戦国姫 (せんごくき)

メマリー

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205話

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段蔵は鎖でつながれ、身動きできないでいる。目をつぶっていた段蔵がゆっくりと瞼を開いた。

「か、げ、と、ら」

「そうだよ。僕だよ!段蔵さん!」

謙信が段蔵に近寄ろうとした、その時。穣姫は段蔵の顔面に爪を突き立て謙信の動きを封じた。

「俺は、俺は」

どもりながら話す段蔵の影は薄く、今にも消えてしまいそうだった。

「この死にぞこないが。こやつは、死にきれず、黄泉の入り口で彷徨っていたのだ」

「段蔵さんをどうするつもりだ」

「お前の目の前で、いたぶり殺すも一興」

穣姫はけたたましい笑い声を上げて、段蔵の顔を爪で掻いた。段蔵は痛そうに顔を歪ませた。
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