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第2章

罪と罰則

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【オズワルド皇子発火事件】から、二週間が経過いたしましたわ。

あれから、フィロスと攻略対象者達との間には、あまり進展が見られませんの。

あの発火事件もよく考えれば、乙女ゲームのイベントだったのかしら。

多分・・・・
ヒロインの事が気に食わない悪役令嬢な私が、ヒロインを困らせようと水魔法で攻撃。
そこを通りかかったオズワルド皇子とグレイ様が、ヒロインを助けるという感じね。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

濡れたヒロインの体を、さっと自身の身体で隠しヴィクトリアと対峙するオズワルド。
自身の上着をそっと掛け「怖かったよね。もう大丈夫」っと優しい笑顔を向けるグレイ。

王とナイトに護られる、乙女憧れのシチュエーション。


ーーーーーーーーーーーーーーーー




・・・・肝心のヒロインは、鼻から出血。
上着を掛けられたのは、何故か私。
腹黒は、真っ黒なお腹を隠す事なく悪態をつくし。
オズワルド皇子は、人体発火。

噴水の近くで本当に良かったですわ。
校舎内であったら、最悪火事に繋がっていたかもしれませんわね。

騒動の発端として、私達はMrsシャーウッドにこってりと絞られましたの。

それぞれ、反省文と共に署名までさせられましたわ。
初めてのサインがそれだなん・・・・情けなくて頭が痛くてよ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー



演習場に集められた、私とフィロスとグレイ様、オズワルド皇子。

教鞭を片手に仁王立ちのMrsシャーウッド。

「オズワルド・・・・貴様。また私の元で学びたいようだな。フフフいいぞ?貴様が望むならまたこってりと可愛がってやろう」

そう呟くと、教鞭の切っ先でつつつとオズワルド皇子の顎先をなぞり微笑みましたわ。
青ざめ、カタカタと震えだすオズワルド皇子。


「グレイ・・・・貴様もだ。オズワルドの制御をお前ができなくてどうする?またDクラスからやり直すか?」

「お二人は、Dクラスでしたの?」

曲がりなりにも攻略対象ハイスペックな二人が、Dクラス落ちこぼれだなんて・・・・。
何かの間違いでなくて?

「言っただろう。【問題児】のクラスだと。力ばかり高く制御のできない青二才を矯正するのが、私の役目だ」

パシーン!

鞭がMrsシャーウッドの手元でしなりますわ。
その音に、ビクッと身を竦めるオズワルド皇子。

「また、僕までオズの巻き添えでDに?勘弁して欲しいな・・・・」

げんなりしたご様子のグレイ様。

「何を言っている。去年は、貴様が自ら進んでオズワルドのお守り役を買ってでただろう。諦めろグレイ。お前は、コレ・・とセット扱いだ」

くくくと笑うMrsシャーウッド。
なんとなく、グレイ様悪魔に同情心が芽生えましたわ。

「理由は、どうあれ連帯責任だ。貴様等には二週間の罰則を命じる」


「罰則?」
「清掃、いざこざの解決、部活の助っ人。困っている者の役に立て」

クエスチョンマークを浮かべ、小首を傾ける私とフィロスにMrsシャーウッドは、鞭をしならせ命じますわ。

つまり【奉仕活動】という事ですわね。

「丁度、南棟の壁に皹が入っているからな。そこの修復をおこなえ」

「入学式の日に、何処ぞの馬鹿が破壊したままだったからな。学生が起こした問題は学生が解決をする。アルファフォリスここの基本だ」


ああ。あの・・壁・・・・あのままでしたわね。
すっかり忘れていましたわ。

入学初日に、レオニダスお馬鹿わんこが突撃した壁。

「壁の修繕か。・・・・ルビアナ嬢がいると便利そうだな」

悪魔がボソリと呟きましたわ。
・・・・貴方、壁と聞いてルビアナを巻き込もうと企んでいらっしゃるの???


危険よ!ルビアナ!今すぐお逃げになって!!
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