天気になった少女と、僕の話を端々。

「目が覚めると、自分は天気になった」

 問1.これまで十余年仲良くしてきた幼馴染みにこんなこと言われたら、一体どんな反応をすればいいか。
 おかしなことだと思った。しかし、よく考えてみればおかしなことではないのかもしれない。僕はこいつのようなケースに何度も遭ってきたから。

 不可思議な存在に、遭ってきたから。

「オーディション! 合格しちゃったの!」

 問2.純粋無垢な瞳を目の前にして、こんなことを十余年(略)に言われたらどんな反応すればいいか。
 これに関してはおかしなことだとはそもそも思わなかった。いつか成し得るだろうと、僕は確信してたから。彼女が僕のアイドルであることは間違いなく、彼女がいずれ巣立って世界のアイドルになることは予感していたから。

 しかし、まさかこの二つに何か因果があるとは思わんだろうよ。
 彼女がアイドルになったその時、見えない何かが変わってしまっただなんて。

 懐かしい話をしよう。
 いつかきっと、語らねばとは思っていたんだ。
 彼女が残していた日記を元に、ありきたりな言葉で始めよう。
 これは、僕と彼女の、不可思議の、あり得ない現実だ。

 全、55話。
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