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77話 学園祭
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学園祭当日、私はウィルと一緒に行動していた。
学園内を見回っていると、ニコラス様とクリスの2人を見かけ、ウィルも気付いたらしく「あれで無自覚なんだからクリスティーナ嬢も大変だね」と言った。
「そうですね、あれで付き合ってないんですよね」
「うん、1度ニコラスにクリスティーナ嬢への距離が近いぞって言ったんだけど、本人分かってなかったからなぁ」
「え、じゃああのクリスの肩に回した手とか無意識ですか」
「たぶんね」
「はぁ、クリスは嬉しそうなのでいいですけど…」
私達から見たら両想いなのは確実だと思うのに、ニコラス様が自分の事になるとかなり鈍い事には驚いた。
しかし、周りが無理に自覚させようとすると拗れる予感がするので、クリスが頑張って落とすしかないだろう。
ふと、ニコラス様がクリスといるならリリはどこにいるんだろうと心配になったので、見回りついでに探していると、割とすぐに見つかった。
なんとリリは認識阻害魔法なしの状態でパトリック様と一緒にいたのである、私がリリに声をかけるとリリは「あら、マリーどうしたの?」と聞いてきた。
「さっきニコラス様とクリスを見かけたから、リリが1人かと思ってたんだけど、パトリック様が一緒だったんですね」
「私がご令嬢に囲まれて動けなくなっていたところを助けてもらいましてね」
「そのまま令嬢除けとして一緒に回っているのよ」
リリがそう言うと「パトリックはまだ婚約者がいないし、公爵家の跡継ぎだからまぁそうなるよな」とウィルが言い、パトリック様は「公表はしてないんですけど、どこで知ったのやら」と困っていた。
するとウィルが「あぁ、それネイサンのせいだろうな、あいつご令嬢に声かけられたら「私は公爵家を継がないが構わないのか?」って聞いて断ってるから」と言い、それを聞いたパトリック様は「兄さん…」と言って頭を押さえていた。
私は気になったので「パトリック様はリリの認識阻害の事ご存じだったんですね」と聞いてみると「前に教えてもらいましたので、知っていますよ」と答えてくれた。
「ディーンに絡まれてたのを助けてもらったの、その日以降、移動中絡まれないよう一緒にいて下さる事があるから、教えないと失礼でしょ」
「そうだったのね、じゃあもしかしてリリってニコラス様といない時はパトリック様といるの?」
「そういえばそうね、パトリック様、いつも私といて構いませんの?」
「私はリリアン嬢といるのが楽しいので構いませんよ」
パトリック様の発言に、リリは「そうなんですか、変わってますね」と言っているが、私はパトリック様がリリの事を口説こうとしている様に見えた。
その後リリとパトリック様と別れ、ウィルに「パトリック様ってリリの事が好きなんですかね?」と聞いたら「うん、そうだよ」と返ってきたので驚いた。
「マリー、何で聞いといて驚いてるの?」
「いや、知ってるとは思わなかったので、そういえばウィルとパトリック様って知り合いなんですか?」
「俺もパトリックも先生に古代魔法教わってるでしょ、それで知り合ったんだよ」
「パトリック様がリリの事を好きだというのは?」
「いつだったか認識阻害の見破り方を教えて欲しいって頼まれてさ、その時聞いた」
「さっき見た感じリリに全然伝わってないようなのですが…」
「一応リリアン嬢まだ婚約者いるからね、今のうちにじわじわ攻めて婚約破棄された瞬間捕まえるんじゃない?」
「計画的ですね…」
「そういう奴だよ、だから兄のネイサン押しのけて次期公爵になるんだし」
「パトリック様が次期公爵ならネイサン様はどうするんですか?」
「カルロス兄さんと一緒で騎士団に入るつもりみたいだよ、まぁ父親が騎士団総長だし、それを目指してるみたいだけど、うちの兄さんがいるからどうなる事やら」
ウィルとそんな事を話しながら見回りを終えて、生徒会室に行くとカイン様とアルヴィン様が居た。
「アルヴィン様、何かあったんですか?」
「よぉマリアンヌ、お前相変わらずあの教皇に人気だな」
「叔父上が数人、学園に入る前に捕まえてくれたらしいよ」
ウィルが「諦めが悪いですね」と言うと、アルヴィン様が「まったくだな」と呆れていた。
「今回も聖国の諜報員じゃなくてお金で雇われた人達みたいだから、マリアンヌを攫ってくるよう言われた事以外知らないだろうね」
「何なら依頼主が誰かも知らないんだろうな」
「そうなんですか?」
「うん、一応マリアンヌが16歳になるまで待つって決めちゃった手前、聖国関係者と分かる人はなかなか使えないと思うよ、だからお金で雇って依頼主を分からなくしてるし」
「まぁ、金の無駄だけどな」とアルヴィン様が言うと、カイン様が「無駄遣いして国のお金にも手を出してもらえると、こちらとしてはやりやすいんだけど」とボヤいていた。
「そういう訳で今日はもう安全だと思うから、2人は学園祭を楽しんできていいよ」
「カイン様はどうするんですか?」
「王太子になってから、宰相から回される仕事が倍以上に増えてね、それどころじゃないかな、だからウィルは後で戻ってきてもらえると助かる」
「分かりました」
「カイン様、父がすみません…」
「実際兄さんがするよりカインに回した方が早いからな、仕方ない」
「叔父上も手伝ってくれていいんですよ?」
「冗談、俺はそういうのと関わってこなかったからパス、代わりに何か食べさせてやるよ」
「…分かりました、それで構いません」
そんな事があったので、私は早めにウィルに寮まで送ってもらった。
出し物も見回り中にほとんど見ていたので問題はなく、その日は相変わらず私の部屋に来る猫のメーネスを可愛がった。
学園内を見回っていると、ニコラス様とクリスの2人を見かけ、ウィルも気付いたらしく「あれで無自覚なんだからクリスティーナ嬢も大変だね」と言った。
「そうですね、あれで付き合ってないんですよね」
「うん、1度ニコラスにクリスティーナ嬢への距離が近いぞって言ったんだけど、本人分かってなかったからなぁ」
「え、じゃああのクリスの肩に回した手とか無意識ですか」
「たぶんね」
「はぁ、クリスは嬉しそうなのでいいですけど…」
私達から見たら両想いなのは確実だと思うのに、ニコラス様が自分の事になるとかなり鈍い事には驚いた。
しかし、周りが無理に自覚させようとすると拗れる予感がするので、クリスが頑張って落とすしかないだろう。
ふと、ニコラス様がクリスといるならリリはどこにいるんだろうと心配になったので、見回りついでに探していると、割とすぐに見つかった。
なんとリリは認識阻害魔法なしの状態でパトリック様と一緒にいたのである、私がリリに声をかけるとリリは「あら、マリーどうしたの?」と聞いてきた。
「さっきニコラス様とクリスを見かけたから、リリが1人かと思ってたんだけど、パトリック様が一緒だったんですね」
「私がご令嬢に囲まれて動けなくなっていたところを助けてもらいましてね」
「そのまま令嬢除けとして一緒に回っているのよ」
リリがそう言うと「パトリックはまだ婚約者がいないし、公爵家の跡継ぎだからまぁそうなるよな」とウィルが言い、パトリック様は「公表はしてないんですけど、どこで知ったのやら」と困っていた。
するとウィルが「あぁ、それネイサンのせいだろうな、あいつご令嬢に声かけられたら「私は公爵家を継がないが構わないのか?」って聞いて断ってるから」と言い、それを聞いたパトリック様は「兄さん…」と言って頭を押さえていた。
私は気になったので「パトリック様はリリの認識阻害の事ご存じだったんですね」と聞いてみると「前に教えてもらいましたので、知っていますよ」と答えてくれた。
「ディーンに絡まれてたのを助けてもらったの、その日以降、移動中絡まれないよう一緒にいて下さる事があるから、教えないと失礼でしょ」
「そうだったのね、じゃあもしかしてリリってニコラス様といない時はパトリック様といるの?」
「そういえばそうね、パトリック様、いつも私といて構いませんの?」
「私はリリアン嬢といるのが楽しいので構いませんよ」
パトリック様の発言に、リリは「そうなんですか、変わってますね」と言っているが、私はパトリック様がリリの事を口説こうとしている様に見えた。
その後リリとパトリック様と別れ、ウィルに「パトリック様ってリリの事が好きなんですかね?」と聞いたら「うん、そうだよ」と返ってきたので驚いた。
「マリー、何で聞いといて驚いてるの?」
「いや、知ってるとは思わなかったので、そういえばウィルとパトリック様って知り合いなんですか?」
「俺もパトリックも先生に古代魔法教わってるでしょ、それで知り合ったんだよ」
「パトリック様がリリの事を好きだというのは?」
「いつだったか認識阻害の見破り方を教えて欲しいって頼まれてさ、その時聞いた」
「さっき見た感じリリに全然伝わってないようなのですが…」
「一応リリアン嬢まだ婚約者いるからね、今のうちにじわじわ攻めて婚約破棄された瞬間捕まえるんじゃない?」
「計画的ですね…」
「そういう奴だよ、だから兄のネイサン押しのけて次期公爵になるんだし」
「パトリック様が次期公爵ならネイサン様はどうするんですか?」
「カルロス兄さんと一緒で騎士団に入るつもりみたいだよ、まぁ父親が騎士団総長だし、それを目指してるみたいだけど、うちの兄さんがいるからどうなる事やら」
ウィルとそんな事を話しながら見回りを終えて、生徒会室に行くとカイン様とアルヴィン様が居た。
「アルヴィン様、何かあったんですか?」
「よぉマリアンヌ、お前相変わらずあの教皇に人気だな」
「叔父上が数人、学園に入る前に捕まえてくれたらしいよ」
ウィルが「諦めが悪いですね」と言うと、アルヴィン様が「まったくだな」と呆れていた。
「今回も聖国の諜報員じゃなくてお金で雇われた人達みたいだから、マリアンヌを攫ってくるよう言われた事以外知らないだろうね」
「何なら依頼主が誰かも知らないんだろうな」
「そうなんですか?」
「うん、一応マリアンヌが16歳になるまで待つって決めちゃった手前、聖国関係者と分かる人はなかなか使えないと思うよ、だからお金で雇って依頼主を分からなくしてるし」
「まぁ、金の無駄だけどな」とアルヴィン様が言うと、カイン様が「無駄遣いして国のお金にも手を出してもらえると、こちらとしてはやりやすいんだけど」とボヤいていた。
「そういう訳で今日はもう安全だと思うから、2人は学園祭を楽しんできていいよ」
「カイン様はどうするんですか?」
「王太子になってから、宰相から回される仕事が倍以上に増えてね、それどころじゃないかな、だからウィルは後で戻ってきてもらえると助かる」
「分かりました」
「カイン様、父がすみません…」
「実際兄さんがするよりカインに回した方が早いからな、仕方ない」
「叔父上も手伝ってくれていいんですよ?」
「冗談、俺はそういうのと関わってこなかったからパス、代わりに何か食べさせてやるよ」
「…分かりました、それで構いません」
そんな事があったので、私は早めにウィルに寮まで送ってもらった。
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