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第131話
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秀忠が揺らされた頭を元に戻した瞬間、凄まじい風音が秀忠に吹き付けられた。
ボタン
鬼斬り丸の紫電瞬(またた)き、切り落とされた秀忠の蛇頭が地を這った。
狼の体躯がバターンと音を立てて倒れ、黒煙を上げて炎上し始めた。
「おのれ景虎。我は死なぬ。我は死なぬぞ!!!!!!オレハ・テン。カ・ミ・ナ・ノ・ダ」
全身から放たれる火柱に顔面を焦がしながら、秀忠は息絶えていった。
景虎は秀忠の死を見届けると、段蔵の許へと駆け寄った。
「段蔵さん!!」
「はぁ。はぁ。俺は大丈夫だ」
息も絶え絶えな段蔵だったが、景虎に心配かけまいと、必死に笑って見せる。
「大丈夫じゃないよ!!!!!」
景虎は段蔵の左腕を両手でぎゅっと握りしめ、涙を浮かべる。
「何を泣いているんだ。泣き虫だな。景虎は」
萎れ顔で肩をしゃくる景虎の頭を、段蔵が右手で優しく撫でる。
「だって、段蔵さんの腕が、腕が!」
段蔵の左腕は、秀忠の体内に炸裂弾を押し込んだ時、根元から食い千切られていた。
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鬼斬り丸の紫電瞬(またた)き、切り落とされた秀忠の蛇頭が地を這った。
狼の体躯がバターンと音を立てて倒れ、黒煙を上げて炎上し始めた。
「おのれ景虎。我は死なぬ。我は死なぬぞ!!!!!!オレハ・テン。カ・ミ・ナ・ノ・ダ」
全身から放たれる火柱に顔面を焦がしながら、秀忠は息絶えていった。
景虎は秀忠の死を見届けると、段蔵の許へと駆け寄った。
「段蔵さん!!」
「はぁ。はぁ。俺は大丈夫だ」
息も絶え絶えな段蔵だったが、景虎に心配かけまいと、必死に笑って見せる。
「大丈夫じゃないよ!!!!!」
景虎は段蔵の左腕を両手でぎゅっと握りしめ、涙を浮かべる。
「何を泣いているんだ。泣き虫だな。景虎は」
萎れ顔で肩をしゃくる景虎の頭を、段蔵が右手で優しく撫でる。
「だって、段蔵さんの腕が、腕が!」
段蔵の左腕は、秀忠の体内に炸裂弾を押し込んだ時、根元から食い千切られていた。
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