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第6話、開かれる
しおりを挟む「ひ、ぅ、あああ~~~ッ!」
体がガクガクと震える。
こんな快感は今まで感じた事がなかった。
余韻に浸っているのかそれともまだイキっぱなしになっているのかも分からずに、碧也は赤子の様に体を丸めたままひたすら体を震わせながら息を整える。
「おー、偉い偉い。良い子だ。五回連続絶頂出来たな」
縋り付く相手を間違えていた。相手は魔王である内の一人だ。一個人の願いなど聞くわけがない。
五回連続で絶頂を迎えさせられれば、腹の中がずっと引き攣っているような甘い痺れをもたらせていて、思考回路までもが濁ってくる気がした。
まさか中だけで連続でイかされるとは思ってもみなくて、碧也は愕然としている。
アスモデウスに会うまでは抱く側だったのも有り、かなりの抵抗感と反発心があった。
「五回もイったんだ。エネマグラにはもう飽きただろう? 次は普通のバイブに変えよう」
セリフと共に内部からエネマグラを引き抜かれ、代わりにバイブを押し当てられる。
「何、言って……」
「今度は前でイけ。アルファだったんだ、こっちでイクのは得意だろう?」
前でイけなくした当の本人が悪びれもせずに口にしたのを聞いて、沸々と怒りが込み上げる。
ふざけるなと叫びたかったが、さっきまで散々喘がされていたのもあって息が乱れ、それどころじゃなかった。
仰向けにされてリングを外される。普通の成人男性器くらいの太さはあるバイブを押し込まれた。
その太さが入るにはまだ抵抗があって、思いっきり背をそらす。肉襞をかき分け、バイブが前立腺を掠めた瞬間だった。
突然与えられた強い刺激にまた意識が飛びかけ、碧也は声が出ないように両手で口を押さえる。
「んん゛ん゛、ん゛ん゛ーーーーっ‼︎」
ずっと堰き止められていた精液は勢いがないままトロトロと溢れ落ちて、碧也の腹の上で溜まっていった。
陰茎が吐き出すような動きを見せるが、やはり勢いはない。
「ん、んぁ、あ、あ、あーーー……」
陰嚢が空になるのではないかと思えるくらいの量が時間をかけて少しずつ出てきた。
「ククク、ここから出すのに慣れてる割りには勢いがないな。それでは雌に種付け出来んぞ」
通常時と同じように勢いよく精子を吐き出すよりも、こっちの方が断然刺激が強い。
しかもいつまで経っても射精感がなくならずに、悦楽が全身を蝕んでいる。
「ほら、もっと出せ」
出ている最中も何度も何度もバイブを抽挿され、快感で頭がおかしくなりそうだった。
「あ……あーーー……ッ、待っ……て、待って……ッくれ。動かす、な!」
前でイっている筈なのに、腹の奥も引き攣ってきて高みに追いやられる。
中イキで小刻みに震える体の動きを止める事も出来ずに、また精液が少しずつ溢れていく。
もう前でイっているのか後ろでイっているのか分からなくなってきて、碧也はダラリと両腕をベッドの上に広げた。
「感じやすいにも程があるな。今度はもう少し太いヤツが入るぞ」
虚空を見つめてぼんやりしていると、笑いながら頬をペチペチと叩かれて正気に戻される。
「あ……、ぁ……なに……?」
頭の中はまだ星が散っていて、アスモデウスが何を言っているのかも頭に入って来ない。
シリコンゴムで出来た別のバイブがゆっくりと奥まで入り込んできて息を詰めた。
「ひ、あ……!」
「さっきのと違ってこれは長細い先端がついていてな、結腸までいくように作られている。早くそこも突かれたいだろう?」
「やめ、……やめろ!」
「そう言わずに存分に味わえ。天国が見えるかもしれんぞ。ここは魔界だがな」
——魔界……⁉︎
考えていられたのも束の間だった。
笑いながらグッと押し込まれ、碧也の体は大きく震えてまた反り返った。
スイッチが入る音がして、バイブが振動しながら中で円を描きだす。かと思えばピストン運動に変わり、碧也は慌ててバイブを抜こうと手を伸ばした。
「誰が抜く事を許可した?」
アスモデウスに腕を捕えられて、碧也の意思とは反対にもっと奥まで差し込まれる。
「これは……嫌、だ、っ、奥やめろ! ああああ、あ゛あ゛ーーーー!」
バイブがピストンしてくる度に碧也は叫んだ。
先端が結腸に食い込むと精液を飛ばし、幾度となく絶頂を極めさせられる。
「あ、あああ、ぁああ、あ゛……あ゛ーー!」
アスモデウスに押さえつけられていなければ、もっと暴れていたかもしれない。
「ダメだ、そこは……ッんぁ、あ、あ、ん、ああ゛あ゛ーー!」
無機質な機械音と共に腹の中のイイ所を刺激されると、碧也の体が大袈裟なくらいに跳ね上がる。
「う、ああ゛あ゛! 奥……っ、やめろって……ぇえ゛え゛!」
結腸弁に潜ろうとする勢いで刺激を送ってくるバイブに散々鳴かされた。
酸欠で頭がクラクラする。未だに整わない呼吸をしながら肩を振るわせていると、アスモデウスが口を開いた。
「随分と良い鳴きっぷりだな。最高に唆られたぞ。さて、ここからは俺のでイケ」
顔を上げさせられて降ってきた唇を受け入れる。後孔から玩具を抜き取られて思いっきり足を開かされた。
唇を解放され、ズボンのフロント部分をもっと寛げたアスモデウスに腰を浮かせられる。
ぼんやりとした視界に、アスモデウスの隆起した陰茎が映り込んで、勢いよく左右に首を振った。
「やめ、ろ……無理だ。んな凶悪なもん……ッ、入るわけない、だろ」
ベッドを蹴って上にずり上がる。
「随分と可愛い事を言ってくれるな」
腰を引き戻されて先端を押し当てられた。
「やめ、無理だ。無理……っ!」
「安心しろ。ここまで蕩けていたらもう大丈夫だ」
今までの比じゃないくらいの圧迫感が訪れる。碧也は衝撃に耐える様に背を退けぞらせた。
「あああ、あ゛あ゛ッ、アス……モデウス‼︎」
碧也の四肢が強張り痙攣する。
「ん? まだ少し早かったか? お前が余りにも玩具で気持ち良さそうにしているから嫉妬したではないか」
そんな事などちっとも思ってなさそうな声音で言われ、ゆっくりと抽挿を繰り返された。
内部がいっぱいいっぱいに開かれている為に、狙わずとも前立腺を亀頭に擦られてしまい腰に力を込めてしまう。
「嫌だ、動くな……ッ、止めろ! ァああ、ぁっ、あ! く、る! またイっちまう!」
「イケばいい」
快楽ばかり与えられて既に腰が怠い。
アスモデウスを内部に呑み込んだまま、思いっきり腰に力を入れると絶頂が訪れた。
うつ伏せに返されてうなじを噛まれそうになり、慌てて手で覆う。
「噛まれるのは嫌か?」
「当たり前、だ」
運命の番との情交に、体だけは多幸感に包まれ戦慄いているが、心は別だった。
番になんてなって堪るかと叫んでいる。
「生憎だったな。俺は嫌がられれば嫌がられるだけ燃える性質でな」
思いっきり腰を引かれて奥まで押し込まれる。
結腸の手前まで侵入されてしまい、うなじから手を離して碧也は暴れ始めた。
「ひっあ、ああ゛あ゛!」
あまりにも強い快楽の衝撃で、嬌声ではなく悲鳴が出た。
内部に形を馴染ませるように左右に揺さぶられる。もっとその奥に潜り込まされそうになって碧也の腰が逃げを打つ。
「やめ、っやめろ! 無理だっ、腹、裂ける!」
「大丈夫だと言っただろう? こんなに腹の中も奥もグズグズだったら裂けん」
寝バックの体勢にされ、アスモデウスにグッと腰を押し進められる。
「や、嫌だ! 入らない……っ‼︎ はいらな……っ、あああ゛あ゛!」
上から押し潰すようにピストンされ、結腸の入り口を突かれまくった。どんどん内部が開いていくのが感じられた。
「ひっ、ん……ァアア、激し……ッ、激しくする、なっ! あっ、……んあああ‼︎」
止めどなく溢れてくる愛液がアスモデウスを歓迎し、律動の動きを円滑にする。
碧也は身を捩って逃げようと必死になった。
「やったな碧也。お前が嫌がっていた奥も開いて来たぞ」
「ああ、あ゛……ッ、嫌だ、アスモデウス! やめろ!」
「お前は悲鳴までもが甘美だな。耳障りがいい」
会話にならない。止めて貰えそうにない事に絶望した。
グポンと妙な音が下っ腹から聞こえたのと同時に、碧也の意識は飛んだ。脳神経が焼き切れたのかと思うほどの快感に襲われ耐えきれなかった。
「——っ」
言葉にならない嬌声と共に碧也の体がベッドの上で弛緩していく。
「おい、飛ぶな。帰ってこい」
アスモデウスに揺さぶられるままに身を投げていると、めちゃくちゃに腰を振られた。
「ふ、ぁあ……あ、あ゛あ゛あ゛あ゛!」
小刻みに震える体は時折りビクビクと戦慄き、止まらない絶頂を何度も極める。
「アア゛ア゛、ン……ッあ、ああーーー!」
「運命とやらは……っ、随分と具合が良い」
羞恥も外聞もなく鳴き始めた碧也の両腰に手を当てて、アスモデウスは更に激しく肌を打った。
「い、く、そんなに……擦ったら……っ、イクーーっ!」
「お前はさっきからずっとイキっ放しだろうが。どれ、出すのを手伝ってやろう」
体勢を変えられ、今度は腰を高く持ち上げられた。
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