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第137話
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「ヤダ、ヤダよ!段蔵さん死んじゃヤダ!」
段蔵は胸元で泣きじゃくる景虎の肩を片手でそっと掴み、腕を伸ばした。
「……俺は……風魔だ。風魔のやり方に嫌気がさし、里を抜けだして、軒猿で厄介になっていたのだが。それが、風魔にばれた。風魔は里の総力を挙げて俺を殺しに来るだろう。景虎にも迷惑が掛かる。俺の存在が風魔にばれた以上、ここにいることは出来ない。それに、晴信が越後を狙っている。俺が殺した忍びの中に透破が多く混じっていた。これは、北条と武田が手を結んだことを意味する」
「意味わかんないよ!」目尻に雫をためて、小首を振る景虎。
段蔵が景虎の肩にかけた手に力を込める。
「敵になるんだよ!俺たちは!俺はお前を殺せと風魔の棟梁である小太郎から命を受けた。達成できなければ、俺の母者や妹、俺に係るすべての人間が闇に葬られることになる。俺が死ねば!死ねば、お前を殺さずに済む」
段蔵の肩が震える。
段蔵は胸元で泣きじゃくる景虎の肩を片手でそっと掴み、腕を伸ばした。
「……俺は……風魔だ。風魔のやり方に嫌気がさし、里を抜けだして、軒猿で厄介になっていたのだが。それが、風魔にばれた。風魔は里の総力を挙げて俺を殺しに来るだろう。景虎にも迷惑が掛かる。俺の存在が風魔にばれた以上、ここにいることは出来ない。それに、晴信が越後を狙っている。俺が殺した忍びの中に透破が多く混じっていた。これは、北条と武田が手を結んだことを意味する」
「意味わかんないよ!」目尻に雫をためて、小首を振る景虎。
段蔵が景虎の肩にかけた手に力を込める。
「敵になるんだよ!俺たちは!俺はお前を殺せと風魔の棟梁である小太郎から命を受けた。達成できなければ、俺の母者や妹、俺に係るすべての人間が闇に葬られることになる。俺が死ねば!死ねば、お前を殺さずに済む」
段蔵の肩が震える。
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