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第2章

清らかで恋する乙女ですのよ!

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 レクリエーションは、私達の班が優勝しましたわ。各ミッションによってE~SSのランク付けされていて。それぞれにポイントが割り振られていたのです。因みに【乙女の祝福】はSランクで1000ポイント。Eランクの5ポイントと差がありすぎでなくて??まぁ優勝は素直に嬉しいですけれど。

「それほど、ユニコーンに逢う事。そしてその祝福を受ける事は難しいんだよぉ。」

っとトリフォリウムさんがおっしゃいましたわ。

「その石が、【乙女の祝福】だよねぇ。すごく綺麗。」

ユニコーンの瞳の色と同じ小さな石。ええ。本当に綺麗ですわ。

「持つ者に、幸福をもたらすらしいよ?肌身離さずに持っておいたらどうかなぁ?」

肌身離さず。うーん。このサイズの石を持ち歩くのは、少し難しいですわね。私だとうっかり無くしてしまいそうですわ。持ち物の管理は得意ではないわ。どうしましょう。

「お嬢様。そちらをお借りしても?」

「ハンス。」

「悪いようには、しませんので。」

にっこり微笑むハンス。そうね。私が持つよりハンスに持っていて欲しいわ。

「ええ。貴方に預けるわ。」

ハンスに幸福が訪れますように。貴方の幸せが私の幸せですもの。
ふふふ。なんだか乙女チックじゃありませんこと?私ったら、恋する乙女ですわ。健気ですわー。健気で清らか乙女な私・・・・ハンス。惚れてくれてもよろしくってよ?


「・・・・お嬢様。その顔、人前ではお辞め下さい。何か悪い事を企んでいるように誤解されます。」

 ハンスからの久々の残念そうな視線。ちょっと!清らかな乙女に向かってなんて事を!

「わっ・・・・私の顔の何処が悪人顔ですってー!!」

「そこまでは言ってません。」

似たようなものですわ!いくら吊り目で高飛車で金髪ドリルだからって!ちょっとニヤニヤしただけで悪役扱い・・・・・・私、この待遇に運営を恨みましてよ!


◆◆◆



「へぇー。ヴィクトリア達の班が優勝したんだ。」

 放課後、BMRの部室。レクリエーションの事をグレイ様やオズワルド皇子に話ますわ。此処にいるのは、私とフィロス、レオニダスとこのお二人。レクリエーションで最下位になってしまったハンスとルビアナは、放課後一週間、特別授業ですの。・・・・Mrsシャーウッドが懇切丁寧に、チームの在り方や魔法など特訓してくれるそう・・・・最下位にならなくて本当に良かった・・・・。

「俺様の婚約者なら、優勝は当然だな。」

 上質なソファーに深々と身を預け、ふんぞり返る俺様。貴方、それ何処から持ち込みましたの?この部室。質素ながらも置かれている机や椅子。ソファーや棚など・・・・品質の良い物で揃えられているのよね。グレイ様が用意したのかしら。派手好きなオズワルド皇子の趣味ではありませんわね。

「ですって。フィロス。」
「えー。優勝したら馬鹿皇子の婚約者なの?なら優勝するんじゃなかったー。」
「同感ですわ。今から辞退しようかしら・・・・」
「えっ・・・・それって俺も?」

 レオニダス。流石に皇子の婚約者に男の貴方はなれないかと思いますわ。愛人ならいけるかもしれませんが・・・・。って変な想像させないで下さるかしら。私、そっちに興味ありませんのよ。

「優勝したら、食券がついてくるだけじゃなかったのかよ。俺、心に決めた奴いるから婚約者は辞退させてくれ。悪ぃ。」
「私もヴィーちゃんに決めてるから、ごめんなさい。」
「フィロス。私に決めないで。そして私も謹んでお断りさせていただきますわ。オズワルド皇子。」


 そういえば、優勝したチームには、食券と栄誉が贈与されましたわ。クリームコロッケ一択ですわね。ふふふ。あとレオニダス。その心に決めた方って、ハンスじゃありませんわよね?貴方、ハンスに懐き過ぎですのよ!

「お前等と話ていると、俺様の中の何かがガリガリと削られていく気がする・・・・」
「・・・・うーん。オズの場合、削られたくらいが丁度いいかもね。」

 口をへの字にするオズワルド皇子。グレイ様は顎に手をあて真剣に返していますわ。

「・・・・余計な事は言うな、グレイ。」
「ああ。そうだね。ごめんごめん。あまりにオズが不憫に感じて。俺様なんて辞めればいいのに。」

 くすくすと笑うグレイ様に、オズワルド皇子は不貞腐れながら返しますわ。せっかくのグレイ様の忠告も右から左ですのね。呆れますわ。傲慢で俺様な皇子・・・・攻略対象としての魅力って何処なのかしら?これじゃフィロスヒロインに惚れてもらえませんわよ?

「・・・・民や家臣を想い、周りを見回せる目をお持ちの癖に・・・・」

「え?」
「ヴィクトリア・・・・。」

 あら。私、何故そう思ったのかしら。何故そんな事を?オズワルド皇子が目を丸くさせこちらを見ますわ。グレイ様まで・・・・

「って、冗談ですわ。オホホ。横柄で横暴な俺様皇子が、そのような方である筈ありませんもの。」
「そうそう。いいのは、顔と家柄だけだもんねー。ヴィーちゃん、オズワルド皇子には関心持っちゃダメだよ!わかった?」

「お前等なー!ほんっと俺様を侮り過ぎだぞ!消し炭にされたいのか!」
「あら、貴方こそ濁流に飲まれたいのですか?」
「ピカッと目潰しして、存在事浄化してあげようか?」

臨戦態勢に入る私達を、グレイ様が取り成しますわ。

「やるなら外でやってね。あと、またMrsシャーウッドに絞られると思うけど、僕は助けないからそのつもりで。」


 止めておきましょう。喧嘩良くない。ええ。仲良しが一番ですわ。






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さり気なく、オズワルドがレオニダスにも振られている件。
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