戦国姫 (せんごくき)

メマリー

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第90話

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オン・ベイシラマナヤ・ソワカ オン・ベイシラマナヤ・ソワカ
オン・ベイシラマナヤ・ソワカ オン・ベイシラマナヤ・ソワカ
オン・ベイシラマナヤ・ソワカ オン・ベイシラマナヤ・ソワカ

「効かないって言ってるだろうが!!神五郎!!この老いぼれを摘み出せ!!」

「しかし」どぎまぎとして、神五郎は立ち上がれないでいる。

「何をしておる!!」甲高い怒声が、神五郎に浴びせられる。

「は!」神五郎が立ち上がろうとしたその時、「入るな!」と光育が額から汗を流して恫喝した。

「切る」景虎は、刀台に掛けてある、鬼斬り丸に手をかけた。

が、鬼斬り丸は当然の様に抜けない。

「クソが!」景虎は鬼斬り丸を投げ捨てて、脇差を抜いた。

臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前

渾身の力を込めて光育は早九字を切った。

「効かぬわ!!!」羅刹の様に目を吊り上がらせる景虎は、大きくかぶりを振って足を一歩踏み出した。
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