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42話 聴取前日
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私が知ってるゲームのアルヴィン様と、今目の前にいるアルヴィン様が別人だと言われた私は、訳が分からず「誰がそんな事を?」とアルヴィン様に聞いてみたが「さぁ、俺も分からん」と言われてしまった。
「まぁでも、ウィリアムもアルベールのフリしてたんだろ?それと同じだとすれば、マリアンヌ関係じゃないか?」
「あぁなるほど、そうですね、そんな気がします」
つまり、私のデビュタントで起こるイベントに登場する人が関わってるんだろう、これに関しては誰か分からないので、その時が来るまで保留だ。
「何で私のルートは皆身分を偽って近寄ってくるんですかね」
「本来の身分だと近付けないんじゃないか?」
「え、何ですかそれ、まるで私の攻略対象は皆訳ありみたいじゃないですか」
「訳ありねぇ、なら俺も入ってるかもな」
「冗談でもやめて下さい」
「おい、全力で拒否するなよ、傷つくだろ」
「私アルヴィン様の事好きですけど、そういうのではないので」
「じゃあ、どういうのだよ」
「⋯頼れるお兄様的存在?ですかね」
それを聞いたアルヴィン様は笑い出すと、私の頭を豪快に撫でてきた。
「ちょっと、アルヴィン様やめて下さい」
「あ~すまん、面白くてついな、じゃあマリアンヌは妹分として可愛がってやるよ」
「え~、宣言されるとそれはそれでちょっと⋯」
私が嫌がると、アルヴィン様は私の肩に腕を回して「生意気言うのはこの口か」と顎を掴まれた。
その時「アルヴィン貴方何してるんですか」とヴィンス先生の声が聞こえ、アルヴィン様と声の方を向くと、何冊か本を抱えたヴィンス先生が呆れた様子で立っていた。
「よぉヴィンス、何って兄と妹のスキンシップ?お前こそ何しに来たんだ?」
「何でそんな話になっているのかは知りませんが、仮に兄妹でも女性の顔を掴むのは感心しませんよ、あと私は見ての通り資料を返しに来たんです」
ヴィンス先生が止めてくれたおかげで、アルヴィン様は素直に私から手を離すと解放してくれた。
「ヴィンス先生ありがとうございます、助かりました」
「アルヴィンは気に入るとすぐに距離を詰めてくるので気を付けて下さいね」
「分かりました」
「おい、俺が不審者みたいな言い方やめろよ」
「先程の感じを見ると、そのくらいのつもりで見た方が良いと思いましたので、マリアンヌさんは何でアルヴィンに絡まれてたんですか?」
ヴィンス先生にそう聞かれて、私は以前先生が授業で言っていた神話の本を探しに来た事を話した。
「おや、言って下されば教えましたのに」
「他にもする事がありましたので」
「そうですか、でもそろそろ放課後になりますよ」
「え、もうそんな時間ですか?」
「えぇ、その本は持ち出し可能な分なので、借りたら良いと思いますよ」
「はい、そうします」
そうして私は貸出表に記入して本を借りると、アルヴィン様とヴィンス先生に挨拶をして第2図書館を後にした。
その後私は生徒会室に向かい、書類整理の手伝いをしていたのだが、帰り際カイン様に呼び止められ、明日の午後は空けて欲しいと言われた。
「構いませんが、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん、実は明日の午後サイモンから話を聞こうと思っていてね、君にも同席して欲しいんだ」
「分かりました、あの、クリスも参加するのですか?」
「うん、彼女も関係者だからね、流石に思考誘導の件になったら席を外してもらうけど」
「その事はもうクリスには伝えているのですか?」
「いや、まだだけどどうしたの?」
「もし宜しければ私から伝えさせて欲しいのですが」
「そういえばマリアンヌはクリスティーナ嬢と仲良くなったんだったね」
「はい」
私がそう言うとカイン様は少し考えた後「じゃあ、お願いしようかな」と微笑んだ。
カイン様から許可を得た私は、寮に帰ると着替えを済ませクリスの部屋を訪ねた。
扉を開けたクリスは私の訪問に驚いていたが、話があると言うと部屋の中に入れてくれた。
「それでマリーちゃん話ってなあに?」
「実は、サイモン様の事なの」
「サイモンに何かあったの!?」
やはり心配だったのか慌て出したクリスに落ち着くように言って、明日の午後話が出来るから一緒に来て欲しいと言った。
「サイモンと話が出来るの?」
「えぇ、私達も居るけれど話は出来るわ」
「なら行くわ!」
「大丈夫?」
「うん、私あれから何度も考えたんだけど、やっぱり学園に来てからのサイモンっておかしいの、もしそれに理由があって元のサイモンに戻るなら、私はそれが知りたいわ」
「そう、分かったわ、明日一緒に行きましょう」
クリスはまだ知らないが、思考誘導はアルヴィン様が解除済みなので、おそらく明日話すのはクリスの知っているサイモン様なのだろう、ここでふと気になった事があったのでクリスに聞いてみた。
「ねぇクリス、もしもの話だけど、もし本来のサイモン様からも好意を寄せられてて、告白されたら貴女どうする?」
「断るわ」
「そ、即答なのね、仲が良いように思っていたのだけれど」
「仲は良いわ、幼なじみだもん、でもだからこそ兄妹みたいな感じでしか見れないから」
「そうなのね、変な事を聞いてごめんなさい」
これで良いのか悪いのか分からないが、クリスのサイモン様ルートは無しが確定したなと思っていると、クリスが「そういえばマリーちゃんとウィリアム様ってすごく仲が良いけど、親の決めた婚約者じゃないの?」と聞いてきた。
「えぇ、そうね、私達は珍しくお互い好き合っての婚約よ」
「すごーい!ねぇねぇ、マリーちゃんはウィリアム様のどこが好きなの?」
「え!?そ、それ答えないと駄目かしら」
「私は聞きた~い、ね、マリーちゃんお願い教えて」
くっ!ヒロインのおねだりの破壊力たるや想像以上で、同性の私でも可愛さに負けそうな程だ。
この後私はクリスに押し切られ、私とウィルの馴れ初めやら私のウィルへの想いやら色々話してしまったのだが、恥ずかし過ぎるので、絶対他人には話さないようしっかり口止めした。
「まぁでも、ウィリアムもアルベールのフリしてたんだろ?それと同じだとすれば、マリアンヌ関係じゃないか?」
「あぁなるほど、そうですね、そんな気がします」
つまり、私のデビュタントで起こるイベントに登場する人が関わってるんだろう、これに関しては誰か分からないので、その時が来るまで保留だ。
「何で私のルートは皆身分を偽って近寄ってくるんですかね」
「本来の身分だと近付けないんじゃないか?」
「え、何ですかそれ、まるで私の攻略対象は皆訳ありみたいじゃないですか」
「訳ありねぇ、なら俺も入ってるかもな」
「冗談でもやめて下さい」
「おい、全力で拒否するなよ、傷つくだろ」
「私アルヴィン様の事好きですけど、そういうのではないので」
「じゃあ、どういうのだよ」
「⋯頼れるお兄様的存在?ですかね」
それを聞いたアルヴィン様は笑い出すと、私の頭を豪快に撫でてきた。
「ちょっと、アルヴィン様やめて下さい」
「あ~すまん、面白くてついな、じゃあマリアンヌは妹分として可愛がってやるよ」
「え~、宣言されるとそれはそれでちょっと⋯」
私が嫌がると、アルヴィン様は私の肩に腕を回して「生意気言うのはこの口か」と顎を掴まれた。
その時「アルヴィン貴方何してるんですか」とヴィンス先生の声が聞こえ、アルヴィン様と声の方を向くと、何冊か本を抱えたヴィンス先生が呆れた様子で立っていた。
「よぉヴィンス、何って兄と妹のスキンシップ?お前こそ何しに来たんだ?」
「何でそんな話になっているのかは知りませんが、仮に兄妹でも女性の顔を掴むのは感心しませんよ、あと私は見ての通り資料を返しに来たんです」
ヴィンス先生が止めてくれたおかげで、アルヴィン様は素直に私から手を離すと解放してくれた。
「ヴィンス先生ありがとうございます、助かりました」
「アルヴィンは気に入るとすぐに距離を詰めてくるので気を付けて下さいね」
「分かりました」
「おい、俺が不審者みたいな言い方やめろよ」
「先程の感じを見ると、そのくらいのつもりで見た方が良いと思いましたので、マリアンヌさんは何でアルヴィンに絡まれてたんですか?」
ヴィンス先生にそう聞かれて、私は以前先生が授業で言っていた神話の本を探しに来た事を話した。
「おや、言って下されば教えましたのに」
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「え、もうそんな時間ですか?」
「えぇ、その本は持ち出し可能な分なので、借りたら良いと思いますよ」
「はい、そうします」
そうして私は貸出表に記入して本を借りると、アルヴィン様とヴィンス先生に挨拶をして第2図書館を後にした。
その後私は生徒会室に向かい、書類整理の手伝いをしていたのだが、帰り際カイン様に呼び止められ、明日の午後は空けて欲しいと言われた。
「構いませんが、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん、実は明日の午後サイモンから話を聞こうと思っていてね、君にも同席して欲しいんだ」
「分かりました、あの、クリスも参加するのですか?」
「うん、彼女も関係者だからね、流石に思考誘導の件になったら席を外してもらうけど」
「その事はもうクリスには伝えているのですか?」
「いや、まだだけどどうしたの?」
「もし宜しければ私から伝えさせて欲しいのですが」
「そういえばマリアンヌはクリスティーナ嬢と仲良くなったんだったね」
「はい」
私がそう言うとカイン様は少し考えた後「じゃあ、お願いしようかな」と微笑んだ。
カイン様から許可を得た私は、寮に帰ると着替えを済ませクリスの部屋を訪ねた。
扉を開けたクリスは私の訪問に驚いていたが、話があると言うと部屋の中に入れてくれた。
「それでマリーちゃん話ってなあに?」
「実は、サイモン様の事なの」
「サイモンに何かあったの!?」
やはり心配だったのか慌て出したクリスに落ち着くように言って、明日の午後話が出来るから一緒に来て欲しいと言った。
「サイモンと話が出来るの?」
「えぇ、私達も居るけれど話は出来るわ」
「なら行くわ!」
「大丈夫?」
「うん、私あれから何度も考えたんだけど、やっぱり学園に来てからのサイモンっておかしいの、もしそれに理由があって元のサイモンに戻るなら、私はそれが知りたいわ」
「そう、分かったわ、明日一緒に行きましょう」
クリスはまだ知らないが、思考誘導はアルヴィン様が解除済みなので、おそらく明日話すのはクリスの知っているサイモン様なのだろう、ここでふと気になった事があったのでクリスに聞いてみた。
「ねぇクリス、もしもの話だけど、もし本来のサイモン様からも好意を寄せられてて、告白されたら貴女どうする?」
「断るわ」
「そ、即答なのね、仲が良いように思っていたのだけれど」
「仲は良いわ、幼なじみだもん、でもだからこそ兄妹みたいな感じでしか見れないから」
「そうなのね、変な事を聞いてごめんなさい」
これで良いのか悪いのか分からないが、クリスのサイモン様ルートは無しが確定したなと思っていると、クリスが「そういえばマリーちゃんとウィリアム様ってすごく仲が良いけど、親の決めた婚約者じゃないの?」と聞いてきた。
「えぇ、そうね、私達は珍しくお互い好き合っての婚約よ」
「すごーい!ねぇねぇ、マリーちゃんはウィリアム様のどこが好きなの?」
「え!?そ、それ答えないと駄目かしら」
「私は聞きた~い、ね、マリーちゃんお願い教えて」
くっ!ヒロインのおねだりの破壊力たるや想像以上で、同性の私でも可愛さに負けそうな程だ。
この後私はクリスに押し切られ、私とウィルの馴れ初めやら私のウィルへの想いやら色々話してしまったのだが、恥ずかし過ぎるので、絶対他人には話さないようしっかり口止めした。
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