167 / 227
165話
しおりを挟む
「いえ、とんでもございません」
「あーでも言わないと、他の家臣に示しがつかんでしょ。俺としては、買ってるのよ。源ちゃんのこと」
「有り難きお言葉」
「で、どないだ、按配は」
バレエのデベロッペをしながらフォームを気にする晴信。
「今宵、五百の兵をお借りいたしたく、参上に上がりました」
「ほう五百とな。村上、小笠原は、連合軍で来るだろうねえ。そしたら、五千はいるよ」
信濃葛尾城主、村上義清は、槍の名手でその名を轟かせ、信濃の東部から北部を支配下に収めた実力者。兵力差もさることながら、義清の武勇によって信濃北部政略は失敗続きだった。
「了解しております」
晴信の危惧を払拭するように源助はニヤリと笑って応えた。
「まあよい。お主の戯言に付き合ってくれるわ。五百の軍勢しかと預けた」
「一兵の雑兵も無駄にすること無く、北信濃を手に入れて見せまする」
「貴様の大風呂敷、楽しみにしておるぞ」
「は!」
雨がやみ青空が顔を出した。数日振りの陽光が、晴信を照らした。
「あーでも言わないと、他の家臣に示しがつかんでしょ。俺としては、買ってるのよ。源ちゃんのこと」
「有り難きお言葉」
「で、どないだ、按配は」
バレエのデベロッペをしながらフォームを気にする晴信。
「今宵、五百の兵をお借りいたしたく、参上に上がりました」
「ほう五百とな。村上、小笠原は、連合軍で来るだろうねえ。そしたら、五千はいるよ」
信濃葛尾城主、村上義清は、槍の名手でその名を轟かせ、信濃の東部から北部を支配下に収めた実力者。兵力差もさることながら、義清の武勇によって信濃北部政略は失敗続きだった。
「了解しております」
晴信の危惧を払拭するように源助はニヤリと笑って応えた。
「まあよい。お主の戯言に付き合ってくれるわ。五百の軍勢しかと預けた」
「一兵の雑兵も無駄にすること無く、北信濃を手に入れて見せまする」
「貴様の大風呂敷、楽しみにしておるぞ」
「は!」
雨がやみ青空が顔を出した。数日振りの陽光が、晴信を照らした。
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる