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184話
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「あなたの苦悩の一部、少し分けて頂き嬉しく思う。うっ」
晴信はこらえ切れず、片膝をついた。
「晴信殿!」
寄り添うようにして謙信が晴信の肩を抱いた。
「さすがは、天下一の剣よのう。カッコつけてはみたが、さすがにこたえる」
晴信は痛みを押さえながら、愛嬌ある顔を浮かべる。謙信と晴信の目がぴたりと合わさる。数秒だが、心通わせるには十分な時間が流れ
「ふふふ」
「ははは」
見つめ合う二人はほぼ同時に笑みを零した。少し経って、謙信が素に戻り、家臣を呼ぼうと声を上げた。
「血が。誰か!!」
「かまわぬ。このままもう少し、2人で居たい」
晴信は謙信の手を取って、熱い視線を送る。
ならば、と謙信は着物の袖を裂いて、晴信に当てた。
「骨までは行ってない」
「うっ」
晴信が苦悶の表情を浮かべる。
「我慢しろ!武田の棟梁だろうが」
「すみません」
素直に首を垂れる晴信に、謙信の顔がほころぶ。
晴信はこらえ切れず、片膝をついた。
「晴信殿!」
寄り添うようにして謙信が晴信の肩を抱いた。
「さすがは、天下一の剣よのう。カッコつけてはみたが、さすがにこたえる」
晴信は痛みを押さえながら、愛嬌ある顔を浮かべる。謙信と晴信の目がぴたりと合わさる。数秒だが、心通わせるには十分な時間が流れ
「ふふふ」
「ははは」
見つめ合う二人はほぼ同時に笑みを零した。少し経って、謙信が素に戻り、家臣を呼ぼうと声を上げた。
「血が。誰か!!」
「かまわぬ。このままもう少し、2人で居たい」
晴信は謙信の手を取って、熱い視線を送る。
ならば、と謙信は着物の袖を裂いて、晴信に当てた。
「骨までは行ってない」
「うっ」
晴信が苦悶の表情を浮かべる。
「我慢しろ!武田の棟梁だろうが」
「すみません」
素直に首を垂れる晴信に、謙信の顔がほころぶ。
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