の類ですので。」

ユーリ»「あ、そなの?私も夜でも動ける魔法とかないかな?暗視系だな。難しそうだからヤメ。」

ラナ»「諦め早くないですか?」

ユーリ»「それより領主の息子だな、目的が何か解らないのよ。」

ラナ»「他に知ってる事は?」

奴隷»「ここの王を殺せば自分が王になれると言っていた。」

ユーリ»「そういう簡単な事か?」

リーゼ»「殺す。」

ユーリ»「ラナ、領主の息子を捕まえて来れる?」

ラナ»「生きて連れて来るのは難しいかと。」

ユーリ»「そうか、なら行くか。」

ラナ»「えッ!?  乗り込むのですかッ!? 」

ユーリ»「そりゃ行くでしょ、許すワケないじゃない。」

ラナ»「ユーリ様が行かなくても始末する事は出来ます。」

ユーリ»「それで私の怒りが治まるとでも?」

ラナ»「しかし。」

ユーリ»「まずは暗部を集めて城の中を捜査させて。」

ラナ»「城の中ですか?」

ユーリ»「私を狙うなら、この騒ぎを利用するはずだ。」

ラナ»「直ちに捜索させます。」


奴隷が陽動だとしたら城の中へ既に潜入してるはず。


セリス»「私も探しに行ってきます。」

ユーリ»「危険だよ?居たとしたら相手は多分、暗殺者だろうから。」

ハンナ»「主を守ると誓いましたので。」

ユーリ»「自分も守れ。私だけ無事でも嬉しくない。」

ハンナ»「承知しました。行って参ります。」


暗部を出したは良いが、みんな無事で戻ってほしいと願う。








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