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オカルト好きの友人「沢木(仮名)」の話
「相棒が消えた」 4
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沢木がコンタクトを取った人物は「女性」だった。
名乗りたくないとの申し出から、以下「チャッピーさん」と呼ぶ。
チャッピーさんは、仕事が終わり家路を急いでいた。
件の住宅街に差し掛かったのは、夜中1時を回った頃だったという。
とあるマンションの前で、若い男がマンションを見上げていたという。
その男こそ「津田と思われる人物」だ。
その時点から男は、肩を震わせながら笑って居たという。
深夜にそんな一部始終を見てしまったのだ。女性からすればトラウマ物だろう。
しかし、男の奇行はこれだけではなかった。
マンションを目の前に、準備運動を始めたのだそうだ。
「いっち、にー、さんしー。ごーろく、しっちはち。」
わざとか偶々か・・・男の声は大きく、少し離れた場所を歩く彼女の耳にも届いていたそうだ。
チャッピーさんは、歩調を速め「さっさと通り過ぎてしまおう」と決断した。
男の横を通り過ぎる時も、男は声のトーンを落とす事無く準備運動の掛け声を出していた。
「振り返ってはダメ」そう言い聞かせ、足早に・・・。
少し離れてほっとした彼女は、普段の歩調に戻しスマホを確認して落ち着こうと考えた。
その直後だ。
「よっし!これで良いだろ。さぁて、登るぞぉぉ~、うははははは。」
先ほどよりも大きな声で、そして不気味に笑い
エントランス内へ、姿を消したという。
それ以降、彼女はそのマンション前が恐ろしくなり
通らないようにしているという。
彼女は最初、その人物は只の酔っ払いなのだと思ったそうだ。
しかし、翌日職場にて「その男」と酷似している男を見た。と数名の人物が噂していたらしい。
しかも、全てバラバラの時間と場所でだ。
その後、彼女はとある掲示板にて
「あの男」と思われる「不審者情報」を目撃する事となる。
チャッピーさんの協力の下、その掲示板を検索。
情報の発信者へ、面会を依頼した。
今度は「男」だ。
「男」の名は「板倉(仮名)」。
面会こそ叶わなかったが、メールでのやり取りには応じてくれた。
彼は
「千葉のマンション男」に声を掛けた。と掲示板に書き込みをしていた。
すると、案の定だ。
「マンション男」は嬉々としながら
「これから異世界エレベーターの検証をするんだよ!」と鼻息荒く語ったのだという。
彼は当時「異世界エレベーター」の話を知らず
「マンション男」を「ただのヤク中」だと思ったそうだ。
その場では話を聞き流し、別れを告げ去った後
警察へ通報したそうだ。
警官が現場へ到着するまでの間、彼はマンションを見張っていた。
・・・だが、警察の調べでは「変質者」は愚かネズミ一匹、見つからなかったという。
この時、我々は
津田が「異世界」へ行けたのではないか?とも思ったが
実際は、その後の時間帯でも何人かの目撃証言が取れてしまったのだ・・・。
名乗りたくないとの申し出から、以下「チャッピーさん」と呼ぶ。
チャッピーさんは、仕事が終わり家路を急いでいた。
件の住宅街に差し掛かったのは、夜中1時を回った頃だったという。
とあるマンションの前で、若い男がマンションを見上げていたという。
その男こそ「津田と思われる人物」だ。
その時点から男は、肩を震わせながら笑って居たという。
深夜にそんな一部始終を見てしまったのだ。女性からすればトラウマ物だろう。
しかし、男の奇行はこれだけではなかった。
マンションを目の前に、準備運動を始めたのだそうだ。
「いっち、にー、さんしー。ごーろく、しっちはち。」
わざとか偶々か・・・男の声は大きく、少し離れた場所を歩く彼女の耳にも届いていたそうだ。
チャッピーさんは、歩調を速め「さっさと通り過ぎてしまおう」と決断した。
男の横を通り過ぎる時も、男は声のトーンを落とす事無く準備運動の掛け声を出していた。
「振り返ってはダメ」そう言い聞かせ、足早に・・・。
少し離れてほっとした彼女は、普段の歩調に戻しスマホを確認して落ち着こうと考えた。
その直後だ。
「よっし!これで良いだろ。さぁて、登るぞぉぉ~、うははははは。」
先ほどよりも大きな声で、そして不気味に笑い
エントランス内へ、姿を消したという。
それ以降、彼女はそのマンション前が恐ろしくなり
通らないようにしているという。
彼女は最初、その人物は只の酔っ払いなのだと思ったそうだ。
しかし、翌日職場にて「その男」と酷似している男を見た。と数名の人物が噂していたらしい。
しかも、全てバラバラの時間と場所でだ。
その後、彼女はとある掲示板にて
「あの男」と思われる「不審者情報」を目撃する事となる。
チャッピーさんの協力の下、その掲示板を検索。
情報の発信者へ、面会を依頼した。
今度は「男」だ。
「男」の名は「板倉(仮名)」。
面会こそ叶わなかったが、メールでのやり取りには応じてくれた。
彼は
「千葉のマンション男」に声を掛けた。と掲示板に書き込みをしていた。
すると、案の定だ。
「マンション男」は嬉々としながら
「これから異世界エレベーターの検証をするんだよ!」と鼻息荒く語ったのだという。
彼は当時「異世界エレベーター」の話を知らず
「マンション男」を「ただのヤク中」だと思ったそうだ。
その場では話を聞き流し、別れを告げ去った後
警察へ通報したそうだ。
警官が現場へ到着するまでの間、彼はマンションを見張っていた。
・・・だが、警察の調べでは「変質者」は愚かネズミ一匹、見つからなかったという。
この時、我々は
津田が「異世界」へ行けたのではないか?とも思ったが
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