51 / 227
第51話
しおりを挟む
ふっ~と虎千代が安堵していると
「怪我はないか」
段蔵が尻餅をついたままたたずむ虎千代に手を差し伸べた。
「うん。僕は大丈夫」
段蔵の手を握ると、べとりした血の感触が虎千代に伝わった。
虎千代が顔を上げて段蔵を見ると、段蔵は全身に返り血を浴びて肌が真紅に染まっていた。
「段蔵さんは?」
虎千代が心配そうな顔を浮かべると
「どうもない、怖くなかったか?」
段蔵が膝をついて血塗れの顔を虎千代に向けた。
「ちょっと怖かったけど、でも段蔵さんがいてくれるから大丈夫だって思ってた」
虎千代がそう言うと、段蔵は真紅に染めた顔から白い歯を零して
「それは良かった」
と、碧い空を背にして優しい笑みを浮かべた。
虎千代が立ち上がり辺りを見渡すと山伏達の姿が無かった。
「あれ?」
虎千代が首を傾げていると段蔵が切り取った山伏の腕を谷に投げながら
「谷に落とした。追手が見つけるまでには手間がかかるだろう」
そう言って山道を先に進んだ。
「怪我はないか」
段蔵が尻餅をついたままたたずむ虎千代に手を差し伸べた。
「うん。僕は大丈夫」
段蔵の手を握ると、べとりした血の感触が虎千代に伝わった。
虎千代が顔を上げて段蔵を見ると、段蔵は全身に返り血を浴びて肌が真紅に染まっていた。
「段蔵さんは?」
虎千代が心配そうな顔を浮かべると
「どうもない、怖くなかったか?」
段蔵が膝をついて血塗れの顔を虎千代に向けた。
「ちょっと怖かったけど、でも段蔵さんがいてくれるから大丈夫だって思ってた」
虎千代がそう言うと、段蔵は真紅に染めた顔から白い歯を零して
「それは良かった」
と、碧い空を背にして優しい笑みを浮かべた。
虎千代が立ち上がり辺りを見渡すと山伏達の姿が無かった。
「あれ?」
虎千代が首を傾げていると段蔵が切り取った山伏の腕を谷に投げながら
「谷に落とした。追手が見つけるまでには手間がかかるだろう」
そう言って山道を先に進んだ。
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる