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師「霊視鑑定人X氏」の禁話
邪の道 終
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これは、一ヶ月後の事だった。
X氏の元に、再び依頼者の夫から連絡が入った。
前回の嬉しい報告とは逆に、受話器越しの夫は慌てた様子だった。
「先生(X氏)!急に申し訳ありません。で、ですが・・・今回の一件
全て繋がってしまいまして!ご意見をお聞かせ願いたく・・・。」
当時から数えて二年前。
夫は会社の取引先と忘年会を行っていた。
その時、何気なく撮られた写真の中に・・・「居た」のだ。
今回の一件の元凶と目された「近所の住民」が・・・。
この一か月間で、夫が独自に調べた結果。
確かに、取引先となっていた会社に「当時、在籍があった」そうだ。
そう。
夫は、引っ越しをする以前から「近所の住民」と「一方的な面識」があったようなのだ。
夫自身は「その住民」を知らなかった。
だが、取引相手の社員として・・・確かに接点があったのだ。
しかしだ・・・。
その取引は「おジャン」になった。
相手方の会社で、度重なるトラブルが起き
弁解の余地なく、取引は打ち切られた。
此処まで言えば、察しの良い皆さんならお分かりだろう。
当時、その損失の責任を追及され「クビ」になった者がいる。
それが「件の住民」だ。
余程、恨みが強かったのか
「件の住民」は探偵を雇い、依頼者家族の動向を定期的に探っていたそうだ。
そして、近い内に引っ越しの予定があると知り・・・
先んじて、候補地の引っ越し先へ居を移した。
・・・最初から、仕組まれていたのだ。
依頼者宅へ押し付けた物品の数々は、来るべき日に備え
ネットで取り寄せていた「呪物関連のグッズ」であった。
後に語るが「件の住民」は警察に捕まったそうだ。
そして、上記の話はその時、観念した本人の口から聞かされたという。
なぜ、X氏に連絡が来たのか。
それは、再び妻の容態が悪くなったから。だそうだ。
X氏は直ぐに依頼者宅へ飛び、お祓いに取り掛かった。
その後、数日を掛け「回復」に至ったそうだが・・・。
その時には既に、「件の住民」は捕まっていたそうだ。
ではなぜ、警察に捕まったのか・・・。
簡単だ。
「件の住民」は依頼者宅へ何食わぬ顔でお茶をしに上がる仲だった。
その際、数多くの盗聴器をしかけていたらしい。
間抜けな事に、その盗聴器と自宅に残された当人との指紋が「一致」した。
だからこそ
「娘の外出時」も「偶然」を装い近付いてきたのだ。
その娘にも「盗聴器付きストラップ」を持たせる為に・・・。
生憎、そちらは娘の判断が功を奏し失敗に終わったが・・・。
見る見るうちに、弱っていく依頼者の妻と
それをただ見守るしかなかった夫・娘の不幸を
その住民は、どこかで密かに聞きながら・・・ほくそ笑んでいたのだと思うと
これは「恐怖」でしかない・・・。
それだけに飽き足らず「娘」にまで手を出そうとしていた痕跡すらある。
依頼者一家が全ての真実に辿り着いた時の「ショック」は計り知れない・・・。
しかし・・・
「人を呪わば穴二つ。」だ。
X氏の元に、再び依頼者の夫から連絡が入った。
前回の嬉しい報告とは逆に、受話器越しの夫は慌てた様子だった。
「先生(X氏)!急に申し訳ありません。で、ですが・・・今回の一件
全て繋がってしまいまして!ご意見をお聞かせ願いたく・・・。」
当時から数えて二年前。
夫は会社の取引先と忘年会を行っていた。
その時、何気なく撮られた写真の中に・・・「居た」のだ。
今回の一件の元凶と目された「近所の住民」が・・・。
この一か月間で、夫が独自に調べた結果。
確かに、取引先となっていた会社に「当時、在籍があった」そうだ。
そう。
夫は、引っ越しをする以前から「近所の住民」と「一方的な面識」があったようなのだ。
夫自身は「その住民」を知らなかった。
だが、取引相手の社員として・・・確かに接点があったのだ。
しかしだ・・・。
その取引は「おジャン」になった。
相手方の会社で、度重なるトラブルが起き
弁解の余地なく、取引は打ち切られた。
此処まで言えば、察しの良い皆さんならお分かりだろう。
当時、その損失の責任を追及され「クビ」になった者がいる。
それが「件の住民」だ。
余程、恨みが強かったのか
「件の住民」は探偵を雇い、依頼者家族の動向を定期的に探っていたそうだ。
そして、近い内に引っ越しの予定があると知り・・・
先んじて、候補地の引っ越し先へ居を移した。
・・・最初から、仕組まれていたのだ。
依頼者宅へ押し付けた物品の数々は、来るべき日に備え
ネットで取り寄せていた「呪物関連のグッズ」であった。
後に語るが「件の住民」は警察に捕まったそうだ。
そして、上記の話はその時、観念した本人の口から聞かされたという。
なぜ、X氏に連絡が来たのか。
それは、再び妻の容態が悪くなったから。だそうだ。
X氏は直ぐに依頼者宅へ飛び、お祓いに取り掛かった。
その後、数日を掛け「回復」に至ったそうだが・・・。
その時には既に、「件の住民」は捕まっていたそうだ。
ではなぜ、警察に捕まったのか・・・。
簡単だ。
「件の住民」は依頼者宅へ何食わぬ顔でお茶をしに上がる仲だった。
その際、数多くの盗聴器をしかけていたらしい。
間抜けな事に、その盗聴器と自宅に残された当人との指紋が「一致」した。
だからこそ
「娘の外出時」も「偶然」を装い近付いてきたのだ。
その娘にも「盗聴器付きストラップ」を持たせる為に・・・。
生憎、そちらは娘の判断が功を奏し失敗に終わったが・・・。
見る見るうちに、弱っていく依頼者の妻と
それをただ見守るしかなかった夫・娘の不幸を
その住民は、どこかで密かに聞きながら・・・ほくそ笑んでいたのだと思うと
これは「恐怖」でしかない・・・。
それだけに飽き足らず「娘」にまで手を出そうとしていた痕跡すらある。
依頼者一家が全ての真実に辿り着いた時の「ショック」は計り知れない・・・。
しかし・・・
「人を呪わば穴二つ。」だ。
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