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オカルト好きの友人「沢木(仮名)」の話
「相棒が消えた」 5
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事態が一変したのは、それから三日後だ。
千葉で目撃された「謎の男」が埼玉で目撃され始めた。
これを好機と捉えた我々は、虱潰しに捜索したのだ。
結果「謎の男」を見つけるのは、そう時間はかからなかった。
・・・しかし「謎の男」=「津田」ではなかったのだ。
正確には、「埼玉の謎の男」は「単なる下着ドロ」であったようなのだ。
騒ぎを聞きつけ、駆けつけた時には既に警察による捕り物に変わっていた。
・・・我々は落胆した。
友人一人も探せない、友人の疑惑すら晴らせない。
そんな無力感に。
その日以降、沢木とは連絡も途絶えた・・・。
次に事が動いたのは、5か月が経ったある日だった。
なんと、津田が戻って来たのだ。
最初に連絡を受けたのは沢木だったそうだ。
我々は嬉しさのあまり、直ぐにでも会おう。と3人で約束を取り付けた。
だが・・・。
当日、現れた津田は「廃人」だった。
一見、何ともなっていないごく普通の見た目だが・・・
3人で会話をしていても、どこか歪なのだ。
表情一つ変わらない、議論の熱も感じない。
まるで「重度の鬱」にでもなったような・・・。
ただただ、そこに居るだけの人間。それが、津田だった。
オカルトに「飽きた」訳ではない、されど「議論」する程の価値を見出せない。
彼の瞳は、まるで深淵だった・・・。
その奥には、何もない。ただの空っぽな中身。
抜け殻のような相槌だけ・・・。
・・・それが、妙に恐ろしかったのを今でも覚えている。
解散後、沢木と話し合った結果
行き着いた結論が「アレは津田じゃない。」という事だ。
「津田の顔を持った別の誰かだ。」
我々は、その後
時間の許す限り、津田の跡を尾行した。
真っ直ぐ家に帰るのかと思いきや、ふらふらと「都内」を彷徨い歩いていた。
時折、止まってはスマホを確認し再び歩き出す。
そんな事を何度も、何度も・・・。
そして・・・。
津田はある場所を最後に姿を消した・・・。
メールやLINEはちゃんと帰って来る。
だが「何処にいるのか」訪ねても、その返答だけは「帰って来ない」
実際、我々は何処にいたのか知っていたが・・・あえて聞いたのだ。
それが「どこなのか」は後ほど話すが・・・。
その場所を見た時
「もう手遅れかもしれない。」とまで思っていた。
そして、ある種
全ての辻褄が合ってしまった様な・・・そんな気さえした。
「沢吉、こりゃ俺達だけじゃどうにもならないかも知れないぞ。
下手すりゃ、もう・・・。」
「どういう事?」
私は、私の中で抱いた疑念を全て沢木に打ち明けた。
私の意見を聞いた沢木は「信じられない」が半分「でも辻褄が合うよね」が半分だった。
我々は、直ぐ私の師である「X氏」に連絡を取る事にした・・・。
千葉で目撃された「謎の男」が埼玉で目撃され始めた。
これを好機と捉えた我々は、虱潰しに捜索したのだ。
結果「謎の男」を見つけるのは、そう時間はかからなかった。
・・・しかし「謎の男」=「津田」ではなかったのだ。
正確には、「埼玉の謎の男」は「単なる下着ドロ」であったようなのだ。
騒ぎを聞きつけ、駆けつけた時には既に警察による捕り物に変わっていた。
・・・我々は落胆した。
友人一人も探せない、友人の疑惑すら晴らせない。
そんな無力感に。
その日以降、沢木とは連絡も途絶えた・・・。
次に事が動いたのは、5か月が経ったある日だった。
なんと、津田が戻って来たのだ。
最初に連絡を受けたのは沢木だったそうだ。
我々は嬉しさのあまり、直ぐにでも会おう。と3人で約束を取り付けた。
だが・・・。
当日、現れた津田は「廃人」だった。
一見、何ともなっていないごく普通の見た目だが・・・
3人で会話をしていても、どこか歪なのだ。
表情一つ変わらない、議論の熱も感じない。
まるで「重度の鬱」にでもなったような・・・。
ただただ、そこに居るだけの人間。それが、津田だった。
オカルトに「飽きた」訳ではない、されど「議論」する程の価値を見出せない。
彼の瞳は、まるで深淵だった・・・。
その奥には、何もない。ただの空っぽな中身。
抜け殻のような相槌だけ・・・。
・・・それが、妙に恐ろしかったのを今でも覚えている。
解散後、沢木と話し合った結果
行き着いた結論が「アレは津田じゃない。」という事だ。
「津田の顔を持った別の誰かだ。」
我々は、その後
時間の許す限り、津田の跡を尾行した。
真っ直ぐ家に帰るのかと思いきや、ふらふらと「都内」を彷徨い歩いていた。
時折、止まってはスマホを確認し再び歩き出す。
そんな事を何度も、何度も・・・。
そして・・・。
津田はある場所を最後に姿を消した・・・。
メールやLINEはちゃんと帰って来る。
だが「何処にいるのか」訪ねても、その返答だけは「帰って来ない」
実際、我々は何処にいたのか知っていたが・・・あえて聞いたのだ。
それが「どこなのか」は後ほど話すが・・・。
その場所を見た時
「もう手遅れかもしれない。」とまで思っていた。
そして、ある種
全ての辻褄が合ってしまった様な・・・そんな気さえした。
「沢吉、こりゃ俺達だけじゃどうにもならないかも知れないぞ。
下手すりゃ、もう・・・。」
「どういう事?」
私は、私の中で抱いた疑念を全て沢木に打ち明けた。
私の意見を聞いた沢木は「信じられない」が半分「でも辻褄が合うよね」が半分だった。
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