戦国姫 (せんごくき)

メマリー

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第147話

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悪政で名高かった父武田信虎を駿河国に追放し、武田家の当主となった。

信虎の治世は度重なる外征の軍資金確保のため、領民に重税を課した。

怨嗟の声が国中に響き渡った。

信虎の追放は領民からも歓迎された。

しかし、信虎を主と仰ぐ家臣たちも多く、次男の信繁を当主にとの声も大きかった。

晴信はお家騒動に発展させないため、奔走していた。そんな折、異形の男が仕官を申し込んできたのだった。

源助の風貌は醜男で左眼は無く、土竜の皮を鞣して作った眼帯を嵌めていた。

また、左足の大腿(ふともも)の中ほどから下が無く、鉄で作った義足を装着していた。

移動時は松葉杖を突き、足を引きずるようにして歩いた。
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