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しおりを挟む窓から庭を見ると、ガイツさんが見えた、だがリーゼの移動した距離より近い気がしたので念話は飛ばさなかった。ものの試しに宰相ジュニアに飛ばしたが反応は無かった。
ﾕｰﾘ»「ちょっと庭に出ていい？」
ｼﾙﾌ»「なにかありましたか？」
ﾕｰﾘ»「空を飛んでみたくて。」
ｼﾙﾌ»「………。」
シルフが残念な子を見るような目で私を見る。
ﾕｰﾘ»「なによ？」
ｼﾙﾌ»「いえ、突然 空を飛んでみたくて。とか言われても、反応に困りますね。」
ﾕｰﾘ»「あ、スンマセン。」
ｼﾙﾌ»「いえ、いつもの突発性無計画病なので。」
ﾕｰﾘ»「クｯ その病名なんとかならないの？」
ｼﾙﾌ»「なんとか？ 例えば、イタイヤバイ病とかですか？」
ﾕｰﾘ»「あんたね、私をそんな風に見てたんだ？」
ｼﾙﾌ»「(すーん)」
ﾕｰﾘ»「だからラナの真似すんなｯ!!」
そんなこんなで庭。
ｼﾙﾌ»「飛ぶと申されましても、簡単に出来るとは思えませんが？」
ﾕｰﾘ»「だから練習するんじゃないの。」
ｼﾙﾌ»「危険なのでは？」
ﾕｰﾘ»「そりゃ落ちたら痛いよ。」
ｼﾙﾌ»「痛いで済まないかもです。」
シルフと話しながら宙に浮くイメージをしてみた。無重力は体験した事がないので、あくまでイメージでしかない。
ﾕｰﾘ»「お。お？ お! 」
ｼﾙﾌ»「大丈夫ですか？」
ﾕｰﾘ»「浮いた。」
ｼﾙﾌ»「浮いてる様に見えませんが…」
そのまま両足を曲げて膝を手で抱えた。
ｼﾙﾌ»「……浮いてます…。」
ﾕｰﾘ»「浮いただけで動けない…。」
ｼﾙﾌ»「………。」
ﾕｰﾘ»「あ、風で動くかな？」
ゆっくり風を起こして前へ進んでみる。
ﾕｰﾘ»「動いた、けど 慣れるまで時間かかりそうだなぁ。」
ｼﾙﾌ»「今は歩く方が早いですからね。」
ﾕｰﾘ»「ちまちま練習するか…。じゃ戻ろう。」
ｼﾙﾌ»「はい。」
とりあえず空中の移動は出来たので、満足して部屋に戻る。
ﾕｰﾘ»「あんま派手な魔法とか皆が迷惑するだろから使えないしなぁ。」
ｼﾙﾌ»「え、派手な魔法とは？」
ﾕｰﾘ»「広範囲の攻撃魔法とか？」
ｼﾙﾌ»「そんなのいつ使える様になったんですかｯ!?」
ﾕｰﾘ»「いや使った事はないよ、広範囲に雷やら炎を落とせば出来るんじゃないかな？みたいな感じ。」
ｼﾙﾌ»「それでどこを攻撃する気なんでしょう？」
ﾕｰﾘ»「そりゃ王都でしょうが、この地を守るって言ったでしょ、それはシルフ達も含まれてるんだよ？皆に何かされたらブッパなすｯ!!」
ｼﾙﾌ»「被害甚大そうなので、出来れば威嚇程度で抑えて欲しいですね。」
ﾕｰﾘ»「相手次第だね。」
ｼﾙﾌ»「国の滅亡はユーリ様にかかっているのですね。」
ﾕｰﾘ»「なんたって邪心と破壊で召喚されたからね。」
ｼﾙﾌ»「即座に実行しない方で良かったです。」
ﾕｰﾘ»「狙うのは悪い奴だけだよ、無差別に攻撃なんてしない。」
ｼﾙﾌ»「なら良かったです…。」
シルフの困った顔も可愛いのよね♪
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