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一章 田舎育ちの令嬢
37.新しい助手
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ディランが悶々と考えているうちに、あっという間に終業式を迎え、シクノチェス学院は夏期休暇に入った。今日からエミリーも、ディランとともにボードゥアンの洋館で助手として住み込みで働くことになる。
エミリーも実家に帰るのは難しいと考えていたようで、シャーロットから王都にある屋敷に誘われて行こうか迷っていたようだ。寮に一人で残るのは怖いが、シンビジウム公爵家でお世話になるのも申し訳ない。そこにディランが助手の話を持っていったので、エミリーは喜んで引き受けてくれた。シャーロットにはエミリーを横取りしたと睨まれたが、エミリーが公爵家へ遊びに行くということで許してもらった。
「じゃあ、まずはこの草の加工を手伝ってもらうね」
「はい、よろしくお願いします!」
魅了の魔法に関するあれこれは、生活に慣れてからにしようとボードゥアンと決めている。今日はエミリーの部屋を暮らしやすいように整えたら、のんびり洋館の散策でもしてもらおうと思っていた。しかし、エミリーが張り切った様子で部屋から出てきたので、台所に移動しディランの仕事を手伝ってもらう。
「魔吸草っていうんだけど、長期保存のために乾燥させたいんだ。草から出る液体に触れると、魔力が取られるから念の為、手袋をつけといてね」
ディランは厚手の手袋を手渡しながら説明する。エミリーは恐る恐るといった感じで魔吸草を遠巻きに眺めていた。
「怖いなら止めておく? 今日は部屋でゆっくりしてても大丈夫だよ」
「いえ、頑張ります!」
エミリーは顔を強張らせていたが、ディランが見ていることに気がついて笑顔を作る。ディランも最初は魔法薬の原料を扱うのが怖かったが、注意点を守っていれば危険はない。
「じゃあ、先に僕がやってみせるね」
ディランは魔法で洗浄した包丁とまな板を用意して、魔吸草の根を切り離す。使うのは草の部分だけだ。3株くらいをまとめて麻紐で根本を縛って、日陰にピンッと張っておいて麻紐に引っ掛けた。
「こんな感じ。できそう? こんなこと、伯爵家のご令嬢にやらせることじゃないよね」
エミリーが難しい顔をしているので、ディランが恐る恐る聞く。ディランは気にしないが、貴族出身で魔道士団に入った者の中には、こういった作業を嫌がる者もいる。
「あの、ディラン殿下? 干し方に意味があったりするのですか?」
「特にないよ。師匠にはいつも、適当に縛って吊るしておいてって言われるんだ。ほとんど、僕の自己流。」
「では、ちょっとお借りしても?」
「え、うん。」
エミリーはどの部分を切り離すのかだけ再度確認すると、魔吸草の根を慣れた手付きで切り離していく。10束分くらいになったところで、器用に麻紐を操って、等間隔に魔吸草の束がついた紐を作り出した。それをディランが張っておいた麻紐にたれ下げるように引っ掛ける。
「なにそれ、早いね……」
「田舎は冬のために保存食を作るので……これで問題ないでしょうか?」
「うん、エミリーすごいな。僕のやり方より効率的みたい。教えてもらってもいい?」
「はい、もちろんです」
エミリーはディランに分かるように今度はゆっくりと見せてくれた。エミリーの住んでいた伯爵領では、干すものの大きさや形によって干し方を変えているらしい。
カランセ伯爵家では当たり前に領民の手伝いをする。身体が弱く畑仕事のできなかったエミリーは、座って自分のペースでできるので、乾物作りをよく手伝っていたようだ。
「令嬢らしくないですよね」
「僕にとっては頼もしい知識だよ。僕だって王子らしくはないでしょ?」
ディランが包丁と魔吸草を持った手を上げてみせると、エミリーは安心したように笑った。その後は雑談を交えながら、魔吸草を干していく。
しばらく2人で作業に没頭していると、研究部屋に籠もっていたボードゥアンがやってきた。
「さすがは、カランセ伯爵家のご令嬢だね」
「あ、師匠。お疲れさまです」
ボードゥアンはエミリーの手元を面白そうに見ている。
「エミリー・カランセと申します。今日からお世話になります」
「うん、よろしくね」
エミリーが慌てて立ち上がって令嬢らしく挨拶する。ボードゥアンはそれに笑顔で応じていた。ディランはボードゥアンとエミリーの相性を心配していたが、見る限り問題なさそうだ。
「師匠、さっきの『さすがは』ってなんですか?」
「カランセ伯爵家は、農業に精通していることで有名でしょ。いろんな論文も出しているし、昔から魔道士団でも参考にさせてもらってるんだよ」
「そうなんですね」
薬草や魔法薬の原料の栽培に伯爵家の知識が使われているらしい。エミリーも知らなかったようで、驚きながらも嬉しそうだ。
「もしかして、料理とかも得意?」
「いえ、殿下やお師匠様に食べていただくようなものは作れません」
ボードゥアンの目がキラキラと輝いている。エミリーはその視線を受けながら恥ずかしそうに言った。
「なんか期待できそう。ディランと協力して作ってくれると嬉しいな。冷蔵庫にあるものは自由に使っていいよ。他に欲しいものがあれば、ディランに言ってね」
「あ、えっ!」
エミリーが戸惑っている間に、ボードゥアンは冷蔵庫から飲み物を取り出して、研究部屋へと戻っていった。
「ディラン殿下……」
「大丈夫。僕が作るよ。心配しないで」
エミリーは助けを求めるようにディランを見上げている。ディランは可愛らしい表情を見せられたせいで赤くなりながら言った。
「そ、そんな! 殿下に作らせるなんてできません!」
「じゃあ、一緒に作ろっか。今日はハンバーグとサラダとスーブの予定なんだ」
「はい、お手伝いします」
エミリーと一緒なら、夕食作りも楽しくなりそうだ。
エミリーも実家に帰るのは難しいと考えていたようで、シャーロットから王都にある屋敷に誘われて行こうか迷っていたようだ。寮に一人で残るのは怖いが、シンビジウム公爵家でお世話になるのも申し訳ない。そこにディランが助手の話を持っていったので、エミリーは喜んで引き受けてくれた。シャーロットにはエミリーを横取りしたと睨まれたが、エミリーが公爵家へ遊びに行くということで許してもらった。
「じゃあ、まずはこの草の加工を手伝ってもらうね」
「はい、よろしくお願いします!」
魅了の魔法に関するあれこれは、生活に慣れてからにしようとボードゥアンと決めている。今日はエミリーの部屋を暮らしやすいように整えたら、のんびり洋館の散策でもしてもらおうと思っていた。しかし、エミリーが張り切った様子で部屋から出てきたので、台所に移動しディランの仕事を手伝ってもらう。
「魔吸草っていうんだけど、長期保存のために乾燥させたいんだ。草から出る液体に触れると、魔力が取られるから念の為、手袋をつけといてね」
ディランは厚手の手袋を手渡しながら説明する。エミリーは恐る恐るといった感じで魔吸草を遠巻きに眺めていた。
「怖いなら止めておく? 今日は部屋でゆっくりしてても大丈夫だよ」
「いえ、頑張ります!」
エミリーは顔を強張らせていたが、ディランが見ていることに気がついて笑顔を作る。ディランも最初は魔法薬の原料を扱うのが怖かったが、注意点を守っていれば危険はない。
「じゃあ、先に僕がやってみせるね」
ディランは魔法で洗浄した包丁とまな板を用意して、魔吸草の根を切り離す。使うのは草の部分だけだ。3株くらいをまとめて麻紐で根本を縛って、日陰にピンッと張っておいて麻紐に引っ掛けた。
「こんな感じ。できそう? こんなこと、伯爵家のご令嬢にやらせることじゃないよね」
エミリーが難しい顔をしているので、ディランが恐る恐る聞く。ディランは気にしないが、貴族出身で魔道士団に入った者の中には、こういった作業を嫌がる者もいる。
「あの、ディラン殿下? 干し方に意味があったりするのですか?」
「特にないよ。師匠にはいつも、適当に縛って吊るしておいてって言われるんだ。ほとんど、僕の自己流。」
「では、ちょっとお借りしても?」
「え、うん。」
エミリーはどの部分を切り離すのかだけ再度確認すると、魔吸草の根を慣れた手付きで切り離していく。10束分くらいになったところで、器用に麻紐を操って、等間隔に魔吸草の束がついた紐を作り出した。それをディランが張っておいた麻紐にたれ下げるように引っ掛ける。
「なにそれ、早いね……」
「田舎は冬のために保存食を作るので……これで問題ないでしょうか?」
「うん、エミリーすごいな。僕のやり方より効率的みたい。教えてもらってもいい?」
「はい、もちろんです」
エミリーはディランに分かるように今度はゆっくりと見せてくれた。エミリーの住んでいた伯爵領では、干すものの大きさや形によって干し方を変えているらしい。
カランセ伯爵家では当たり前に領民の手伝いをする。身体が弱く畑仕事のできなかったエミリーは、座って自分のペースでできるので、乾物作りをよく手伝っていたようだ。
「令嬢らしくないですよね」
「僕にとっては頼もしい知識だよ。僕だって王子らしくはないでしょ?」
ディランが包丁と魔吸草を持った手を上げてみせると、エミリーは安心したように笑った。その後は雑談を交えながら、魔吸草を干していく。
しばらく2人で作業に没頭していると、研究部屋に籠もっていたボードゥアンがやってきた。
「さすがは、カランセ伯爵家のご令嬢だね」
「あ、師匠。お疲れさまです」
ボードゥアンはエミリーの手元を面白そうに見ている。
「エミリー・カランセと申します。今日からお世話になります」
「うん、よろしくね」
エミリーが慌てて立ち上がって令嬢らしく挨拶する。ボードゥアンはそれに笑顔で応じていた。ディランはボードゥアンとエミリーの相性を心配していたが、見る限り問題なさそうだ。
「師匠、さっきの『さすがは』ってなんですか?」
「カランセ伯爵家は、農業に精通していることで有名でしょ。いろんな論文も出しているし、昔から魔道士団でも参考にさせてもらってるんだよ」
「そうなんですね」
薬草や魔法薬の原料の栽培に伯爵家の知識が使われているらしい。エミリーも知らなかったようで、驚きながらも嬉しそうだ。
「もしかして、料理とかも得意?」
「いえ、殿下やお師匠様に食べていただくようなものは作れません」
ボードゥアンの目がキラキラと輝いている。エミリーはその視線を受けながら恥ずかしそうに言った。
「なんか期待できそう。ディランと協力して作ってくれると嬉しいな。冷蔵庫にあるものは自由に使っていいよ。他に欲しいものがあれば、ディランに言ってね」
「あ、えっ!」
エミリーが戸惑っている間に、ボードゥアンは冷蔵庫から飲み物を取り出して、研究部屋へと戻っていった。
「ディラン殿下……」
「大丈夫。僕が作るよ。心配しないで」
エミリーは助けを求めるようにディランを見上げている。ディランは可愛らしい表情を見せられたせいで赤くなりながら言った。
「そ、そんな! 殿下に作らせるなんてできません!」
「じゃあ、一緒に作ろっか。今日はハンバーグとサラダとスーブの予定なんだ」
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