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第143話
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ブワーンと紫の妖気を纏った鬼斬り丸の本身が、鞘からするりと現れた。
「そんな」景虎は力無くその場にへたり込んだ。
「さぁ。今宵は満月だ。すっぱりいってくれ」清々しい笑みを浮かべて、ペシペシと段蔵は自分の首を叩き、表情を一変させて「景虎、頼む」と目を閉じた。
「殿」神五郎がへたり込む景虎の背中を押す。
「できないよ」涙声で訴える景虎に神五郎は背を向け「ご免!」脇差を抜いて段蔵に歩み寄った。
「神五郎!やめて!」
神五郎の裾を掴んで離さない景虎を引きずるようにして、神五郎は縁側に足を進めた。
「分かった!僕がやるから!」景虎は鬼斬り丸を握りしめ、よろよろと立ち上がった。
重い足を一歩一歩踏みしめて、景虎が段蔵に近づく。
一切の動きを止めた段蔵は、一塊の岩のように鎮座している。
「そんな」景虎は力無くその場にへたり込んだ。
「さぁ。今宵は満月だ。すっぱりいってくれ」清々しい笑みを浮かべて、ペシペシと段蔵は自分の首を叩き、表情を一変させて「景虎、頼む」と目を閉じた。
「殿」神五郎がへたり込む景虎の背中を押す。
「できないよ」涙声で訴える景虎に神五郎は背を向け「ご免!」脇差を抜いて段蔵に歩み寄った。
「神五郎!やめて!」
神五郎の裾を掴んで離さない景虎を引きずるようにして、神五郎は縁側に足を進めた。
「分かった!僕がやるから!」景虎は鬼斬り丸を握りしめ、よろよろと立ち上がった。
重い足を一歩一歩踏みしめて、景虎が段蔵に近づく。
一切の動きを止めた段蔵は、一塊の岩のように鎮座している。
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