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しおりを挟むゴーシュが苦笑いで私を見ている…
「え…私なにもしてないですよ?」
「あー、まず現状の説明からのが良いですかね。」
こら、ちょい待て、私が2人を倒したってのスルーかょッ!!
「ちょっと待って下さい、私が2人を倒したって、どうゆう事ですか?」
「先そっち行きます?」
先って何だょッ
「そうですね、先程の2人が倒れたのは、イリエ様が自身を守る為、おそらく無意識で使われたようでしたが、威嚇の魔法だと推測されます。」
威嚇の魔法?魔法?睨んだだけなのに魔法?それヤバくね?睨んだだけで相手が倒れるって…恐ッ!!
この世界って、魔法あるんだ…
「まず、現状の把握から行きしょうか。」
「…………お願いします……」
「では、我々がイリエ様を召喚させて頂いたのは、我が国を救って頂きたいとの願いで召喚魔術を行使させて頂きました。」
「国を救う…」
「はい、現在の我が国は、他種族の侵略者により領土を少しずつですが、確実に奪われている状況にあります、その侵略を阻止すべく召喚の儀式でイリエ様を我が国にお招きした次第です、そして、その召喚術式に刻んだ印は、邪心と破壊、我が国で最も邪悪な存在を召喚しようとの事で、イリエ様にお越し頂きました。」
「………。」
「そして、今後のご相談なのですが、我が国の防衛をお願いしたいのです、もちろん強制などではなく、」
「ちょい待てや。」
「ッ!!! ハィッッ」
「邪心と破壊って…私は人間ですが? 呼ぶ人を間違ったんじゃないんですか? 見た所この国は魔族っぽい感じするんですよ、角とかあるし、そもそも侵略者って私には何の能力もないのに何も出来ないじゃないですかッ(怒)」
「あああああああのッ!! どうか落ち着いて下さい、イリエ様にどのような能力が備わっておられるのか我々にも解りません、調べる方法も解りませんし…」
「鑑定魔法とか無いの?」
「鑑定魔法は存在しますが、使える者が我が国には居ないのです。」
「で?あんたら魔族なん?」
「はい、我々は人間種からは魔族と呼ばれる存在です、侵略してきている者達は人間種なのです。」
「………人間の私に人間と戦わせようとしてるわけ? この世界の魔族って、どんだけ弱いん?私の世界での魔族って、架空の存在だけど人間より強い、上位の魔族なら人間数人で魔族1人と戦えるぐらいだよ?」
「我々は人間種との争いは避けてきました、確かに上位の魔族なら人間数人は相手に出来なくもないでしょう、ですが上位魔族ほど人間種には近寄らないのです、今の魔族は魔法の使える者が少ないのです。」
え?魔族なのに魔法が使えないって、それ魔族として大丈夫なん?
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