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発情期1

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 次の日から現地での情報収集の為に色々出歩いてみたものの、何の動きも見えなかった。
 これで一週間目だ。
 何かしらの動きがあると期待していただけに肩透かしを食らう。
 ——そう上手い事はいかないか。
 オークション周りを彷徨いて、そのまま市場に行って商品を漁ってるフリをして帰る。これが日課になっていた。
 部屋に戻ってリビングで啓介を膝枕にしながらゴロゴロする。
「お前ちょっと熱っぽいな」
「そうか?」
 治癒がオートで回っているのでその内治るだろうと、そのまま放置する。いつの間にか寝ていたらしく、気がついた時にはベッドの上で寝ていた。
 ——駄目だ……眠い。
 一度目が覚めたものの、何だかやたら眠い。眠気に勝てずに夕飯も取らずにそのまま寝入った。
 次の日、朝目覚めた時からも頭の中がふわふわしているような妙な眩暈がしていた。
 体の奥から熱を持っているように火照っていて体も怠い。
 身支度だけはしたものの、しんどくてキアムに挨拶だけしに階段の上から下を覗き込んだ。
「おはよ」
「アニキ、おはようございます」
「悪い。俺朝飯もいいわ。怠いからまた寝てくる」
「え、大丈夫ですか?」
 焦ったような声音で言ったキアムが階段を駆け上がってくる。
「ああ。平気だ。その内治んだろ」
 それだけ伝えてまた部屋に戻るなり、ベッドに転がった。
 ——風邪か?
 ぼんやりしている思考回路で考えていると、ノックの後で扉が開かれた。
「具合が悪いらしいな。大丈夫か?」
 啓介の姿を捉えた瞬間、毛穴という毛穴全てが開いたかのような怖気に似た快感が腰から上を駆け抜ける。
「ぅ、あ……っ!?」
「成程な。そういう事か」
 どこか楽しそうにしている啓介がベッドの上で一緒に横向きで転がり始め、頬と顎を撫でられた。
「はっ、はっ、なんだ……ッこれ!」
 心臓が早鐘を打っていて息が苦しい。それと同時にとある欲求が急速に膨れ上がって来て、それ以外考えられなくなってきた。
「啓介……」
「どうした?」
「…………ヤリたい」
 無理やり啓介の上に跨り、横向きだった体を仰向けに倒す。軽く腰を振ってやれば、ニンマリと笑みを浮かべられた。
「淫乱」
「嫌いじゃねえくせに」
「そうだな」
 ハァと荒く息を吐き出して、下にいる啓介を見つめ続ける。
「今日は抜かないのか?」
 楽しそうに正面から見つめ返され、その視線だけで感じてしまい、自ら誘うようにまた腰をすりつける。
「お前、発情期の薬はどうした? 持ってきていないのか?」
「持ってない。どうかしたのか?」
「オメガのフェロモンがダダ漏れだ。発情期は初めてだろ?」
 うーん、と首を捻った。
 医者とカイルの話では三ヶ月に一度と聞かされていて、しかも一度来ている。
「いや、レヴイの体で目が覚めた時、発情期真っ最中だと言われたぞ。その時は発情期でも体は別に何ともなかったし、薬を飲む前と後でも変わらなかった。その時から三か月も経ってないのに発情期って来るものなのか?」
 そんなもんだとばかり思っていたから気にもしていなかった。
「有り得ないな。恐らくそれは発情期じゃない。その時だけ強制的に発情させられていたんだろ。羽琉、一時間経ったらまた部屋に来る。その時までには決めとけ。今の体のまま一週間の間ずっと俺に抱かれ続けて中出しされるか、一週間自慰で我慢するかの二択だ」
 ——強制的に発情……そういうのもあるのか。
 初めて知る事項だ。その前に一週間も抱かれ続けるのも、自慰だけなのも地獄だ。
「なんで中出しなんだよ。外に出せよ」
「アルファの陰茎の形は変わっていてな。オメガの発情期には、吐精する時に中から抜けないように形が変わるんだ。この世界にゴムはない」
 これも初めて知った。
 ——何だそれ、確実に種付け出来るようにって事か?
 鬼畜の所業である。ふざけるなと言いたい。
「ち、マジかよ。なら我慢する。とりあえずお前……出てけ。抜きたい」
 啓介を追い出して、内側から鍵をかけた。これで勝手に入って来られる心配はない。
 今まで生きてきてこんなに性的欲求を感じた事はなかった。
 ベッドの上で転がりながら、やっとの思いで下穿きを寛げると、自身に指を絡めた。それだけでも脳が蕩けそうなくらいに気持ちよくて目の前が白く霞んだ。
「は……、んっ」
 先走りだけでも凄いことになっている。後ろも濡れた感触があって指を伸ばすと、膣液に似た粘液が溢れてきていた。
 ——オメガの男ってここも濡れるのかよ。
 ローションがなくて助かりはするものの、興奮して濡れているのだと信じたくない気持ちが勝っている。
 ダメだ、と思いながら指を入れるのを止められなくて、解しながら指を挿入するとあまりにも気持ち良過ぎて軽くイってしまった。
 どんどん溢れ出てくる蜜を指に絡めて、指の本数も増やしていく。直ぐに物足りなくなり、三本目を追加して出し入れさせていた。
 中の前立腺を掠めると意識が飛びそうになる。もう片方の手では、陰茎を擦った。
「ん、ぁ、あ、ア」
 これ以上の快感を覚えている体が、もっと欲しいと強欲にも戦慄く。
「これ、ちが……っ、りない……ッ、ん、ぁあ……足り……っない。け、いすけ」
 我慢すると決めた矢先にもう後悔している。
 もっと奥に欲しい。その奥を暴かれて、突いて突かれまくりたい。
 ——中に欲しい。
 啓介に抱かれたくて堪らない。
 抜けば確かにスッキリはするがすぐに熱がぶり返す。体の熱と欲が治らなかった。
『俺に抱かれたくて堪らなくなるぞ』
 あの言葉の意味がやっと分かった気がする。
「けい、すけ」
 記憶を頼りに同じ動きで指を出し入れした。レヴイの指の太さでは、啓介の指の半分もいかないくらいだった。
 陰茎からはまた精液が飛んだ。
「ふ、……っ、ぁ、あ、ア」
 この状態が一週間も続くなんて悪夢だ。一分一分が地獄のようだった。


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